原六郎の足跡めぐり 電燈供給発祥の地
原六郎の足跡めぐり 電燈供給発祥の地
2020年6月20日撮影写真より
前に京都旅行の、
2020年1月京都旅行 北垣国道銅像 その1 、その2、その3
に出てきた、北垣国道について調べていると、同じ但馬出身の原六郎という人の記事をいろいろなサイトで見かけました。
原六郎は、幕末に北垣国道と同じく青谿書院(せいけいしょいん)で学び&生野義挙に加わり、戊辰戦争では倒幕側として戦い、維新後に軍人から銀行家へのジョブチェンジを行い、銀行家・実業家として財をなした人のようでした。
その原六郎、北垣国道より関東での足跡が多そうなのでさらに調べて、行き着いたのがこの「電燈供給発祥の地」です。
「電燈供給発祥の地」は原六郎を含む*6人の発起人で設立された東京電燈により「日本発の営業用火力発電」が始まった場所とのことです。
*6人:矢嶋作郎、原六郎、大倉喜八郎、三野村利助、柏村信、蜂須賀茂韶
東京電灯(株)『東京電灯株式会社開業五十年史』(1936.08) 渋沢社史データベースより
北垣国道は琵琶湖疏水で「日本初の営業用水力発電」、原六郎のほうは東京で「日本初の営業用火力発電」に携わっていたということに。 あの頃に電気をガンガン取り入れようとするとは、新しいことへの貪欲さがパネー(半端ない)っす。 昔の但馬の人そんなノリだったの?
ちなみにここに書いていた北垣国道と同じように、但馬出身の原六郎についてのことは、自分が住んでいた頃の自分の田舎の但馬地方ではあまり教えられることも語られることもなかったと記憶しています(自分の周りだけかもですが)。 おせーてよ。 まぁ、かわりに自分でいろいろ調べる楽しみができたかな。
で、その電燈供給発祥の地には「電燈供給発祥の地」碑文がありました。
碑文を書き出してみます。
「電燈供給発祥の地
明治20年(西暦1887年)11月21日東京電燈会社が
この地にわが国初の発電所を建設し、同月29日から
付近の日本郵船会社、今村銀行、東京郵便局などの
お客様に電燈の供給を開始いたしました。
これが、わが国における配電線による最初の電燈
供給でありまして、その発電設備は直立汽缶と、30
馬力の横置汽機を据付け、25キロワットエジソン式
直流発電機1台を運転したのもので、配電方式は電圧
210ボルト直流三線式でありました。」
あまりにも発電事業に取り組むのが早すぎて、まだエジソンとテスラの直交バトル(直流と交流どちらが発送電に優れているかバトル)が真っ最中のうちに、エジソン式直流発電機を購入・使用してしまっているのが歴史の勉強になります。
「エジソン式直流発電機」とは前に上野の国立科学博物館で見かけたこの発電機のことかな。
説明文抜き出してみるとそのようですね。
日本最初の事業用火力発電所で使用
エジソンダイナモ
エジソン10号型直流発電機 1889年以前
Edison Machine Works Co.製
400灯用 125V 200A 提供:東京電力 株式会社
1887(明治20)年11月、東京電燈株式会社第二
電燈局が現在の南茅場町に開業し、直流約
220Vで送電を開始した。電圧が低いので
供給できるのは周囲薬数kmの範囲であった。
当時、発電所からの電気は、照明だけに利用
されていたので、発電所は電燈局と呼ばれた。
この「エジソン式直流発電機」はいいですね。
電力ビジネス黎明期のあの当時は、日本で真っ先に発電所を作ろうとした先進的な人たちも、エジソンですらも、直流を使ってしまっていた。
テスラも理論的な説明だけでは説得しきれず?、結局は実際に発電&送電やってみて実施の結果で交流のほうが優れていると実証されるまでは、発送電には交流、とまでは到らなかった。
すなわち、交流よくわからない俺わるくないw。 偉大な先人ですら直交バトルを繰り広げるような状態なんだから、交流よくわからない俺わるくないw。 直流の解説ページから、何の説明もなく交流の解説ページだけがシームレスにはじまる解説のほうがわるいw。
そういえば名古屋の「でんきの科学館」の直流・交流コーナーではちゃんと一言「三相交流は、いろいろな利点があります」て書かれていました。 えらい。 一言でもいいから、そーゆーのおせーて。
いやー歴史を振り返るといろいろ学べますね、俺わるくないw、とかw。
あと最後になりますが、碑のある場所は、茅場町のビジネスホテル・相鉄フレッサインの前になります。
碑文は月日を経たせいか、自分の写真の写りが悪いのか、そろそろ字が読みづらくなってきているかもです。
この日、さらに「電燈供給発祥の地」から続いていった発電所の跡地をめぐってきました。
以下のPDFに最初の電燈局についてのより詳細が載っています。参考までに。
参考PDF(一般社団法人電気協会 関東支部 サイトより)
次回
電気散歩まとめnote
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