R4行政書士試験を振り返る
注:
・このNoteの内容は、行政書士受験生(元受験者を含む)にとって辛辣な内容が含まれている可能性があります。
・一時非公開にしてましたが、複数の方から「アレは参考になるのでまた読みたい」と個別いただいたので加筆・修正し再掲することにしました。
・ともあれ辛辣な部分が気になるなら、これ以下の閲覧をご遠慮下さい。
・基本的に受験前、本試験後それぞれで役立つことを念頭に書いていますが、結構長いです。
・特に「1.本試験結果と総括」はR4試験を受けてないなら読み飛ばしても問題ないと思う。目次あるからテキトーに読み飛ばして下さい。
R4行政書士試験を受験後の帰り道、これが脳内リバースしてました。
ズタボロで泣きそうだったね…
※再生しながらお読みになると、より虚無感が味わえます笑
1.本試験結果と総括(R3→R4)
長い「試験」が終わった。いや、正確にはR4年11月に終わってたんだが、どうにも結果を見るまでツイートする気になれず、そのままにしていた。ついに1/25発表があり、ようやくTwitterにUPした。
行政書士試験、1年5ヶ月という期間を掛けたがようやく終わった。ちなみにR3年度は記述抜き164点、しかもマークミスもあるという結構な失態だった。マークミスのショックは模試を増やすことで解消することとなる(後述)。
さて、今回の本試験だが最初の1~5は全て間違えており、採点しててゾッとした。終わった…そう思いました。基礎法学0点は経験あったけど、1~5全滅とか今までない。
あといつも模試で得点源だった民法がサッパリで、ガッカリ通り越して絶望に近かった。野生のクマはもちろんわからんかった。根抵当は直したら元が正しいし…
多肢選択もまるでわからなかった、どこかで聞いたけど今回の試験って、法令序盤と多肢選択に難問混ぜつつ混濁させて時間食わせる作戦だったみたいね。まんまとやられた。
書き直しは4つして、うち2つは正答を消してました。実は憲法のを2つ書き直したけど書き直しても変わらなかった(どっちも誤肢)のも幸いしたと思う。R3年だと4つ書き直して、全部正答消してたから。
代わりに挽回してくれたのが行政法と商法・会社法、終盤この辺かなりやり込んだのが結果として出た形になりました。行訴法44条の民事保全法は記述で出ると思ってたから(正解したけど)ガクッとしたね。特別支配株主?うん、知ってた。
一般知識は嬉しい誤算だった。過去最高点がまさかのここで出るとか…知ってる論点ばかりで悩んだ問題はほぼなかった、悩んだの森林環境だけかな。最初に受けたR3年の模試・本試験含め最高点は48点が一度だけ(しかも1年目R3年度の最初の模試)、通常24〜32点だったから、本当に驚きました。
スコアの状況は以下の通り
基 0/2
憲 2/5
行 18/19
民 5/9
商 4/5
多 5/12
一 13/14
記 △、×、×
記述抜き 178点
既に指摘されてるものに今回「法令択一に単純正誤問題が多い」というのがあったね。R3年度、組み合わせ問題が行政法19問中7問あったのと比べて明らかに少ない。今回ほとんどなかったよね。
単純正誤問題は、すべての肢を確認する必要があるため時間を食う。組み合わせ問題だと確実な肢を踏ん付けて、そこから導くから単純に時間も短くて済むし、見直しのストレスも少ないんだよね。ここも試験委員の作戦だったんだよなぁ…
いつも模試の時に「多肢選択の終了時刻が14:30なら早め15:00なら遅い」で時間を測っていたのですが15:15に通過してました。模試慣れしててこれなので、明らかに遅い。この計測方法は割と有効じゃないかと思ってます。
ちなみに回答の順番は文章理解→五肢択一(基礎法学から)→多肢選択→記述は飛ばす→一般知識→記述に戻る、という流れを取っていた。同じような人もいるようだ。
記述は全部「えー知らん」という問題で、義務付け訴訟ってのも終了間際に「あれ?マンション建ってるのに差止めって変じゃね?」となって考え直した。ただ文字が非申請型義務付訴訟と入れようとすると埋まり過ぎて足らない。句点なしでムリクリ詰めたところでタイムアップになりました。もちろん腕は震えに震えた…
民法記述は完全アウトで、模試で食い下がれるシーン多かったのに、全く結果出せませんでした。書いたけど論点ミスが酷い。そうです、日常家事代理書きました。はい。
脳味噌が完全にトンでたんだよね。。あんだけ時間タイトな中で、冷静な判断はかなり無理ゲーだと思います。
ただ発見があって、読点(、)は無くても採点するみたいです。句点(。)がなくてゼロ点にされたというR3年度の話があったため、割とドキドキしてましたが普通に採点した模様です(後述)。
2.模試の結果(R4)
言いたいことは山ほどあるけど、模試でずーっと近いスコアを出して密かにウォッチしていた皆さんの中に本試験を記述抜き160~170点代→記述やや絶望感な方がいるのを見て「あぁ…僕もそこにいたかもしれない」と何度も思いました。後述するけど模試で上位10%に食い込む人でも平気でやられてた印象あります。
僕の場合、公開模試がLEC4回(到達度1・全統1&2、ファイナル)、伊藤塾2回だったが、LECファイナル以外合格点をマーク、基本的に記述抜き170点代からの記述20~50点プラスで総計190~220点をマークしていた。特に一番最後の伊藤塾の第2回(10月第2週)は記述50点、総計220点を超えており、まぁまぁ自信あったんだけど…本試験で振るわなかった。
市販模試は有名どころ数社を使用、5月くらいから合計10回以上(公開模試合わせたら19回)やってる。模試は択一をメインで考え、記述はサンプルのつもりで買った。ただし記述対策は効果的だったか正直疑問。市販模試は記述抜きに幅があり130~190点まであった。記述点は判定不能だから、あくまで市販模試は択一の理解度確認と記述サンプルの要素が強い。ちなみに記述抜き170点代未満だったのは3回くらいだった気がする。
【 訂正 】再確認したら、模試19回中5回が170点未満だった。記述抜き平均点は172.3点。
公開模試は上位5%以内も一度あり、10月第2週に受けた伊藤塾公開模試もほぼほぼ5%につけて(2019人中102番)ました。この状況で落ちる可能性はほとんど想定してなかったです。先ほど書いた僕のスコアに近い皆さんも、そんな雰囲気を強く感じました。ごく自然なことだと思います。
なお1年目R3年度の時は、危機感がそこまでなかったせいもあって、公開模試は伊藤塾の1回だけ、市販も伊藤塾と成美堂をやりました。なので全部で5回かな、WEBで「模試は2~3回くらいでいいよ」ってあったのを割と真に受けてたんだよね。
それと…試験直後に「記述抜き180点超えたよー!」というの、受け手の気持ち的にかなり堪えるのを知ってたので(僕は)やらんことにした。嬉しいのわかるけど、そこはグッと堪える。あとまぁ、単純にマークミスしてたら恥かくやんというのもある汗
いやお前記述抜き178点やんかって?まぁそうだけど、176点より上ってR3年160点代だった僕からしたら「いいなぁ、ワンプッシュで受かるやん…」てなってた。記述の部分点さえあれば受かるクラスだけど、そんなのでも見えたらかなりダメージくるんだよね。
ちなみにR3年度は発表の時期のSNSは見ないようにしてた。
凹むよ…アレは。
3-1.試験に向けての作戦
行政書士試験は作戦として2つの方向があると思う。
①記述抜き160点前後を取り、記述60点中1問分20点を確実に取って他2問で部分点を狙う
②記述抜き180点超えを狙う、記述も狙うが仮に記述抜き170点代に陥っても記述3問中部分点でなんとかクリア
…という作戦だ。
あ、択一&記述を両方狙える人はいい、司法書士なり目指せばいい。
①②どちらが良いとは言えない、前者は記述次第で負けが確定するリスク、後者はカバー範囲が広くなるため、記述も高得点したければ学習時間がネックになりやすい。
ユーキャン・海野先生や伊藤塾・平林先生も、そんな感じのことを言ってられてました。はい。
初年度受験者は①寄りになるし、僕も最初そうした。ただ記述慣れしてなかったし、何の対策もしてなかったから正直テンパったね。2年目は②寄りになっていった。模試で上位10%以内にいつもいれば、当然こちら寄りになる。
で、①②どちらの作戦を選ぶとしても、択一で160点以上(或いは180点付近)まで寄せるという点は変わらないが、これを過去問(ウォーク問や肢別問題集など)だけで行うのは無理じゃないが確実ではない。3年以上掛けて受かりたいなら、それでもいいが、ウォーク問や肢別を回しただけで受かるなら誰でもそうしている。短期合格するには、どうしてもスパイスが重要になる。それが模試だと思う。
よくWEBでは模試で合格点いかなくても受かります!とか一度も模試で合格点いかなかったけど受かりました!模試は回数少なくても論点理解してれば大丈夫!という話を見たり聞いたりするけど、一方では当たってるんですよ、一方では。
ただそれが正鵠を射ているかといえばやや懐疑的かな。。
よく受験生が発する「どのくらいまで深掘りしたらいいの?」という疑問に合格者が「このくらいで十分だよ」とマイルド回答してるのを見るが、果たして当人のためになってるのかな?って思うときがある。まぁ厳しい回答よりも、マイルドな方がウケはいいんだけどさ。
そんなワケないだろ?と思うこともあった。そのくらいマイルドでいいんだねと逆効果なケースも見たり。逆に真面目な人には「そんなので慢心しないぞ」と刺さってることもあった。
まぁマイルド方向の人は見ないと思うが、ガチの10人と勝負して1番にならんと受からん試験なのに残り9人全員が手を抜くと思う?
僕の場合は非法学部だし、前段で関連する資格試験経験もなかった。上記の関係で言うと、実は法学部の学生で時間の余裕がある人だったり、早慶出身で地頭かなりいい人だったり、宅建を持ってるだけじゃなく実務経験あったりとか、色んな背景あるケースも多いので、マイルド回答を鵜呑みにするのはやや危険だ。
3ヶ月で行政書士試験合格!とタイトルにあるのでよく見たら「早慶法学部出身で司法書士」みたいな、うーんそれ既にレベル60くらいあってレベル30の試験受けてません?みたいな方もいた。もちろんウソの見出しじゃないが、初学者?て聞かれたらサラの状態とは言えない気がする。
あ、よく出てくるので書いておくが「初学者の合格率が1%」という議論が時々WEB上に出てくる。アレって上記要件はトーゼン含んでないと思うよ。フツーに考えて法学部出身とか宅建合格者が初学者なわけないだろww
あの議論は受験総数が50000人、うち合格者が5000人として、ド素人の状態の(上記要件に含まれない)初めて受験する人が果たして全体の1%にあたる500人以上も合格するかな?という話でしょ。常識的に考えてそんなにいないという意味だろうし、さして荒唐無稽とも思えないけどね。
さて、上記要件のうち宅建は記述問題で「行政法・土地収用関係」「民法・登記関係」が出たことがあるほか、宅建業法の中で行政手続法の一部を習うなど関連が深い。それでなくても民法はかなりの範囲で被るので、そういう資格保有者の方は(何度も言うが)初学者ではないし、実際かなり先行している。
一例を挙げてみよう。こちらは令和2年の行政法・記述問題。
土地区画整理事業に掛かる換地処分についての問題だ。宅建受験者なら既にお気づきと思うが、この事例は宅建で毎年問われる重要論点である。逆に行政書士テキストだと恐らく2ページも触れられていない論点だ。余談だが平成30年の行政法・記述も農地法関連で、こちらも宅建で毎年必ず問われる論点だった。択一も含めれば宅建の範囲は頻出と言っていい。
換地処分も農地法も、いきなり行政書士の勉強を始めた人には、なんのことかサッパリわからないはずだ。僕も宅建の勉強をするまで意味がわからなかった。まず用語の意味がわからない。逆に宅建を持っている人には「あぁ換地処分ね」と即座に理解できる論点である。農地法も1~2肢かな行政法の過去問にある程度で、中身なんて知らなかった。
宅建によって用語の意味を理解していることが、どれほどインターバルがあるかわかるだろう。僕も行政書士合格後のR5に宅建を受け、初めて用語とその意味を理解した。宅建から入るとメチャクチャ有利なのだ。
補足:R5宅建合格しました。
ちなみに民法記述は、前後の年の宅建の本試験と酷似しているものがあると言われてる。択一問題も近い年度で重複するケースが非常に多いし、これは以前から多くの人が指摘している。下記ツイートはR5年宅建試験の解説の一部だが、いかに宅建と行政書士試験が密接な関連をしているかわかると思う。R5年の行政書士試験でも、R5宅建で出題された内容が一部重なっていた。
あ、そうそう。
過去の本試験を解いてモチベーションアップされてる方が時々おられるけど、時期によって効果が違います。
僕は4月に市販模試の前哨戦として過去5年分を解き、直前期にもう一度あたった。それらの時期に解くことで、苦手な部分や「基礎論点の抜け」を炙り出せる効果があるそうだ。5年分というのも意味があって、直近で問われる重要論点を一巡できる(後述する「振れ幅」を緩やかにする効果がある)。
ちなみに使ったのは下記で2冊買いました。直前の年からは重複する論点は少ないから、ワザと1年古いものにした。安かったしね笑
4月に1冊5年分、直前期にもう1冊を消化した。ちなみに4月段階で5年分の中でミスは2問だった気がする。直前期はノーミスだった。結構嬉しかったが、後述する西田さんによると「9割以上正答でいいんすよ」て言われたので、そこまでガチらなくてもいいらしい。
直前期に過去本試験5年分を解くのは、自信を付ける意味もあるが、基礎論点の「抜け」を防ぐ効果がある。直前期って模試や肢別の難解なものばかりを見直しがちのため、基礎論点が突如わからなくなる思考停止に陥ることがあるんです。
何をバカな(笑)と思うだろう、僕もそう思っていた。こんな簡単な問題!と思っていたら直前2週間前だったかな、ホントに「え?え?なんで??なんで思い出せない…」という状態に陥った。
後述する野畑先生に言われていたので覚悟していたが、直後に過去5年分本試験を精査することで回復できた。長年の経験からの教示だったが、アレには本当に参ったし、また感謝している。もし本試験で「抜け」が起きていたらA論点で差を付けられる事態になったろう。
3-2.「模試は模試だから」はホントなのか?
さて、模試の話を出すと「模試はアテにならない」とか「模試は模試だし」などの話が出てくる。WEBでその声が大きく見えるのは、さっきも書いたが「マイルドな方がウケもいい」ことも要因だと思う。
そういう意見って、なるほど一瞬安心はする。しかし実際にその責任を取ってくれるワケじゃない。あくまで基準は発信者のもので、アナタの基準に照らしていない。
相手が簡単そうに述べているのを鵜呑みにした結果、ヤケドした経験がある。実際、その人の基準で試しに進めてみると、絶対間に合わないケースもある…ってか多いのよ。僕が愚鈍なせいもあるんだろうけどね。当たり前だが、アドバイスした側の基準が受験生全員に当てはまるとは限らない。
後で紹介する横溝先生もほぼ同じことを書いてられたので参考に読むといいかも。
模試回数が少なくても良いという話、実際のところ僕も模試で比較的良い点取ってたけど、本試験こんだけ苦戦したし、予想されてた問題はあんまり出てこなかった印象がある。だから模試を受ける効果を疑問視する人の向きもわかるし、そこは全否定しない。
しかしよく考えてみると、予備校の先生はプロだ。プロが何人も集まって予想と議論を重ねた問題が、アテにならないということがあるだろうか?
まず前年度本試験の論点は出さないだろう(直前の年に出た論点はほぼ重複しない)から、最新の模試は直近本試験の論点を抜いた形式になっている。既にこの時点で通常の問題集より数段洗練されている。
そして模試はアテにならないという講師(プロ)は1人もいない、ここが重要だと思う。アテにならないと言ってるのは名も知れない素人ばかりだ。
よく「模試は模試、本試験とは違う」という意見を見るが、そんなはずないだろ?と思う。模試で点が取れないのに、本試験で取れる人の方が少数派のはずだ。
大学や高校など、受験や資格試験の大半で模試をペースリーダーにしているのに、どうして行政書士試験だけ別なのよ。先に挙げた宅建も模試の点数を指標にして合格を予想する。行政書士になったら急にアテにならないと言う方がどうかしてる。
先ほど「実際にその発言の責任を取ってくれるワケじゃない」という話を書いたが、その道のプロは名前を出して自分の発言に少なくとも責任を取る用意があり、そこらの人と雲泥万里の隔たりがある。
以下のツイートにあるが「道ですれ違っただけの人から突然おにぎりを手渡されたら食べるか?」「いきなり渡されたどこの誰が作ったかわからないものを食べないのと同じように、顔も、ましてや名前すら明かしていない発信者の情報を鵜呑みにしない」という例え話が非常にしっくりくるから是非読んでみて欲しい。
※その点で僕のブログの内容も「無責任なもの」になるだろうと思うから、当然ながら判断は皆さんに委ねます。
「模試は模試(≒本試験と模試は別物)」という話だけど、なんていうの、模試で合う合わないみたいなのはあると思う。得意な論点出たら得点しやすいよね。これは誰でもそうなります。
問われた論点の理解度が高い模試だと点数が上振れすることがある。逆にたまたま合わないのが出たら下振れするんだよね。つまり論点で拾えるものが多ければ、良いスコアになるってことなんだけど、模試は全ての論点をカバーしていないから、当然ブレが出る。
で、本試験で下振れしたら「ほら!模試はアテにならない」という議論になりがちだし、不合格者の方が多いから同意バイアスもかかる。
※言い訳じゃないが、僕も模試で民法は結構得意な方だった。本試験でパッとしなかったが、慣れない論点に振り回された、というのが正直な感想。
だから模試で毎回コンスタンスに得点したら、それだけ振れ幅が小さくなってるってことなんだけど、そこを理解してないと模試の使い方がわからないままになるのよ。数をこなしてブレ幅の小さい(どの模試でも記述抜き170点前後orそれ以上の)スコアを出せば、それだけ本試験で確実な合格に近づきます。よくプロの先生が点数で一喜一憂せず模試をした後で論点をちゃんと見なさい、というのはそういうことなんだと試験直前に漸く理解した。
なので模試は模試!と言ってるケースには①ほぼ論点カバーできてる人②たまたま本試験で論点が合ってスコアが上振れしたみたいな人が混ざっていると思ったほうがいい。スコアが振わなかった人の負け惜しみは無視。
この議論のややこしいのは合格者の中に、そういう論調の人がいるから正しいように思えることなんよね。その方が正しい勉強法をしていたか、本試験に正しく答えていたか…似ているが少し違う。確実に合格したいなら、コンスタンスにスコアを取らないといけない。WEBあたりで模試の回数少なくてもOK!という話を結構見るので、それを信じてしまう人がいるのも事実だし間違ってるとは言わないが、僕の経験から言うとやっぱ模試やった方がいいんじゃない?って結論になるかな。
やや別の話だが、予備校や年度によって模試とか予想がドンピシャ当てることあって、それを見て対策できた人は初年度受かりやすいって説がある。
ちなみにアンケート取ってみたら、合格した年の模試の総計って0~5回と6回~が同数という結果になりました。皆さん結構受けてるんですよ。言わないだけでね。
参考までにLECファイナル模試(恐らく模試受験者数が最大値になるであろう時期)の数値で言うと、ここ数年で受験者数の増加に比べて模試受験者数の増え方が激しい。それだけ真剣に受ける人が増えた証左だと考えられます。平均点は参考に入れてみました。終盤になるにつれて平均点が下がるのは、母数が増えることと関係するのか、難易度が上がったからなのかはわかりません。ちなみに伊藤塾②の平均点は異様に高かったので、上位5%代にいてもB判定という謎な展開をしてました笑
※追記:R5年ファイナルは3441人
模試って精神的支柱になるんだよね。7月の第1回到達度の時(LEC模試の結果画像を参照)が一番嬉しかったんだけど、夏前に記述抜き196点とかだったら、そら小躍りしますよ。結局、上記3-1.に書いた①②どちらの作戦をとっても、今いる位置が正しいかを測るものなんだよね。
それと行政書士サポートチャンネルの西田さんも言ってるけど、模試はできるだけ臨場感ある予備校で受けた方がいい。家で受けたこともあったけど、極力R4年度からは予備校で受けるようにしていた。
余談ですが、西田さんのチャンネルは特に会社法や行政法総論あたりの動画が充実しています。他にもあるけど、この2つは特筆に値する。僕の場合、R3年は10月からチャンネルを見た(クッソ遅い)が、それでも会社法3問取れたからね。ノー勉からの会社法3問は大きい。
最新情報は横溝先生のブログにお世話になってました。個人的にLEC推しになったのって、横溝先生の影響が大きいね。勉強計画や試験予想も充実しています。情熱的な内容が多いだけでなく、スパッと当たる内容なので(レベルクッソ高いけど)一読の価値あり。
なお2年目はLECを利用した。LEC・野畑先生の授業を受け、わからない点はとにかく質問した。予備校の授業は受け身ではダメで、わからない部分や弱い部分を繰り返し聞いたり、質問して理解するのがいいと思う。予備校のメリットって、不完全燃焼なところを完全理解させてくれることが最大のポイントだよね。メッチャ質問しまくりで先生に覚えられてたけど汗
野畑先生は分析がすごいんだよね。「ここまでは出るが、これ以上は出ない」というラインを長年の経験で把握している。データからの分析が色々あって、そこから「なるほど」となることが多い。
こちらは記述分析、問44行政法の分析が他の講師に比べズバ抜けて正確だった。他の分析も見ていて参考になる。30分くらいあって長いけど一見の価値はあります。僕がR3年試験終了直後、野畑先生に決めたキッカケって、この冷静な分析力にあると思う。
話を戻すとマークミスを防ぐ意味でも、特に公開模試はたくさん受けた方がいい。僕がR3本試験でやらかしたミスは多肢選択で4つまとめてマークするという作業で、12と17を間違えてマークしたんだよね。鉛筆で書いたせいで2の下線があるように見えちゃったんだと思う。結果として2点失った。面倒でも一個一個確認して入れた方がいい。
それと模試をたくさん受けたらお金が掛かります。だけど、その分「試験でマークした部分と結果の差異」がないことを確認できます。本試験後2ヶ月半近く待つ間に「マークミスしてないよな…」と不安になることへの保険として、たくさんの「マークミスしてない結果」が安心材料になるという点でも、公開模試の意義って大きいと思う。
あとよく話題に「お金を掛けずに独学」というコスパの話になることがある。僕はそれ素晴らしいと思う。ローコストで合格できることに勝るものはない。それぞれの懐事情もあるだろうしね。
あと若いうちなら何度もチャレンジできるだろうし、時間もあるだろう。
仮に不合格になってもう1年勉強することと、合格して先の1年を別の何かに使えることを天秤に掛けたときに、お金で解決できるならアリじゃないかというのが僕のスタンスです。
話題を戻して、勉強法の話。肢別問題集を回す作戦、僕は一応したけど中心じゃなかった。有名講師がある動画で言ってるんだけど、現場対応力が手薄になるリスクもあるらしい。
R4本試験でいうと、ホント混濁させる作戦やられて時間食って焦りが先行した方もいた。僕もそうだったし、そうなると肢別50回回してても正常な判断ができなくなる。見たことない肢が来たら余計そうなる。
なので市販・公開含め模試を中心に据えることにした。模試のいいところは直近本試験で出た論点を避けてくれること、見たことのない肢を沢山経験できることだね。
模試19回って受けすぎwwって言われるかもしれんけど、僕は安定的に受かりたい人ならオススメしたい作戦だと思ってる。
また模試や肢別問題集の間違えたものや、記述論点をカード化させてヒマなときに読んでた。単語カード帳は30近くあるから、恐らく3000肢くらいあると思う。一般知識・記述系はそれぞれ200程度別途に作っていた。
代わりに条文素読・目次学習はほぼ全く行ってない、行政法を一度写したことがあるけど、ほとんど読まなかった。あくまでカードの肢から覚えた感じ。恐らく普通の人には条文素読や目次学習がいいかもだが、参考までに。
4.記述問題について
行政書士試験の配点で20%を占める記述問題だけど、ここを対策するのはあんまり個人的にはオススメしない。行政法はある程度の範囲に狭めることが可能だけど、民法は絞るのが難しい。僕個人は確率1/500の沼パチンコみたいなのを2回連続で当てるみたいなイメージしかない。
模試の記述問題や予備校の先生方が直前予想を挙げてくれるけど、やっぱり水ものな気がするんだよね。実際、色んな直前動画見たけど(R4年に関して)ズバッと当たってたものは少なかった気がします。
ただ僕が受けた年がそうだっただけなので、予備校の先生のブログあたり読んでると「これは当てて当然でしょう」と述懐しているものもあり、バッチリ当たった年もあるらしい。R3年も某予備校の直前動画で予想トップがバッチリ当たっていた(けど本番テンパって書けなかったw)。
余談だけど、色んな予備校や模試で予想されてる新潟空港訴訟、もうアレ来ないんじゃないかなって個人的には思う…
実のところR3年は鬼採点と言われたせいもあって、自分は記述をアテにしない傾向が強くなりがちなんだよね…
傾向として、記述でガッツリ取れた合格者は記述を得点源にすることを勧めてきます。僕がそうじゃないのは、まぁそういうことなんだけどさ。ただやっぱ択一で近寄せる作戦の方が王道だと思うよ?
それと受験生のSNSで時々見るけど、記述問題は自己採点しない方がいい。「記述3問中2つほぼ書けてるから記述40点で合計190点」みたいなのね。それ記述抜き150点だから。
あと公開模試で記述点が異様に高いときも注意。記述抜き170点代以上ならまぁいいけど、合計200点でも記述点50点とかなら注意、実質は記述抜き150点なので知識の抜けがあると思った方がいい。
記述点って試験当日どうなるか、採点だって厳しくなるかもしれないって思わないとマジで危険だと思うよ。
記述内容の正誤検証や論点チェックはもちろんするべきだけど、自己採点は自分でやると贔屓目になるし、何より本試験の記述採点スゲー辛いからね。
R3・4年は基礎論点だった(誰でもある程度書ける)ため、採点が非常に渋かったにも関わらず(誰でもある程度書けたから)、期待値で発表を待つ人が結構いた。しかし結果は…
※R2年の論点とか予備校で見解がわかれるほどの難問だったので、採点レベルはR3・4に比べると容赦ある内容だったものの、じゃあ論点をキチンと書ける人がいたか?といえば別の問題があった。
ちなみに予備校がしてくれる公開模試の採点って、正直言うとかなり甘いです。カレーの王子様ほどじゃないけど、バーモントくらい甘めです。アレを期待値で採点すると本試験で大火傷します。本試験を期待値で1月末の合格発表まで待った挙句に、出遅れて翌年もドボンとか結構見かけます。。。
あ、本試験後にツイートしたんだけど「句点(。)なしだと採点されない可能性がある」問題、実際そういう年もあるようですね。ツイート引用先でもでてました。ただ読点(、)なしの場合は、採点するみたいです。ちなみにR4は句点なくても採点したらしい。
下記はツイート内にあるR3年合格者のブログ、予備校予想40点以上だったところ、実際は1/4以下だったそうでマジギレされてた。。。
あ。そうそう。記述採点に関して、都道府県別で記述補正バイアスがかかるの?問題、どこかのブログでも書いてあったし、試験直後の講師に質問コーナーでも出てたけど、体感的には「オカルトだけどあるのかも」みたいな印象です。
要は都市圏の方が年齢的な問題で引退したり、廃業する人の数が多いため補充をする必要性があることから、地方よりもホンの少し基準が緩めになるんじゃないか、逆に地方で登録者数の少ない県で廃業者が多い年だと、補充が必要で採点が甘くなる、という噂を聞いたことがあります。ほぼオカルトの世界です。
あとぶっちゃけビミョーなんすよ。SNSに挙がってる回答を見比べたときに「この人は全体で30点になってるけど、別の県の人だと26点になってね?」くらいの誤差です。でも記述3問の合計点なので、本当にそういう評価なのかわかんないんだよね…あと比較するための要件が厳しくて(記述回答全部載せ、かつ記述点を公開)、正直わからんなぁという感じ。
まぁただ合格者が10人ちょいしかいない県とそれこそ1500人以上いる首都圏で差が出るのは仕方ない気がします。そもそも採点する母数が違うので、採点官全員でキチッと見れるとしたら前者だろうしね。
話戻すと、個人的には肢別や模試をマスターすることを秋頃まで完遂(95%以上正答できるように)させ、記述解きまくり講座とかで事前対策をするみたいなのが一番よさげな気がした。実際R4年の記述で、民法はほとんど点がつかなかった。行政法は自分なりに理解していたので、書くことができたけど、解きまくり講座や記述用サンプル・問題集などが役に立った感じはしなかった。
ただまぁ佐藤先生も言われるように、2年目は丸暗記でない形になるから、記述で食い下がれる要素が多くなる気はします。
まぁどっちに振り分けてもリスクはあるんだけどね…難しい。
以上、行政書士試験の総括をしてみました。
また追記するかもしれないけど、ひとまずこんな感じかな。
付録:各社模試のレビュー
さすがに19回も模試を受けてる(ぜんぜん自慢できん…w)のと、一応平均点記述抜き172点だったので、全体の強弱がわかる気もしてます。
結構各社の特徴が見えてくるので、個人的主観ではあるけど、書いてみようと思う。Amazonのリンクも付けておきます。どこも特徴あって面白いです。
市販模試レビューは主にR3・R4年のものを解いた経験からのものです。オススメ度を★印で示してます。もっと細かくしてもいいけど、主観だしね。あと早稲田出版(合格革命のところ)だけ受けてないです。時間足りなかった。
あと各模試のスコアは以下の通り(再掲)。
◆行政書士試験の市販模試(あくまでも個人的主観です)
(注)公開模試ではなく市販模試のレビューです
LEC:★★★★☆
完成度高い
ややA論点多め
基礎確認にピッタリな気がする
実は点数まぁまぁ高めに出るので
※記述抜き188→192→168→176(最後のは2021版)
精神安定剤として3つのうち1つだけ残して直前期やってました
模試って低い点出るとメッチャ凹むんですよ
少なくとも僕はそうだったので安定剤にしてました
TAC★★★★★
かなりムズいです!模試で最低点出したのもTAC
※記述抜き156→174→136
珍問出しますね、あえて何とは言いませんが
ある芸能スキャンダル事件の最高裁判例を出してきたときは
「おま…ええ加減にせぇよ!」てなってました(^_^;)
ただ鬼のように当てる
肢個別で見た場合、当てる確率は最も高い
R3だったと思いますが記述も近いところ出してました
過去に合格された方のブログでも当たると評判
TAC模試で記述抜き170点超を3回連続で叩き出せたら大したもの
成美堂★★★☆☆
2022年版はレビュー参照(リンクは2023版です)
2021年は当ててたし難易度標準的でした
首の長い事故判例(最判平成8年10月29日)ズバッと当ててました
2回分あります
※記述抜き172→174→188→162(最初の2つは2020版)
伊藤塾★★★★☆
最も難易度が標準的
これも記述抜170点超出せたら強い
2回分ありました
※記述抜き180→164
そういえば、行政書士試験を受ける動機を書いてなかったので、最後に書き足しておく。どうでもいいと思うけどww
一応、以上です。
メチャクチャ長いのだけど
多分分けたら伝わりにくくなるから一つにしました。
また何かあれば付け足ししますね。