自作詩『ただよう』
『ただよう』
どこにもとどまらず
いつまでも漂って
価値のないやつと言われても
夢中で飛んでいる
あとは消えるだけでも
知らないふりをして
あっちこっちと
漂いつづける
ゆらゆらとして
評価もされない
地位もなければ
名誉などもない
かって気ままに
すき間からすき間へ
名もない美しさをたずさえて
流れていく
そうして
誰にも知られない
かすかな思いつきを
路地裏にばら撒いて
夜の星々の笑いを誘う
朝になれば
子どもたちが拾うだろう
遊びつかれた言葉のカケラを
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