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16年ぶりのインドで感じた2つのこと。

約2週間ほどインドに行ってきたので、軽く備忘録的に記載しておく。

旅の難易度が劇的に下がった

2023年8月1日、羽田空港周辺での雷や搭乗飛行機の機材トラブルの為、フライトディレイが発生し、予定より10時間遅れでニューデリーに到着した。到着後真っ先にSIMをゲットするべくSIM販売カウンターに向かったが、SIM登録手続きにから購入まで1時間も時間が掛かった。
SIMをゲットすると、すぐに快適な5G通信ライフが実現。目的地をairbnbアプリで確認し、Uberアプリを開いてUberを呼ぶだけ。16年前インドに来た時は、スマホがない時代だったので紙の地図で行き先を確認して、タクシーの運転手に行き先を説明して、その後に値段交渉。今思うとかなりハード。考えられないほどに旅の難易度が下がっている。宿泊先のairbnbには深夜2時位に到着したので、レストランが空いておらず、インドフードデリバリーアプリのZomato(評価額約2兆円)を開いてピザとチキンを頼んだ。空港到着から就寝までテックスタートアップが変えた世界を味わう事になり、改めて変化を実感した初日だった。

SIM販売カウンターには日本語の「カイゼン」が貼ってあったが、スピード感はもっとカイゼンできそう。

リモートワークで通常運転

翌日は6時半(日本時間10時)からの社内MTGに参加。その後採用面談や全社会もあったがフルリモートワークなので業務は通常運転。改めていつでもどこでも働ける環境は「行動の自由を加速させている」と感じた。僕自身「人々の行動の自由を加速させる」ために会社や事業を行っていると言っても過言ではないので、このフルリモートワークチャレンジはこの先も続けていくつもりだ。

一気に様変わりしたグルガオン

ニューデリーに2,3日滞在した後、新興都市グルガオンに移動した。グルガオンは16年前はノーマークだったが、近年急速に発達しているエリアで、ニューデリーからはタクシーや電車で1時間程の土地だ。日本企業も多くがグルガオンに移動していて、新興企業もグルガオンに集積している。DLFという不動産会社が戦略的にCyberCityというオフィスや商業施設の集積地を作って盛り上げている。CyberCityの広場はめちゃくちゃ仕事が捗った。

グルガオンのCyberCity

昔と変わらないオールドデリー

16年前にバックパッカーでインドを旅した時との変化を目の当たりにしながら、同時お世話になった病院も探した。と言うのも僕は16年前インドで手術をして入院&通院をしていた。その病院はバックパッカーがよく滞在しているエリアであるオールドデリーにあったのだ。オールドデリーは16年前と全く変わらない風景があり、懐かしさが存在した。常に狭い道が渋滞しているのでUberやOla等の配車アプリ勢も入ってこれない聖域といった所だろうか。。

変わらないオールドデリー

インドでチャレンジしている日本人起業家

幸運な事にインドでチャレンジしている日本人起業家を紹介頂き、お話を聞くことができた。しかも物流領域の方もいらっしゃったので、なおさら幸運だった。
物流ラストマイル領域の話で言うと、クイックデリバリー(30分以内)/ミドルクイックデリバリー(4時間以内)/ECデリバリー(1日)の様なセグメントが別れていて、元々はECデリバリーだけだったが、ミドルクイックやクイックの様な新興マーケットがすかさずできてきている。ECプラットフォームは2大巨頭で、Amazon IndiaとFlipkart。Amazonの配送モデルは米国式のAmazonFlexモデル。Flipkartのモデルは約300社の物流会社が傘下に紐づいていて約10社程のデリバリープロバイダがその300社を束ねている様なイメージだ。日本のように規制がないのでギグワーカーがかなり配送でも使われているイメージで、4輪ではなく2輪が配送の中心だった。

自然に上げられた視座

現地の起業家の方から色々と話をお伺いする中で、僕の意識が低い視点をメタ認知することができた。それは海外資本へのアクセス意識だ。インドの様な競争が激しい市場では資本力の勝負が鍵になる事が多い。だからこそインドのマーケットを獲得するためにはグローバルの資本環境へアクセスすることが絶対条件になる。グローバルの資本環境へのアクセスをスタートアップの前提として考えていく様な考え方はあまり無かったので、自然と視座が上がったような気持ちになっている。

普段の生活で実感した利便性と危機感

インド滞在中盤、僕はGoaという都市にいた。Goaは世界史を専攻していた人は聞いたことがあるかも知れないが、今はインド唯一のカジノがある観光都市になっている。そのGoaで僕は少しだけ体調を壊した。16年前バックパッカー時代は体調を壊したら必死に紙の地図で病院を探して、必死にタクシーのおじさんに行き先を説明して、病院の先生にSHARPの電子辞書で必死に病状を説明する必要があった。でも今回はスマホで病院を調べて、WhatsAppでチャットして、病状を説明するだけで30分後には薬がデリバリーで手元に届いた。トータル数百円。この利便性には脱帽だ。日本では絶対にあり得ないサービス。日本は安全面や規律などが一定の高いレベルにあるため、この様なサービスを実現するには高いコストが必要になる。個人的には、もう少しユーザーの利便性を意識して、個人の責任と市場原理に委ねるサービスがあっても良いのではないかと思っているが、この領域に限って言えば診察から処方までは、医師会や薬剤師会の反発ハードルや規制のハードルが存在し、デリバリーの部分は物流規制の問題が存在する。緊急性が高い荷物はもっとライトに管理して誰でも運べるようにしてもいいじゃない?と個人的には思っている。この様な規制やハードルが利便性を毀損している分野は多く存在するので、スタートアップとしてもっと規制領域に疑問を投げかける様なチャレンジをしていきたいと実感した。これも収穫の一つだ。

すぐに手元に薬が届く利便性

後半はインドのIT都市、バンガロールに移動した。真相は分からないがバンガロールの男の子の夢は「エンジニア」で女の子の夢は「エンジニアの奥さん」だそうだ。そのくらいエンジニアが憧れになっている。すでにバンガロールのエンジニア報酬は日本のエンジニア報酬より高いようで、日本企業がインドをオフショアにする時代は過去の事のようだった。日本がオフショア開発拠点になる未来ももしかしたらあり得るかも知れない。考えてみれば当たり前のことで、マーケットが大きい市場に価格の安い労働力を使う戦略は理にかなっている。昔はインドより日本の方がマーケットが大きく、インドより日本の方が賃金が高かったので、インドのオフショアを使って日本のマーケットを狙っていたが、これからは逆転するだろう。

バンガロールの電動バイクYulu。サクサクで日本より体験良い。

これからもやり続けたい事

つらつら、日記的な内容を書いてきたがそろそろまとめたいと思う。今回インドに行って、改めて思ったことは2つ。

  • グローバルチャレンジを志向し続ける
    元バックパッカーという事もあるので、行動する世界を拡大する事や知らない世界を知ることに幸せを感じる事を改めて実感した。今までもグローバルは志向してきたので大きく変化することはないが、グローバルでやりたいという事をこれからも言い続けて行きたいと思う。

  • 規制領域にも積極的にスタートアップとしてアクションする
    日本の良さを作っている部分でもあり、弱みを作っている部分である規制や慣習にもう少し疑問を投げかけるような言動を事業や個人の動きとしても意識をしていきたいと思っている。もっと改革者として、この様な領域をガンガン攻めて行きたい。

本気でマインドコミットできる経営陣候補と一緒にやりたい!

僕は207という会社を経営していますが、物流ラストマイルの改革を通してモノがもっと瞬時に「いつでもどこでもトドク」世界を実現することで、人々の行動の自由を加速させたいと思っています。モノの所有やモノが届かない事によって、あなたの行動の自由が制限されていませんか?
もちろん行動の自由を制限しているしがらみは「モノ」や「所有」以外にもたくさんあると思いますが、まずは物流ラストマイルの改革というアプローチを通して「モノ」の流動性を向上させることによって行動の自由を加速させたいと思っています。

この様なチャレンジに本気で長期で共感&コミットできる人を探しています。僕は本気でやりたいと思っているので、少しでも興味が湧いた人は是非気軽にディスカッションさせてください!

Special Thanks

今回インドの旅で、ずっとairbnb一緒に泊まりながら同行させてもらって毎晩色んな話をさせてもらった大河さん改めてありがとうございました。シリコンバレーでの起業話、インドチームの話、未来の可能性の話。最高でした!!

大河さんありがとう。

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