ゴールデンカムイ考察 尾形&勇作編

尾形と勇作さんについての考察というか解説

アニメで勇作さんに声がついた記念

アニメだと、優等生ボンボンな声がついて更に胸くそ度アップ(誉めてます)


童貞と処女

原作この兄弟の関係が、二次創作以上に耽美…アニメの声つき破壊力高かった。

エロティックでなく、耽美。

でもアニメ画面の色使いがあまり耽美じゃない…あんこう鍋回も画面に怪談話特有の色気と耽美さが無かったので。アニメ塗りの色味で耽美さを出すのって難しいんだなと。

個人的に耽美路線の色使いアニメといえば、墓場鬼太郎やモノノ怪辺り。色使い的には正反対ですけど、どちらも耽美な色使いと演出。しかも歴史モノで怪奇モノ。

尾形が勇作さんを遊郭に誘ったシーン「女じゃなければいいんです。バレやしないですから、俺で童貞捨てましょう(意訳)」なので。

ここ、原作だと国境前に尾形との関係が一歩前進したアシリパさんが描かれてて…

※いわゆるベタベタに、少女マンガの朝チュンした顔なアシリパさん

まさか尾形と致したのか? の否定としての「男はバレやしない」なので、ちょっと安心したところ。致してはいないんだなと。

ブーメランなおかつ、悪魔の囁きとして勇作さんの亡霊出てくる所は面白いなと「何で直前で止めたんですか? 怖じ気づいたんですか?」なので。

ウルセェと…何で亡霊出たかも、寒さに凍えて今すぐにでも抱きつきたいのに、キロランケがいるから我慢するしかなかったから…
そりゃ直前にそんなことあったら、悪魔の囁きとしてそうなるわけで。

許婚いるのに遊女と致せるのか? と言われると多分大概の人は罪悪感でできないよなと…
でも、女性の扱い方分からないまま結婚も子作りもできないわけで。ジレンマ。

幼少期からの許嫁いる弊害…


遊女抱いて朝寝はしたけれど、致してはいない部分と重なるのかと。

多分遊郭話の元ネタは落語の明烏。

鶴見中尉は軍の通過儀礼的な意味合いで、尾形を遊郭に行かせた。
遊郭の遊び方や、女性の扱い方を知らないわけにはいかないので。

男は証拠残らないし分からないけれども、女は証拠残る。
万一にも妊娠したらどうすんだ。と、思ってたら、なりゆきで致してしまった谷垣とインカラマッが案の定…

勇作さんは逆に童貞じゃないから、いたたまれなくなって逃げ出したわけで…だったら中に入る前に断れよ。なのですけど。中まで入った兄様に恥をかかせた。

しかも、抱くのは遊女ではなく、兄様を選ぶべきなので…そりゃ勇作さん逃げ出しても仕方ないので意地悪だなと。


勇作さんは遊郭に行く口実。

その辺りの機微は腐女子的に、どうなのだろうか…遠まわしどころか、兄様結構ストレートに「女じゃなければいいんです。俺で童貞捨てましょう」と言ってるにも関わらずあまり話題にならないなと…ちょ…なんてこと言うんだ兄様…と。
「男兄弟は一緒に悪さするものでしょ」も相まって。爆弾発言なのですけど…

ただ、血の繋がり的なものは無いので、背徳感これっぽっちもないなと、良くある血の繋がった兄と妹(姉と弟)で、恋愛感情芽生えました→実は血繋がってないですというような感じ。

実はこれ背徳感を台無しにする、結構ガッカリ展開…

原作が勇作さんに男色趣味はないと、完全否定したわけですけど、山猫や男色推し…家永と牛山は公式カップルですし。

牛山が家永に精を供給するという…なかなかな関係。

そしてあんこう鍋回、尾形と鶴見中尉の馬車の中の見せつけが絵にできないほど、凄かったなので…こちら、腹違いの兄弟どころか父と子なので二重に背徳感が…

旗手

狙撃手の定義というか、狙撃手とは?を知っていて当然が大前提の話。

狙撃手とは? 遠方からの狙撃で部隊の援護もしくは、敵部隊のリーダーを斃し敵を混乱させる。

そしてもう一つ、自軍に不要な人物を戦争のどさくさに紛れて始末する。粛清係としての役割を兼ねている。

こちらは創作での狙撃手の役割ですけど、軍で隊の規律を守るための脅し役として、そういう役割を与えられていたようで。
尾形の気に触るようなことと、鶴見中尉に可愛がられているから、鶴見中尉を侮辱するようなことをしたら、戦場でどさくさに紛れて殺されかねないという脅し役。

本題の、なぜ勇作さんが撃たれなければならなかったのか。

勇作さんが自分で自分の身守りさえすれば、部下が盾になって斃れることもない。
部下も自分の身は自分で守れるから、援護射撃は最低限で済む。

だから「なぜ自分の身くらい自分で守らないのですか?」と遠まわしに言ったのに、伝わらなかった上に「父上が人を殺すなと言ったから。人は誰しも人を殺すのに罪悪感を持つから」と見当違いな言い訳まで返されるという。

遠まわしなのは「自分の身くらい自分で守れ」と言ったら、上官侮辱罪にあたるから。

「罪悪感あるわけない」は当然かと。
尾形のポジションは敵兵を殺さなければ、先陣切ってる自軍の兵が死ぬ立場なわけで。確実に一発で殺さなければ味方が死ぬ。

それを将校である勇作さんが尾形の役割無視で「罪悪感を感じないなんて可哀相」と泣くのはサイコパスの極みだなと。勇作さんに抱かれて物凄く理不尽な顔する尾形。

「じゃああんたは、自分の部下を盾にして部下が死んだり、傷つくのに罪悪感を感じないのか?」「部下に敵兵殺させてといて、俺には泣くのに部下可哀相と泣かないのか?」という巨大ブーメラン。


本気で、尾形に対しての憐れみで勇作さん泣くのサイコパス過ぎて怖い。

尾形が言いたいのは、勇作さんが指揮官としていかに無能か。という話なのです。
兵士の士気を上げて突っ込ませるということには長けているので、無能というわけではないですけど。父にそっくり。

対比として、指示通りに動けない味方に、銃弾回避方法教えて「死ぬな」とだけ指示する茨戸の尾形。
 
勇作さんの部下は、自分と勇作さん両方守りながら戦うか、勇作さん守るために盾にならなければならない二択しか与えられない。

自分の身は自分で守るという第三の選択肢は与えられない。

尾形は、そんな盾になりそうな兵の援護射撃もしなければならない。
一発の弾で救えるのは、その場一回限り。
一度助けた所で、また他の兵が盾になろうとするからキリがない。
しかも、父が師団長という旨みがあるから、軍で出世狙いの兵は必死に勇作さんを庇う。

勇作さんさえ斃れれば、部下は盾になる対象を失うから、自分の身は自分で守れて戦争から生きて帰れる。
勇作さんに従う出世狙いの兵は、結婚して妻子いるから妻子の元へ帰れる。

尾形勇作さん撃ったことに罪悪感はないけれども、勇作さん撃って後悔してる感があるのは、ギリギリまで追いつめて剣抜くまで待ったほうが良かったのだろうかという部分。
でもそこまで行くには、何人も勇作さんの部下が斃れるのを黙って見ていなければならない。
救える力があるのに、それを使わないことの罪悪感のほうが強かったから、勇作さんを撃った。

尾形が指揮官候補だからこそ、鶴見中尉が勇作さんの部隊をどうするのか尾形の判断に任せた。

そもそも、勇作さんが有能ならば、尾形に影で部下をどうするのかの、指揮権握られるようなことも無かったわけで。

結果剣を抜かないことで「最期まで軍刀を抜かず、旗を守りきって戦死」という最期で偶像としての価値が上がった。
鶴見中尉ではなく、花沢父の言う通りにした尾形。

後ろからの流れ弾の戦死では格好がつかないから、花沢父は尾形だと思っても死因を正面からの銃弾だと隠蔽した。

ましてや、花沢父は勇作を殺したと尾形を断罪も糾弾もできない。 
尾形は師団内で、花沢師団長に会いにきた花沢師団長の妾の子だから。
妾孕ませただけでも体裁悪いのに、わざわざ父に会うために北海道第七師団の軍人になった健気な息子を、冷遇なんてできるわけもなく。

花沢父は体裁と自己保身のためなら、何でもできる人。
それこそ自刃のセッティングしてニワトリの血を撒いただけで、自ら死を選ぶような人。尾形が殺したには変わりないけれども、自刃したのも事実。

勇作さんは、次の戦争で部隊全滅させた無能な上官と言われる事もなく、旗守りきって名誉の死として処理された。

次の戦争に行く頃には、父は引退もしくは亡くなっている年齢なので、誰も庇いやしない。

花沢師団長は、部下大量死させた無謀な作戦の責任を取って自刃。と潔良い最期。

どちらも、死者の名誉は守られてるし、軍の偶像になった。

勇作さん即死はしていない。後頭部から目にかけて抜けてるので脳の急所は外してる。

勇作さんが倒れたことによって、部下がパニックで散り散りになって放置されたから暫くは生きていたけれども死亡した。部下を見捨て先に進んでいた勇作さんが、誰にも救護されず部下に見捨てられ死亡という…


狙撃手の隊を混乱に陥れるというのを、味方に。

尾形がアシリパさんを勇作さんと重ねているような所は、アシリパさん自分の身は自分で守ろうとするし、助けるためなら容赦なく人に矢を向けるから、そのうち人を殺してしまうのではないか? 迂闊な杉元といたら尚更という…

アシリパさんに人を殺す権利は無いので。


アニメまとめ

アニメ、アシリパさんの朝チュン顔が無いと、尾形再会前の片目=尾形の処女代わりにはならないんだよなと…俺が明日子をキズモノにする前に、俺をキズモノにしてくれな意味合いもあるので。

流石に原作より年齢低いアニメアシリパさんでそれをやるとアウトなので、話の根本自体が…

アニメのままだと、尾形がアシリパさんにキズモノにした責任と、いかに自分のほうが杉元よりふさわしいかを押し付けるクソヤロウに…しかも、アシリパさんに母の代理を求める…

ロリコンとマザコンこじらせ尾形は、二次創作設定通りですけど…

アニメはグッズ購入層の二次創作者の設定を元にしているそうなので。アシリパさんと杉元の関係も

原作変態だらけですけど、アシリパさんへの杉元と尾形の感情は、アニメのほうが狂気でアシリパさん可哀相…

どっちの手を取っても怖い…尾形は優しいけれども母を重ねているので、ひとりの女として見てくれない。

杉元はアシリパさんへの庇護欲と独占欲で梅ちゃんのこと忘れてる。

アシリパさんは杉元~!!だったのに樺太編で尾形にぐらつき気味と…最初の最初で尾形との婚約関係匂わせがないからこんな見方に…

原作は原作で、尾形散々自分のこと体に染み込ませておいて、一族の義務感ならば全部俺のせいにして、他に行けばいい。なのでそれはそれでズルいですけど。

まだこちらのほうが健全なのだよなと…性的を排除したほうが関係としては不健全とは如何に…そしてその不健全な四角関係(梅ちゃん一応含む)にどう決着をつけるつもりなのか…そもそも杉元って本命いるのに、もう一人にお前のためだと言う二枚舌の二股男なのだよなと…






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