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映画『ルックバック』のごく私的な感想

「1年前から楽しみにしていたのに、
バタバタしているうちに、
いつの間にか映画の上映が終了していた……」

みたいなことが立て続いたので、
流石に反省して、半休取って、
気になっていた『ルックバック』観てきた。

まぁ……ブッ刺さったよね。

久々に、映画観て泣いたわ。
数年前にTwitterで回ってきた原作漫画も、
結構食らったけれど、そのときより、
奥に突き刺さったかもしれない。
終わってしばらく、気もそぞろだった。

泣いた理由は、もちろん「感動した🥺」
みたいな清らかな感情ではない。
自分の怠慢に対する後悔とか怒りとか失望とか、
他者に対する嫉妬とか、そういうものに
蓋をしていたのに、それを掘り返されたことに
対する感情の揺らぎ、だと思う。たぶん。


ところで、
ルックバックは、端的に言ってしまえば、
努力と嫉妬と才能の話だと私は捉えている。

結局、どんな業界でも職種でも…
"まずは続ける、続けてやっととやかく言える"
だと思うんです、本当に。

「努力も才能」とか、「続けるのも才能」
っていうけどさ、それって、
本当、その前の段階の話なんだよね。
「才能以前」の話で。
そもそも、才能ってなんなんwって話だし。

違う漫画だけど私が好きな漫画で
(それも漫画を書く話)、
絵の下手な主人公が絵が上手い同級生に
「才能があるし、環境が良いから〜」(意訳)
って言った返しが、
「私が上手いのは、
キミよりもたくさん描いたからだ」(意訳)

って返しててかなり痺れたんだけど、
そういうことなんだよなぁ、きっと。

▼これ

私は、そこの覚悟が足りてなかったから、
今それがセルライトのごとく居座って、
なかなか落ちてくれない後悔と
なっているわけですわ。
そういうのを刺されまくりました。


話はすこし逸れるが、
実は私の3歳下のハトコは、
漫画家をやっている。

有名出版社で単行本も出していて、
今も連載中だ。
今後どうなるか分からないけれど、
もうすでに、0→1を産み出すクリエイター
して評価されている。

一方の私は、「本(書く)に関わる仕事にしたい」という小学生からの夢を中途半端に叶えて、
零細出版社で編集者として働いたあと、
ノンクレジットな商業ライターをしている。

会社のおかげで仕事はもらえてるけれど、
正直なところ、私自身の文章に
ファンがついているわけでもない。

誰にも求められていないんだよな……と、
時折、たえられない絶望感に包まれて、
死にたくなる。(2週間に1度くらい)

かと言って、今、何が書きたいか、というと
「ビュー数が稼げそうなもの」
「読んで喜んでもらえるもの」
みたいな、
成果主義のつまらない回答、
みたいなことになってしまうので、
また絶望するわけである。

もっともそれを解体すると、
「読んだあとちょっと
前をむけるような物語やエッセイ」

となるのだから、難儀なものである。
書けば良いのにね、ほんと。
誰も行為を否定しないのにね。()

なんだか何が言いたいか、
分かんなくなってきたので、
まとめると、

ルックバック、
少しでも気になるなら、
映画館で1人で見て欲しい!!!

である…!笑

かなーり、自分語りしてしまったが、
「ルックバック」はたぶん、自分語りさせちゃう物語、な気もしてる。そしてそういう作品だからこそ、あれだけ強烈に皆んなを殴ったんであろう。
(加虐性や脆弱性は孕んでいたのも一因だが)

久々に自分のためだけに、文章を書けたな。
こういうのも、たまにはいいな。
臆せず、書いていきたい。

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