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ヤギ語り                         #9

 最強寒波到来で、ふぶきは 今、我が家に緊急避難している。
最低気温-5℃という予報で、山の小さな小屋では、さすがに心配なので、玄関の土間に急ごしらえのゲージを用意した。
 雪は、それほど積もらなかったが、とにかく風が強くて、台風並みに吹き荒れていたので、準備しておいてよかった。備えあれば患いなし、だ。

 ふぶきが 我が家の土間で過ごすのは2度目になる。最初は夏の台風の時。高床に小屋をのせ、雨しのぎはタープだけ、という簡単な家なので、酷い悪天候の時には、屋根と壁のある場所で、そして家族と一緒に 安心して過ごして貰いたい。
 夏の時には、急遽連れてきたので、なんの準備もなく、ただ、いつもの小屋だけを土間に置いて、ロープで繋いでいたのだが、思った以上にあちこちに、オシッコ、ウンチが残されて、後始末が大変だった。そして、匂いが、2ヶ月以上残ってしまった。

 ヤギを、我が家にお迎えすべく 準備していた時、息子の同級生のお母さんに色々教えて頂いたのだが、ヤギのオシッコについて、
 「ヤギのウンチは、全然匂いが無いの。でもオシッコは、すごく、臭いのw。土や、草の上にした時はほとんど気にならないけど、コンクリートやモルタルの上だと、ホントに臭いw」と聞いていた。
 なるほど…こういう事か…とその時知った。

 今回は、反省を踏まえ、また、先日の「ドライブ」の経験をいかして、
ブルーシート+ペットシーツ+わら多め、で床を養生し、ロープは絡まって大変だったので、巨大ゲージをワイヤーメッシュで作ってみた。ワイヤーメッシュ4枚を針金で繫いだだけの簡単なゲージで 夏よりだいぶ大きくなったふぶきに 破壊されるのではないかと心配したが、足を掛けたり、上から首を伸ばしたり、下の方に頭突きしたりするが、なぜか、控えめで遠慮がちなので、今のところもっている。

 
人間と、他の動物との共同生活は、千差万別で、その家ごとの流儀が出来ていく。
 人間社会の流儀のごり押しだけでも、動物の世界の流儀の尊重だけでも、うまくはいかない。それは、そこにいる‟家族”によって(もちろん動物もその一員)紡がれる、独自で、独特な ‟かかわり方” と ‟暮らし方” の流儀だ。

家族が増えても、家族が減っても、その家族が ‟家族” としてあり続ける限り、連綿とつながる家族の流儀なのだろう。

昨年暮れの雪の日。いつでも、どんな時でも息子と遊びたい、ふぶき。


夏の台風の時。家ネコ ‟きなこ” と初対面。


そして、”家” を乗っ取られる。

「ヤギ語り」。ヤギの「ふぶき」の事を書いてきたけど、これも一つの
「家族の物語」なのだと、寒い寒い冬の日に、ほっこり こころが 温もった。

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