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【ディスクレビュー】Base Ball Bear 『Short Hair』
「キミ」のことしか考えられなくなることって、よほど恋愛を避けた人生を送らない限り、誰しもが経験することなんじゃないかと思う。「キミ」に惚れてしまった瞬間、「キミ」に酷いことを言って傷つけてしまったとき、無性に「キミ」に会いたくなったとき。「キミ」に対する愛で溢れているが故に、時の流れる速度すら、普段とは違った、どこかセンチメンタルなものに感じてしまう。奇妙なものだが、それこそが恋の醍醐味でもある。
もっとみる【ディスクレビュー】KANA-BOON『Honey &Daring』メロディメーカー谷口鮪がリリカルに描き出す、個々の人生を切り取った普遍的なテーマ性が浮き上がる一枚
コロナによる不自由や谷口鮪の休養といった数々の試練を経て、4年半ぶりに届けられたフルアルバム。行き場のない喪失感を祈りに昇華した「Re:Pray」のリミックスver.がオープナーとなり、その他従来よりもダイレクトかつ鮮明に谷口鮪(Vo/Gt)の深層心理が表層化した楽曲が粒揃いな印象。そうした中で《悩める日々に来たる解放》と燦然としたアンセム感を放つ「Torch of Liberty」、至極キャッチ
もっとみる【ライブレポート】『DRAMA FESTA 2022』Hakubi、Base Ball Bear
DRAMA FESTA 2022のライブレポート。
HakubiとBase Ball Bearの2組をピックアップしました。
Hakubi
Base Ball Bear
マフラーは要るのか要らないのか真剣に考えてみた
「冬」から連想されるもの。クリスマス、雪、コート、スノボ、炬燵、イルミネーション。30秒の間に思いつく限り列挙してみたが、マフラーが候補に挙がることはなかった。
だがこれは、決して不思議なことではない。所詮、マフラーなんてその程度のものなのだ。1年通して「冬」にしか出番ないくせに、存在感の薄い可哀想なやつなのだ。
自分も23年間生きてきて「マフラーなんて要らない」と思ってた派閥だったし、「自分
23歳、窮屈な電車内で揺られる日々のブルース
某ピンク色のCDショップ店員を辞め、新しい職場に移ってから約2週間が経った。
現在は、俗に言うベンチャー企業でフルタイムの時給社員として働いている。通勤手段は電車だ。月曜から金曜まで、電車内でゆらゆらゆらゆら揺られている。君の心みたいに。KANA-BOONの『チャーハン』みたいに。
職を変えたのが正解だったのか否か、正直まだわかっていない。そのジャッジを下す必要性も特には感じていないのだが、ふ
クレナズム『SAKURAドロップス/面影』ディスクレビュー
前作のEP『Touch the figure』でシューゲイザー、ドリームポップの系譜にJ-POPを急接近させ、ポップスの可能性を格段に広げた彼女たちが、今度は宇多田ヒカルの00年代を代表する『SAKURAドロップス』のカバーに挑戦。バンドの更なる変化を予感させる意欲作が、両A面Singleとしてリリースされた。彼らが得意とするシューゲイザーのエッセンスを漏れなく配合し現代版にアレンジした『SAKU
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