見出し画像

【美術館の楽しみ方】 常設展を見ないなんて損してる

「美術館に行く」=「展覧会(企画展)を見る」

……と思っていませんか?

「印象派展」「ゴッホ展」「ピカソ展」など、大きい展覧会には人が集まります。休日に上野や六本木の展覧会を訪れると、行列ができていてなかなか入れないこともありますよね。

伊藤若冲展(「生誕300年記念 若冲展」2022年、東京都美術館)が平日でも当日券完売になったり、ディオール展(「クリスチャン・ディオール、 夢のクチュリエ」2023年、東京都現代美術館)のオンライン予約チケットが争奪戦になったりしたのも、記憶に新しいです。

ところが、企画展だけ見て、常設展はスルーする人も多い様子。それってとってももったいないですよ!

実質無料。常設展を見逃すな!

たいていの美術館では、企画展のチケット料金に常設展観覧も含まれています。つまり企画展は実質無料で見られるのです。

仮に常設展だけ見ようとすると入場料を支払うことになりますが、企画展よりはるかに安いことがほとんど。国立西洋美術館や東京都現代美術館の常設展は一般500円。市立や区立の美術館だと200円や300円。無料観覧日が設けられていることもあります。

常設展には美術館ごとの特性が現れる

企画展(特別展)では、テーマに沿って作品が集められます。たとえば「ゴッホ展」だったら、ゴッホの作品を国内・海外の美術館から借りてきて展示します。

一方、常設展に展示されているのは、基本的にその美術館のコレクションです。

国立西洋美術館は近代西洋美術を中心としたコレクションを持っています。私立だと、倉敷の大原美術館には児島虎次郎が集めてきた西洋美術コレクションがあったり、新宿のSOMPO美術館は東郷青児が寄贈した自作+印象派・ポスト印象派を中心とするコレクションがあったりと、常設展には美術館ごとの"色"が反映されています

児島虎次郎(1881-1929)
日本における印象派を代表する画家のひとり。大原美術館を創立した大原孫三郎の親しい友人で、エル・グレコやジョバンニ・セガンティーニなどの作品をヨーロッパから持ち帰った。

東郷青児(1897-1978)
鹿児島に生まれ、東京で活動した洋画家。ピカソをはじめとする西洋絵画の影響を受けた。モダンなスタイルの女性像で知られる。

ゆっくりアートと向き合える常設展

常設展のいいところのひとつは、空いていてゆっくり鑑賞できるということ。

話題の企画展はとても混雑していますよね。ゴッホの『星月夜』やフェルメールの『真珠の耳飾りの少女』のような有名作が来ると、1つの作品を見るために列ができて、作品の前にいられるのは一瞬だけ。

なんかもう、アート鑑賞を楽しむというより、「これ見ました!」というチェックスタンプを押すためだけに来た感じ……。

常設展はそこまで混雑しません。特に大規模な企画展をやっていないは、企画展のついでに来る人すらいないので、ガランとしていることが多いです。

だから好きな作品と気が済むまで向き合うことができます

また、企画展と違って鑑賞料が安いので、「なにがなんでも全部見てやろう」という貧乏根性も湧きにくいと思います……。興味がない作品はスルーして、好きな作品だけに集中することで、メリハリのある鑑賞ができます。

都内だと、国立西洋美術館国立近代美術館の常設展は本当に素晴らしいです。練馬区立美術館府中市美術館なども素敵なコレクションを持っていてお気に入りです。

みなさんもぜひ、常設展を楽しんでみてください!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?