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CLAMP展に展示されていた作品年表による、今後のCLAMP作品の展開の考察


CLAMP展とは

2024/07/02-09/23において、「CLAMP展」が開催されています。
CLAMP活動35周年ということで、過去作品全てのカラー原画や漫画原稿、それに紐づくCLAMP先生たちのメッセージや挑戦の歴史が紹介されています。

CLAMP展で展示されていた作品年表

その中に、CLAMP先生たちがこれまで携わられた作品の年表がありました(撮影許可エリア)。

この年表を見て、1つの仮説を思い付いたのでまとめます。

1.同じテーマを繰り返し伝えていた活動初期(1989-2010)

世紀末な空気であった当時、日本自体も過渡期で異質な雰囲気が漂っていたと聞きます。
CLAMP作品は、その当時の問題に問いかけるように東京BABYLONやXが展開されます。
それと合わせて、魔法騎士レイアースやカードキャプターさくらなどファンタジーなストーリーも描かれています。

まるで方向の違う作品を同時に描きつつ、一方で芯となるテーマはどの作品も変わらず「愛すること」であるように思います。

「自分自身をそのまま等身大できちんと愛すること」
「それを持って他人に接すること」

これをこのあと、少年向けに「ツバサ」、青年向けに「xxxHOLiC」、女性向けに「CLOVER」、など、手を替え品を替え、あらゆる層に訴えかけています。
これがCLAMP作品歴の前半と考えます。

2.新しいテーマを模索する過渡期(2011-2015)

この頃は新連載を初めては休止、過去の作品を再開しては休止、を繰り返しています。
当時は「飽きずに書き切ってくれ……」と思っていましたが、今こうやって見ると、CLAMP先生の「悩み」を感じました。
多分世界の価値観の方が変わってきたのを感じていたのだと思います。

当時は「ありえない」と言われていたカードキャプターさくらの「多様性が認められる」世界に、少しずつ変わってきていたように思います。
LGBTQやダイバーシティという言葉ができたり。
「その人がその人のままで居る」という価値観が、少しずつ日本に浸透してきていたように思います。
つまり、CLAMP先生が訴えてきたテーマに、社会が追いついてきたのだと思います。

そこでおそらく先生たちは考えたのではないでしょうか、「今後も同じテーマで良いのか」と。

彼女たちは、2010年代に漸く受け入れられ始めた価値観を、1990年代から書いてきたのです。
その様子を感じ取ったCLAMP先生たちは「テーマを次の世代に向けたものに一新すべき」と考えたのではないか、と考えます。
色々な作品を進めながら思考を巡らせ、その結果出た結論が、「カードキャプターさくらをこの現代に連れてくる」だったのではないでしょうか。

3.新たに「現代」に向けたメッセージを描き始めた現代(2016-2023)

そして2016年から連載が始まった、「カードキャプターさくら クリアカード編」。
これは当時子供だった層に加えて、現在の子供もしっかり層に捉えています。
何よりも、さくらたちがスマホを使っていたりと、「時代背景は現代である」というのをはっきりと描写しています。
これは準備だったのではないでしょうか。
ここでCLAMP先生たちは、「また35年後、2050年代には当たり前になっていてほしい価値観」を描き始めたのではないでしょうか。

今思えば、xxxHOLiC戻ではガラケーが出てきました。
これは「xxxHOLiC連載当時は当時はガラケーの時代だった」「クリアカード編は違う」を強調させるための前段階だったのではないでしょうか。

4.おそらく怒涛の展開が再スタートするこれから(2024-)

CLAMP先生たちの活動は今年で35周年を迎えます。
これまでたくさんの作品で一貫したテーマを描き、それを伝え続けていました。
その35年の価値観をアップデートし、2024年に発表された「魔法騎士レイアースの再アニメ化」を筆頭に、怒涛の「最盛期」がまた始まるのではと期待しています。

あのときは描けなかった「GATE 7」のテーマを描くための土台が整ったのではないか。
「xxxHOLiC」の四月一日が待った甲斐が出てくるのではないか。
「合法ドラッグ」改め「ドラッグ&ドロップ」の、名前を現代風に改めた意味が見えるのではないか。
そして、世紀末時代に描き切れなかった「X」を、今だから描ける内容で更に強いメッセージで再開するのではないか。

…というわけで、
色んな作品の連載再開を大変期待しています!!!
新作もたくさん出ることを期待しています!!!
CLAMP先生、今後も末永く作品を楽しませていただきます、よろしくお願いいたします!!!

以上、1ファンの考察でした。

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