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自選短歌:2024年6月

ひととして至らぬ夜に虫の息ほどのラジオを枕に溢す

経験は選べたはずだあたらしいシャンプーに酔う朝方の雨

向こう見ずにだけ備わるかがやきは川面を切ってさよならもなく

我々の初夏はふたつの意味を持つファーストサマー的ニュアンスの

境目は意識するほど溶けやすく夏至の真昼に知る花呼吸

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