2007年を想起させる死闘の末、東アジアを制する。 ACL SemiFinai Vs全北。

すいません。
謝ります。
私は116分に一撃を喰らった時点でもう見てられませんでした。
ここまで中2日で延長まで戦っている選手を見捨て、日和りました。
選手の皆さん、本当にすいませんでした。

ですが、どうなったかなぁ。
なんてDAZNを見返してみたら、酒井のあの120分とは思えないド迫力タックルからの一連のシーンでした。

本当に、ほっんとうに選手の皆さん関係者の皆さんおめでとうございます!。
そして、ありがとうございます。
ACL 2021-2022 Final 出場 決定で―――――ス。

さて、それでは少し試合を振り返りましょう。
レッズはSemiFinalからスタメンを変えませんでした。
もちろん、疲れも溜まっていたことでしょうが、やはり流れを自分たちで変えてしまうのは危険だと判断したのでしょう。
相手の全北はここまで埼玉ラウンド3戦すべてで延長戦を戦っていることもあったとは思います。


試合前のスタンドに浮かんだあのACLカップは圧巻でしたね。
この日も部分的声出しOKだったこともあり、埼スタにレッズサポの声が響き渡る中でキックオフ。


前半はやはりレッズペースでした。
ただ、予想どおりでしたが全北がブロックを組むと中々にこじ開けるのは難しい。
そんな入りだったと思います。
最前線の松尾、右サイドのモーベルグ、伊藤、酒井の連携を消すライン構成は最初から見えました。

それでも、好調な時はブロックがいても全く関係ない。
11分の先制は正に上に挙げた4人の連携で生まれました。
岩波からのフィードが流れてスローイン。
普段は酒井を待つモーベルグが簡単に入れると貰いに来た伊藤はワンタッチでモーベルグへ戻します。
このとき伊藤のマークでサイドに開いていた相手ボランチとボールホルダーのモーベルグについていたSBは2人してボールに喰いついています。
酒井はスローのためにゆっくりと上がっていましたが、モーベルグに入った瞬間に縦へスプリントを開始。
モーベルグはカットインと縦突破を警戒するディフェンスの間にやさしいボールを酒井へ。
中が1枚削られてPA内はスペースがいっぱい。
その中で酒井らしい誰かが触ればゴールという速いクロスを中に打ち込むと中で松尾がタップしてネットを揺らしました。
実に理想的な崩しからの先制ゴール。
大勝したRound16、Round8ではゴールがなかった松尾の雄たけびは実に頼もしいものです。

これで全北が取り返すために出てきてくれる展開なら大量得点もあったはずでした。
実際、フィットネスレベルでは明らかにレッズが上回っていましたし、ボール回しのリズムがすでにレッズに出来ていたからです。
しかし、全北は全くと言って焦っていませんでしたね。
しっかりとブロックを組んでレッズの攻撃を受け止め、ボールを奪えば、前線へロングボール繰り返しでした。
レッズは基本的に両SBが高い位置を取るのでこれで一気にエリアを返されると当然、スプリントする距離が延びてしまいます。
大畑、酒井だけではなく、伊藤や関根も相手ボール時には自陣深くまで戻るというチーム戦術も恐らくスカウティングしてきたのでしょう。
他にも厭らしさを感じたのが、CK。
徹底的にショートコーナーを連発。
レッズのディフェンスは型に嵌まってさえいれば、絶対的な強さを発揮します。
それは中にショルツというアタックにもカバーにも対応できるCBがいるからに他なりません。
酒井は問題なくとも、岩波はショルツあっての行動選択ですし、大畑はまだまだ経験値が不足。最終ラインに下がる岩尾も攻撃時は頼もしいですが、守備時、特にエリア付近での時には強度も不足しますし、ラインが乱れたりもします。
ショートコーナーはRound8でも揺さぶりをかけられ、失点こそ無かったものの危険なシーンを作られていました。
全北は体力的なこともあったでしょうが、レッズのリズムを崩すことに集中した前半に見えました。
更にレッズに問題を生じさせたのが34分に投入されたマッド バロウ選手。
プレミアでもプレーしたガンビア人はまさにアフリカンといったスピードで全北のカウンターをより脅威なものにしていきます。

それでもペースを握ったまま終わった前半でしたが、
後半開始からアクセルを踏んできた全北にひっくり返されます。
55分。
レッズの右でぐちゃぐちゃとした展開を作られて、選手を寄せられて中はがら空き。
そこに飛び込んできた選手を大畑が捨て身でタックル。
ボールにはいっていましたし、倒れ方は明らかに大げさなものでしたが、笛が鳴ってPK。
周作は読んでいましたが、脇をすり抜けて同点に。

ここからしばらくは全北がペースを握ります。
特にレッズは攻撃を仕掛けていきますが、やはり空回ってしまう選手が何人か。
特に関根、小泉はRound8からすればミスが目立ちました。
特に小泉は絶賛する声が多数ありますが、私的には自陣に下がってボールを受けたがる割にパスミスやロストが1試合に数回はあるため、怖くて仕方がありません。
守備でも攻撃でもノッてしまうと手が付けられないプレーを見せる存在なだけに早めに改善してほしいと願うばかりです。
そんな小泉の今日のハイライトはCKからカウンター炸裂で1VS2の展開。
こちらのセーフティが外されて中のバロウがフリーな状況で猛然とゴール前へスプリント。
ガンビア人ストライカーへのパスをスライディングでカットしてくれました。

そんな中で61分に大久保、79分まで引っ張って江坂、ユンカーを投入。
再加速すると残り5分は怒涛の攻めでした。
93分のユンカーのシュートで勝ったと思いましたが、無常のポスト。
スマホの前で頭を抱える私。驚く愛犬。

延長に入ってからもレッズの時間が多かったですね。
特に江坂の決定機は決め切ってほしかった、いや、せめて枠に・・・・・。
正直、このままPKになったら負けるなと思ってました。
攻めて攻めて獲れないと罰を受けるというのがサッカーですから・・・・。
そしたらですよ。
思いのほか早く来てしまった罰の時間。
116分。
やはりショートコーナー。
寄せられずにニアにグラウンダーの速いボールを入れられると中も対応しきれず押し込まれ、被弾。
何も言わずにそっとDAZNを落とす私。撫でてほしいと腹を見せる愛犬。
悔しさをモフモフで沈め、ひとごこちついた所でもう一度DAZN起動。

酒井タックル → モーベルグキープしてからの裏パス → 酒井猛然スプリントからクロス → クリアされたけど大久保ボレー → 逸れたけど明本ヘッド → GKスーパーセーブ → 待ってましたーユンカー!!!
→ いきなり抱き上げられて驚く犬。(すいません。普段は絶対にしません。)

正に劇的な同点ゴール。
これで試合はPK選へ。
しかし、さっきまでの”PKなったら負けるなぁ”って空気は雲散霧消。
絶対に勝つんじゃ~という強い気持ちで見守ります。

ピッチの映像が映っている時にスタンドでは大旗の大移動がなされていたようですね。
気づいたら、北側ゴール裏に大集結。
待っているのは2007年の再現。
あの時ほど入っているわけでもない。
チームとサポが一体になっているわけでもない。
否、そんなことは全くもって問題ではありませんでしたね。
観てない人はYoutubeでどうぞ。
あれはマジでヤバい。
全北の1stキッカーは元Jリーガーのキムボギョンでしたが、直視できてませんでしたw。
ゴール左側へのキックを完璧に読み切った周作がセーブ。
最高でした。

こちらの先頭は当然、ショルツ。
外すところを想像できないキッカーっていますよね。
レッズではロビーことロブソン ポンテ。あとは阿部ちゃんですね。
しかし、このショルツもそこに入れていいと思います。
まず間違いなく決めます。
GKに読まれていても決めます。今回も完全に読まれていましたが、あんなところに蹴られたら止められるはずがありません。

次の全北のキッカーは真ん中をチョイス。
周作は右に飛びますが、残った足で神セーブ。まさかの2本連続で止めるという神業を見せてくれました。

続いてはモーベルグかと思いきやユンカー。
同点ゴールは右足。
今度は左足で右下を突き刺して、この時点で2-0。
全北の3人目は決めて、レッズの3人目にはモーベルグ。
今日は完全にモーベルグの日じゃなかったですね。
ここまで獅子奮迅の活躍でレッズを引っ張ってきたNo10でしたが、フェイクを入れて蹴ったボールはGKにはじき出されてしまいました。
ドンマイドンマイ、まだ勝ってるよ。
全北の4人目はキャプテン、キムジンス。
蹴ったボールはポストに弾かれて失敗。
これでリーチ。
残った選手から考えて岩尾、明本あたりがいって、5人目が江坂かななんて思っていたら、もう上手い人どんどん蹴らす方針のようで江坂が出てきました。
江坂も外す感じがしない選手ですからね。
問題なく左隅に蹴りこんで3-1。
蹴った瞬間、猛ダッシュで西川の所に走るレッズの選手。
スマホを放り投げて、妻、娘に怒られ、犬に吠えられ、それでも喜びを隠せない私。
最高の結末。
2007年がよみがえりました。
あの時の実況をソラでいえる位に見返したあの城南戦。
今回の全北戦はそれに匹敵、いや、チーム状況を考えれば、それ以上の価値ある勝利になったと思います。

もう本当にみんなお疲れさまでした。
たった1週間しかないけど、リカバリーしてリーグ戦。
敵地での鹿狩りです。
半年も先の決勝のことはひとまず置いておいて、早期の残留、そして、1つでも順位を上げられるように頑張ってほしいと思います。

あと、これはメディアに対してですが、翌日のスポーツ各紙。
1面はほぼほぼ野球。
レッズのレの字もありませんでした。
佳境とは言えない段階のペナントレース、それもビリ争いのチームを1面ですか。
こっちは国際舞台で決勝進出ですけど?
それも記事書きやすいほどにドラマチックな展開での勝利でしたけど?
これで書けないなんてホントに日本のサラリーマンメディアは終わってんなぁと改めて思いました。



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