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ジョージアの調味料 ハングアウトトビリシ #21

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調味料が料理を規定する

こんにちは。siontakです。のっけから大きく出ましたが、今週のテーマは調味料。考えてみると現代、世界にはたくさんの食物がそれぞれ広く分布していて基本的な食材自体は日本でもアメリカでもジョージアでも大差ありません。でも生のキュウリを一本スライスしてそこに酢をかけるのか、味噌を塗るのか、オリーブオイルを垂らすのかで同じキュウリが全く変わったものに変貌してしまいます。
本連載初期にジョージア料理について書きましたが今回はジョージアの料理を語る上では外せない、ジョージアの代表的な調味料について紹介したいと思います。
ちなみに本記事のヘッダー画像はトビリシ中央バザールの手作り調味料売り場。リサイクルされたガラス瓶に詰められたソースが売られています。

ტყემალი ケマリソース

ジョージアのことを書いたり話したりしていて困るのは固有名詞の日本語表記が統一されてないことです。このケマリもそう。ジョージア語ではტყემალი、英語ではTkemaliと表記されるので日本語でもトケマリと表記されることも多いのですが子音Tだけの発音ができない日本語でトと発音してしまうと語気が強すぎて現地ではまず通じません。正しい発音はともかく、「ケマリ」の方が通じやすいと思っています。

発音話が長くなりました。さてケマリとはなにか。ケマリは青梅やスモモと同じバラ科の果実です。青い果実は酸っぱくて熟すと甘くなります。

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ケマリソースはこれくらいの青い未熟な酸っぱいケマリでつくります。ちょうど6月初夏のころがこの時期で日本の梅仕事と同じく、今ジョージアでは田舎でも街でも家の婆様が丹念に一年分のケマリソースをつくっているでしょう。

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ボルジョミの宿に泊まった時も婆様が中庭でケマリをつくっていた

材料はケマリのほかにニンニク、コリアンダー(パクチー)、ディル、ペニーロイヤルミント、セイボリー、青唐辛子に砂糖と塩。レシピ(英語)はこちらからどうぞ。日本では聞きなれないハーブがたくさん使われますが主役はケマリ。とても酸っぱくて豚串焼き肉ツワディやケバブを食べるときには欠かせないソースです。日常的にもフライドポテトでもなんでもつけて食べていますね。国民的調味料であるゆえんです。

個人的には梅干しの果肉だけを練った練り梅の遠い親戚のような味わいを感じます。

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だんだんと手作り文化は薄れていき、スーパーに各社ケマリソースが並ぶようになるのはどこの国でも同じ。ケマリソースは緑・黄・赤と大きく三種類にわかれる。

酸味が強いためか保存容器はガラス瓶とコーティングされた金属蓋が多いのでお土産に持って帰るにはちょっと重いのが難点ですが、現地で食事するときはケマリソースを別途頼んでみることを強くお勧めします!

აჯიკა アジカ

アジカ、なんとなくアジと味が結びついてしまい覚えやすい調味料です。
原材料は唐辛子、パプリカ、イタリアンパセリ、セロリー、紫色のバジル(イタリアンバジルよりもホーリーバジルに近い)、ここまでがフレッシュなもので以下は乾燥したブルーフェヌグリーク、コリアンダー、マリーゴールド、ディル、塩など。こちらも辛い唐辛子ペースト状のもの、乾いたもの、緑色のもの、胡桃が混ざったものなどいろいろなバリエーションがありますが基本的には比較的辛い料理が多い、サメグレロ州にルーツを持つ調味料です。
英語でのレシピはこちら

使い方としては万能で、パンとチーズに少しつけて食べてもいいですし、ポークリブをオーブンで焼く前に塗りつけたりもします。若い男たちがウオッカを飲む時、安いソーセージにアジカの一瓶もあれば十分だったりします。
こちらもバザールやスーパーに行けば小さな容器に入ったのが売られています。日本人的にはそれほど辛くもないので試しに買ってみるのもいいかもしれません。

სვანური მარილი スワネティソルト

スワネティ地方原産のハーブスパイスミックスソルトです。ミックスソルトといえば日本ではクレイジーソルトが昔から人気があったように思いますが感じとしてはよく似ています。

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