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築いてきたものを壊したくなるのは
心理学的には破壊衝動ともいうらしいです。
誰でも多少は持っていると言うけれど、人は他人の内側を見ることができないから、自分のそれが、多少の「多」の方なのか「少」の方なのかは確かめようがない。もしそれが数値化されたら、ほらね、私は病的だったの、だからしょうがなかったの、と安堵するかもしれないし、もしくは、私と同じ衝動をみんなは我慢していたってこと?と驚いて、破壊しつくした自分に呆然とするかもしれない。
私はこの厄介な衝動のおかげで、今までたくさんの人間関係を断ってきました。特にネットの中では酷いものでした。
個人サイト、ゲームサイト、掲示板、ブログ、Twitter・・・
なにかトラブルがあったわけでもなく、ある日突然、すべての人間関係を清算したくなってしまうのです。『閉鎖します』と断って閉じたサイトやブログと同じくらい、そっとフェードアウトした関係もありました。そうして気に入っていたハンドルネームごと捨てて、新しい場所で再スタートするのです。
そんなことを繰り返してきて、
ある日、立ち止まりました。
気がついたら、
『新しい私』に時間を割いてくれる人が現れなくなったのです。
だったら自分から飛び込んでいけばいいものを、来るもの拒まず、を長いことやってきてしまったからか、プライドが邪魔をして、行くもの、になる勇気が湧いてきてくれない。
いつのまにか時代はフォロワー数が多いことが価値で、セルフプロデュースが出来る人(ファンを獲得できる人)しか生き残れない世界になっていました。完全なる二極化です。
私は周りを見回してみました。
過去、私が切り捨てた仲間たちは、私がいなくても当時のまま、和気藹々とその関係を続けていたし、ブログで親しくなった人たちも私がいなくても楽しく更新しているし、新しく出会った人たちは皆、過去からの人間関係を持ち越して現在を生きている。
私だけ“過去がない”。
余談ですが、
リアルでの私は、そっと離れていく誰かのことを、時には非難したり同情したりしているのです。
ーーなんか寂しいよね
ーーあれだけわかり合えたようなこと言い合ってたのにね
ーー関係を壊すのは一瞬なのにね
全部、私自身に言っているのですが、周りの人からすれば悪口に聞こえるかもしれません。
今の私には分かっています。
他人との関係をすぐに切ってしまう人は、
他人を引き受けたまま、生きていけない人です。
キャパオーバーなのです。
そしてこんなことも思っているはずです。
相手から去られる前に去ろう。
自分で自分を好きにならなければ、このループは永遠に続くのです。
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