ゴールデンカムイ265話感想考察

教会での告解の回。

扉絵から、ラファエロの小椅子の聖母。二児の母……

月島……キレやすい頭に血の逆りやすい性格自体は、治らないのだよなと…

俺は鶴見さんのために私情を捨てたのに「鶴見中尉殿は私情挟むんですか?」は分からないでもない。けれどもそれこそ私情。

それを言ってしまうと、金が欲しい理由なんて私情以外に何があるんだと…誰かの為だって私情だろうと。

月島は、いご草ちゃんがどうなったのか、自分で真相を確かめたのだろうか。
そこ乗り越えなければならないから、鶴見中尉は調べれば、すぐに分かるような言い方をした。

調べればすぐに分かる。でも真実を知るのが怖い。じゃあなぜ髪の毛を捨てたのか?
「自分がいご草ちゃんを殺した」という自覚があるから、真実を知りたくない。
父がいご草ちゃんを殺した理由は「駆け落ちしよう」と言ったから。
金銭的に息子に依存するしかない父が、いご草ちゃんと、その両親に「息子と別れろ」と脅しに行くのは目に見えていた。
でも、その時、父から離れたい一心で、いご草ちゃんを口実に父から離れようとした顛末が、いご草ちゃんの死…
どちらにしても「駆け落ちしよう」と言ったことが引き金。
鶴見さんが「お前が駆け落ちしようと言ったからだ」と責めないのは、鶴見さんの優しさでもあり厳しさ。
でも、月島はいご草ちゃんについて考えることを放棄して、鶴見中尉に依存した。 
鶴見中尉は個人に合わせたハードルを用意しているのに、まだ月島は越えられないでいる。

しんどいことを乗り越えてこそ。

宇佐美も月島や尾形と肩を並べることというハードルを越えられなかった故に…

鯉登少尉のハードル第一段階は、海軍に入ることでしたが、そのハードルは乗り越えられなかった。
次のハードルは第七師団に入るには必須の「ロシア語を死ぬ気で覚えることに気がつくかどうか」ですが、鯉登少尉はロシア語喋れない。
第七師団の将校には、ロシア語が必須だということに気がつくかどうかという、物凄く低いハードル設定されたのに、乗り越えられなかった時点でもう、鶴見中尉は鯉登少尉に期待も何もしていないのだろうなと。

だから、尾形に「バルチョーナク(ボンボン)」と地獄に突き落とされる。

そもそも、海軍に入れなかった落ちこぼれが、陸軍に入ってきたという時点で、それを払拭して黙らせるほどの優秀さを周囲に見せつけなければならないのに、成長はこれからでは遅いし、陸軍なのに父が~と言ってる時点でダメなわけで、成長はどうなのだろう…将来性なんて無いわけで。海軍からも落ちこぼれと言われ、陸軍からも海軍の落ちこぼれと言われる鯉登少尉が、海軍とのパイプ役にはならないので。

……許されたいから鶴見中尉に従っていた、月島は見たくなかったけれども、教会というのは、自分の罪を告白することろで、自己反省と自分の罪を認める場。
鶴見さんの告解を最後まで聞いて悔い改めて欲しい。赦されるには「あの子を殺したのは俺だ」というのを、自覚だけでなく、認めることからですし。
月島鯉登が聞いている前提での父の“愛娘”への告白がどうなるのか怖い…

そして二階堂をひとりにしたら……


昔の話をしようなので、アニメ白石過去回の話を。
告解室はスナックで、シスターは飲み屋のオネーサンじゃない。
シスター宮沢は、熊岸の愚痴を聞いて共感する人ではない。
これを観た時、どうなってんだ?と思ったけれども、長谷川さん回がああだったのでまぁ…長谷川さんその声でどうやって子作りしたんだと…倫理観と宗教観…


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