ハンドピック
ハンドピック。なかなか聞きなれない言葉ですが、美味しいコーヒーを作るうえで欠かせない作業です。手作業なのですが、慣れてしまうとそんなに大変な作業という思いはなくなります。では、ハンドピックを紹介をしていきます。
ハンドピックは必要なの?
ハンドピックとは、欠点豆を取り除く作業のことを言います。欠点豆とは、カビ豆、未熟豆、欠け豆、発酵豆、黒豆、虫食い豆、コッコ、パーチメント、死豆等があります。これらの欠点豆はコーヒーの味や香りにとても悪影響を及ぼします。この他に木くず、小石、トウモロコシがあり稀ですが、その国のコインが混ざっている事もあります。これらを焙煎してしまうと見つけにくくなり、そのままミルで粉にしようとするとミルを壊してしまう下人にもなるので、必ず取り除くようにしましょう。
1つ1つの欠点豆の特徴
① カビ豆
乾燥が不十分だったり、精製後の保管中に雨や湿気でカビが発生してしまう事もあります。カビ豆があるとやはりカビ臭く感じます。
② 未熟豆(ヴェルジ)
コーヒーチェリーが成熟しないうちに収穫されてしまった豆です。未熟豆があると渋みと青臭い匂いがします。
③ 欠け豆
精製時に脱穀をするとき機械を使います。その際に割れたり、欠けたりした豆の事です。焙煎のムラの原因になります。
④ 発酵豆
収穫してすぐに精製作業に取り掛からなかったり、精製後の保管中に発酵してしまう事があります。取り除かないと独特な発酵臭がしたり、嫌な酸味の原因になります。
⑤ 黒豆
コーヒー豆が地面に落ちて土に長く触れることで黒くなったり、完全に発酵してしまって傷んだ豆の事です。コーヒーが濁ったり、腐敗臭が全体に広がる原因にもなります。
⑥ 虫喰い豆
コーヒーベリーボーラー等の害虫によって穴が空いたり、表面に黒いしみができたりします。コーヒーベリーボーラーがコーヒーチェリーに卵を産みその幼虫が実を食べた事によって虫食い豆ができます。コーヒーの味が落ちたり悪臭の原因にもなります。
⑦ コッコ
コッコとは、脱穀がきちんとできなかったり、果肉が付いたまま乾燥してしまった豆の事です。ヨード臭(薬品のような匂い)の様な匂いがします。
⑧ パーチメント
パーチメントとは、脱穀ができずに内果皮が残ってしまっている豆です。渋みえぐ味の原因になります。
⑨ 死豆
実が正常に実らなかった白っぽい豆の事です。風味がなく異臭の原因になります。
ハンドピックの方法
黒っぽいトレイに生豆を重ならないように平らに広げます。下地が黒っぽい方が欠点豆の見つけやすいです。バットに黒い紙を敷くのも良いでしょう。
一気に全体を見ようとしたら集中できずに見落としが多くなる可能性があります。少量のブロックに分けた方が、集中力が維持できて疲れにくくなります。
欠点豆を見分けながら生豆の大きさも一緒に揃えていきましょう。大きすぎる豆や小さすぎる豆は、煎りムラの原因になります。
ハンドピックをやっているとこれは欠点豆になるのかなと迷う豆も出てくると思います。その時は美味しいコーヒーが作れると思って欠点豆にしましょう。
コーヒー生豆の洗浄
コーヒー生豆は、けっこう汚れています。洗うことによって生豆の表面の埃や薄皮等を取り除くことができます。焙煎時のチャフ(薄皮)が出にくくなり焙煎後の掃除が楽になります。ではコーヒー生豆の洗浄の手順を紹介していきます。
➀ボウルにぬるま湯を張る。
➁コーヒー生豆を入れて、米を研ぐように豆と豆をこすります。
③きれいなお湯に変えながら3回か4回繰り返します。
④きれいにすすいだ後は、平らに広げ一晩乾燥させて終了です。
焙煎後のハンドピック
焙煎をした後もハンドピックをした方が良いでしょう。焙煎した後はコーヒー豆が少しふっくらと大きくなっているので、欠け豆や死豆等は見つけやすくなると思います。深く焼きすぎて濃い色をした豆や逆に火の通りが悪くて色が薄い豆は、味のバラツキの原因になる煎りムラも取り除きましょう。
まとめ
コーヒーの味に悪影響を及ぼす欠点豆や異物。これはグレードの低い生豆だったり、ナチュラルと呼ばれる精製方法だと欠点豆が多くだいたい40%前後、ウォッシュドと呼ばれる精製方法でもだいたい20%前後、含まれています。40%も入っていたら、もったいないじゃんと思うかもしれませんね。でも美味しいコーヒーが作ろうと思えば、欠点豆を取り除いた方が良いです。グレードの高い生豆を購入すれば欠点豆が少なくないので、ハンドピックの作業も楽になります。
ハンドピックの方法を記事にしてみました。こだわりを一つ増やすという意味でハンドピックにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
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