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小説を書きながら孤独を深める

アマチュアの物書きのほとんどは、孤独といかに折り合いをつけて進むかが問題になると思っている。
私ももちろん、長い間その葛藤の中、書き続けている。

その長い年月の中では、読者が付く物語を書くこともあった。
『どうしてこれ、人気なのかなあ?』と思うものもあったが、読者が付くと急にその物語に力が入って、結果、私自身もその物語が好きにあることもあった。
逆に、『なんでこれ誰も読んでくれないんだろう(自信作なのに)』とか、更新してもしても楽しんでもらっている様子がなく『手応えないなあ』と悲しくなって、次第に自分が本当に書きたかった物語を蔑ろにしてきたりもした。

自分が書きたいものだけを書けばいいし、それがアマチュアの特権なんだから。

理屈ではそう。
キレイゴトでは、そう。

けれど人間には承認欲求という厄介なものがある。
生きているなら、誰かに認められたいし、誰かに褒められたいし、誰かの特別になりたい――。
それが難しいとき、人は心が折れるのではないかな。

ここ数年、私は心が折れっぱなしだった。
書いても書いても、読者がついている気がしなかった。
でも投稿サイトなんてそんなものだよね、読む人よりも書く人の方が圧倒的に多いんだから……。
そう思って自分を慰めて、励まして、書き続けた。

『今、頭の中にある物語を書き終えたら終わろう』
『あと長くて7年かな』

気落ちしながらも覚悟した。

誰にも望まれないってことは私の感性は今の時代に受け入れてもらえないってことだろうし、そろそろ創作活動への終わりが見えてきたなあ、と終活ならぬ、終筆を意識してきた。


そんな中、とある物語に読者が付き始めた。
毎日毎日、新しい読者さんが来て、お気に入りに入れてくれるという不思議(?)現象が起きた。
どこにも宣伝していないし、お互い☆を投げ合っている少数の書き手さんたちにしか認知されていない物語。
正直に言うと、字数だけ最低限合わせて(未完成可の)コミカライズ用コンテストに応募し落選した後、放置していた物語。

私はひっそりと連載を再開させただけだった。
だけど毎日、たくさんの方が読みに来てくれるようになった。
……どこかに晒されてるんじゃないのかな(怖)とも疑ってみた。(実際わからない)

なにはともあれ、誰にも読まれない物語を、自分のためだけに書いていた時間と、誰かが待っている、と思って書く今はモチベーションがまったく違うことをひさしぶりに思い出して、毎日が楽しくてたまらない。

ありがとう。
どこの誰かさんかわからないけれど、私は毎日、あなたたちに感謝しながら物語の続きを書き続けております。

と同時に、『書き手より読専さんの方が圧倒的に少ない』と思っていたのは自分への慰めだったと知った。
なぜなら、今、私の物語をお気に入りに入れてくれるほぼ全員が読み手さんだからだ。(都市伝説だと思ってたよ)

こんなところから感謝を伝えても届かないことは分かっているけれど、残り後半、期待を裏切らないよう頑張って書こうと思う。


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