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【車買取店の営業⑦】中古車販売はしくみが分かれば簡単に売れる【値付けのテンプレートあり】

中古車が売れない買取店の営業マン「買取専門店って車も売ってるって知らなかったなぁ…。この前車を買いたいって人が来たけど、何をしていいのかわからなかったっけ…。そもそも展示車がないのにどうやって売るんだ?値付けはどうしたらいいんだろう…。誰か中古車販売に詳しい人教えてくださーい」

こういった疑問に答えます。

本記事の内容

  • 中古車商談のすすめ方

  • 中古車の仕入れ 値付けの仕方

  • 【中古車販売】オークションの車を選ぶ際の注意点

この記事を書いている私は、業界最大手の車買い取り店で2年、国産ディーラー3年、トータル「車の営業歴は5年」ほど

買取り台数 30台/月
新車販売台数 10台/月を達成し、
年間新車販売台数のトップで社内で表彰されました。

車買取り店の営業マンの良くある悩みとして、買取りはできるのに、乗り換え希望のお客さんが来たとたん中古車の売り方がわからず、結局買取りもできないってことがあると思います。

私も新人の頃は中古車の仕入れ方法、金額設定が全くわからず先輩にお願いしてました。くやしくて勉強しそれから”中古車販売のしくみ”が分かり、買取りと販売を同時に即決できるようにもなりました。

そこで今回は”中古車販売のしくみ”をお伝えし、やり方がよくわからない買取り営業マンの少しでも助けになればと思い、この記事を書きました。

※この記事は3分で読み終わります。3分後には中古車が売れるようになっているはずです。

中古車商談のすすめ方

まずは下記の営業マン「しおん」とお客さんとのトークをご覧ください。

お客さん:「中古車を探してるんだけど、おたくでもやってるの?」

しおん:「はい、在庫車は少ないですが、全国のオークション会場から取り寄せることができますので、どんな車種でも販売可能です」

お客さん:「じゃぁ、ちょっと探してもらおうかな」

しおん:「ありがとうございます、車の条件を聞かせてください」

聞き取りから得られた情報

車種:Honda ステップワゴン4代目 RK1
年式:H24年~H27年 RK1でできるだけ新しい方がいい
色:白か黒
予算:150万円まで、諸費用込み
下取り:無し
支払方法:現金一括
購入動機:転勤で他県から引っ越しをしてきて車が必要。家族がいるのでワンボックスがいい
その他:ステップワゴンは現行モデル(RP1 H27年4月~)ではなく、モデルチェンジ前(RK1 H21年10月~H27年4月)を希望。理由は現行モデルでは予算をオーバーしてしまうから

ざっくりとこんな感じで条件を聞き取ります。走行距離やグレード、装備品など細かいことを聞き取ると車が探しにくくなるので、始めはこれくらいにしときます。

しおん:「では、ちょっと探してきますね」

中古車の仕入れ 値付けの仕方

中古車の仕入れ

仕入れる車はオークションサイトで探します。

オークションサイトで車を探す5つの手順

  • 手順①:予算から車両仕入れ額を概算

  • 手順②:過去5回分の出品を検索

  • 手順③:走行距離を確認

  • 手順④:一発落札の出品車をチェック

  • 手順⑤:セリの出品を確認

手順は上記のとおり

手順①:予算から車両仕入れ額を概算

仕入れ額の概算方法

予算150万円で販売するとして、オークションでいくらまでで落札したらいいか逆算します。

販売価格150万円-諸経費20万円-会社利益30万円=100万円

とざっくり計算でき、100万円前後で落札すればいいことがわかりました。

注)会社利益は店によってそれぞれ違うと思いますので、上司やオーナーに確認してみてください。

会社利益例(私のいた店)

販売価格 60万円~100万円 
会社利益 15万円~20万円

販売価格 100万円~200万円 
会社利益 20万円~35万円

販売価格 200万円~300万円
会社利益 40万円~

決まりはなかったですが、大体これだけ利益が出れば社長は喜んでました(笑)

あくまでも目安ですね。

正式な見積もり方法は後ほどお伝えします。

手順②:過去5回分の出品を検索

お客さんの条件より、過去5回の落札結果を検索で絞り込みます。

検索をかける場合 

開催:過去5回 
年式:23年~27年 
車種:ステップワゴン 
型式:RK1 
評価点:4.5点以上

で絞り込み検索します。
※評価点4点は板金箇所が多くなるので、慣れないうちは4.5点以上で探します。

注)色まで絞り込むと相場観が読みずらいのでここでは検索に入れません。

手順③:走行距離を確認

検索にヒットした車がズラーっと出てきますので、落札価格90万円~120万円の年式と走行距離を確認します。

検索した結果

1.H26年式~H27年式 約7万Km~10万km以上
2.H24年式~H25年式 約3万km~7万Km 

と年式に対しての走行距離が分かり、

2.のボディーカラーの黒、白をみると5万km~7万kmが多く該当します。

1. の走行距離が多い車は整備費が高くつき、提案するのはなるべく避けたいので、

2.H24年式~25年式、黒、白 5万km~7万kmの車を探せばいいと判断できました。

手順④:一発落札の出品車をチェック

一発落札コーナーで「2.H24年式~25年式 黒、白 5万km~7万km 即決価格90万~120万円」の車を検索します。

一発落札とは、出品者が「この価格なら落札が決定してもよい」という即決価格を出品時に設定しておき、入札者が即決価格で入札したときに、セリでの開催を待たずに落札が決定する仕組みです。

車があった場合:下記の「商談に戻る」の手順に進みます

車がなかった場合:手順⑤「セリの出品を確認」に進みます

注)一発落札の価格はセリの予想落札価格よりもだいたい10万円高で設定しています。

手順⑤:セリの出品を確認

一発落札で見つからない場合、近日中のセリでH24年式~25年式で5万km~7万kmを検索します。

ここでは該当する車がA,B,C,3台見つかったとします。

出品表をプリントアウトし「スタート価格」をお客さんに見せないように金額部分を切り取ります。

※スタート価格とはセリの開始価格で、落札価格と勘違いするお客さんがいるため、見せないようにします。

該当の車が見つからない場合は、走行距離を多くしたり、ガンメタ、アイボリーなど希望と近い色を探していきます。

商談に戻る

3枚の出品表をお客さんに見せ反応を見ます。

お客さん:「うーん、Cがまぁまぁかな、いくらくらいになるの?」

といわれたら詳細の見積もりを作ります。

しおん:「わかりました。ちょっと計算してきますね」

席を外す

中古車の値付け方法

Cの車の詳細

年式:H25年式
車種:ステップワゴン 
グレード:G Eセレクション
走行距離:5.1万km
色:ブラック
評価点:4.5点 
付属品:メモリーナビ  
その他:車検切れ、タイヤ溝5

値付け方法は簡単です。

販売価格=諸経費+会社利益

これだけです。諸経費が分かればそこに会社の規定利益を乗せたのが販売価格となります。

ここでは車検受け、5月納車で計算します。

※注)2020年3月30日現在の表示。地域により各費用は代わります。車検ありの車は計算方法が変わります。

諸経費が1,294,560円と出たのでそれに会社利益を乗せます。

諸経費1,294,560円+会社利益300,000円=販売価格1,594,560円

と160万円が販売価格となりますのでそのままお客さんに提示します。

※会社利益は店により異なりますので、確認してみてくださいね。

金額提示前に確認すること

金額提示の前にネット掲載(グーネットなど)の同条件の車の金額を調べます。

ネット掲載の車よりも高すぎるとお客さんが不審がるからです。

商談に戻ります。

しおん:「このC車ですと160万円ですね」

お客さん:「うーん、予算オーバーだなぁ、ちょっとまけれないの?」

しおん:「はい、オークションなので1番高い金額を出した業者が買えるんですが、金額を下げてしまうと落札できない可能性が高くなります」

お客さん:「わかった、じゃこれでたのむよ」

オークション申込金を1万円をあずかり、仮契約書にサインをもらいます。

オークション日で落札ができたら無事、契約です。

このように値付けの方法が分かると簡単ですね。

【中古車販売】オークションの車を選ぶ際の注意点

車を選ぶときはお客さんの立場になって考えます。

注意点を下記にまとめました。

・外装評価点4.5以上を選ぶ:4点は板金加修費が見積もりできれば大丈夫、慣れないうちは4.5点以上を選ぶ。

・内装評価B以上を選ぶ:Cは業者に依頼しないと取れないシミ、破れなどがある。

・板金・加修 A1、U1は必ず加修が必要:私がいた店では1パネル内にA1、U1がいくつあっても11,000円で直すことを板金屋と取り決めをしていた。

A2、U2 は1ヶ所2万円~3万円くらいでみておきたい。
損傷の大きい箇所はお客さんと相談し出費してもらうことも考慮する。

※A1/こぶし大くらいのキズ A2/A4サイズ未満のキズ
 U1 /こぶし大くらいの凹み U2 /A4サイズ未満の凹み

・車検残:車検が残っていても12か月未満だとお客さんにとっては微妙、、、
1年後に、また車検代がかかるということを必ず伝える。

・タイヤ溝が3⃣以下だとお客さんが現車を見た時に、がっかりすることがある:出品表を見せる際に溝が浅いことを伝えタイヤ交換の提案をしたほうが良い。

※注) タイヤ溝 0⃣、1⃣では車検に通らないので、車検を通す場合は必ずタイヤ交換費用を見積もりに入れる。

・アクセサリー:オーディオや、ナビが付いていない場合は必ず取り付けの提案をする。

現車が来てからお客さんが知ると、「何で言ってくれなかったの?」となり後からトラブルの原因になる。

お客さんは「出品表を見るのも初めて」「オークションがあることも知らない」という人がほとんどです。現車が来てから「こんなはずじゃなかった」と言われないように、マイナス点も全て細かく伝え、アドバイスしておくことが中古車販売の営業マンとしてとても重要です。

中古車販売の楽しみ

落札後オークション会場から運ばれた車は、一旦お客さんに見てもらいます。その時は洗車しただけでボディも輝きがありませんが、バフ掛け、室内清掃をしピカピカに磨き、新車同様にして納車時に見せた時のお客さんが喜ぶ顔を見るのはなんともいえません。

中古車は新車とは違い一品モノなので、世界でたった1台しかない車を販売するという喜びがあり、車とお客さんに愛情がわいてきます。

「納車前クリーニング」「ボディ磨き」「点検整備」「納車後のアフターメンテナンス」と中古車は販売する前も後も手間がかかり大変ですが、新車販売にはない提案する楽しみがあります。

また中古車販売の経験を積んでいくと、お客さんから「しおんさんに全て任せるよ!」といわれ、商談が短時間で済むようになったりもします。

ですからこの記事を読んで手順をつかんだら、明日からどんどん売りまくって中古車販売の楽しみを知っていただきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
次回またお会いしましょう。
でわっ!

参考にしたい文献

車買取店の営業がどうやってクロージングをしたらいいかわからない、車を買取れるイメージがわかない人に向けて、体系化したマニュアルをnoteでつくりました。

これを読み実行すると、車がホイホイ買い取れますよ!


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