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ゼロから始めるWEB小説家になろう。⑤ 最低限の文章編

※この記事は8/21にスペース上で喋った内容です。

初めにいつもの



こんばんは、シンギョウガクです。

第四回のイベント表を作ろうに参加された方はお久しぶりです。今回初めてだよって方は初めまして。

本日も『ゼロから始めるWEB小説家になろう』スペース開催させてもらいます。

初めての方向けに、経歴をちょっとおさらいで話させてもらいますね。

2014年からWEB投稿開始

最新刊は2022年8月末 カクヨムに投稿してた『異世界最強の嫁ですが、夜の戦いは俺の方が強いようです ~知略を活かして成り上がるハーレム戦記~』(モンスター文庫刊)

文庫でお買い求めやすくなっておりますので、新シリーズの購入よろしくお願いします。

書籍化したWEBサイト→ノクターン、なろう、アルファポリス、カクヨム

著作 小説14冊 コミカライズ化2作品 8冊

拾い上げ4作、ネット公募受賞3作計7シリーズ 中堅木っ端作家

前回のおさらい

前回はイベント表を作ろうということで、お話の骨格に沿って、巻、章、シーンって形に分解していって、おおよそのお話の流れまで作っておきましょうねって話でした。

慣れないうちは、イベント表みたいなものを作っておくと、誘導灯みたく作品の進むべき道を照らし出してくれると思います。

TRPGやられる方でGM経験者なら、こういったものはある程度用意された経験はあるかなと思います。

リアクションが他人のPLキャラになるか、自分の脳内で作ったキャラになるかの違いかなって思う。

イベントに対し、解決法はキャラごとに色々と違ってくると思いますので、同じイベント表を別キャラで書いてみるのもありかもしれません。

本日のお題

さて、今日は最終回ということで、一番燃えるネタ持ってきました。

最低限の文章という話。

燃えまくるの必定なタイトルです。

細かく分けると以下の三つ。

①視点者

②情報の受け渡し

③作法の効果

視点者

①視点者ですが、簡単に言うとカメラの持ち手です。誰がカメラを持ってこのシーンを見てるかをはっきりさせると読者も状況把握がしやすくなるよって話。

WEB小説では1人称や3人称一元視点がよく使われ、2人称や3人称視点はあまり見られないかと思います。

3人称(神視点)とかは戦記とか、群像劇を書く場合有効かなと思いますが、WEB読者との相性はあまりいいとは言えない気がします。

同様に2人称もあまり見かけないタイプの書き方であるため、見慣れない文章として敬遠されることが多いかと。

なので、WEB投稿するのであれば、1人称か3人称1元視点を選択されることをお勧めします。

・1人称……カメラの持ち手は基本主人公キャラで、描写や独白も視点者のものを書き記していくことになる。(別視点者の場合は、Side〇〇とか※○○視点って入れた方がいいかな)

・3人称1元視点……カメラは主人公の後方に設置され、一人称と同じように(厳密には違うけど)独白等の処理ができる。シーン単位で視点者の切り替えをシームレスにやれる。

どっちもキャラに感情移入がしやすいため、ライトノベルでは多用されている書き方になっているかと思います。

個人的には一人称の方が初心者の方が書きやすいと思うので、ここでは一人称に絞ってお話をさせてもらいますね。

一人称

一人称で書けること、書けないこと。

※書けること

①カメラの持ち手が『いる』場所で起きた出来事全般
 ②カメラの持ち手の考え・知識・思考・行動

※書けないこと

①カメラの持ち手が『いない』場所で起きた出来事全般
 ②カメラの持ち手の知らない情報全て(たとえ作者が知っている情報でも作中でカメラの持ち手が情報を入手してなければ出せない情報になります)

一人称は本当にシンプルで、カメラの持ち手(主人公)の視界、思考を通したものしか描写できない。
 このルールを徹底すれば、読者に混乱をもたらすことが少ない書き方になると思う。

あと、一人称は視点者を変更することは基本出来ない書き方。

なぜかと言うと、地の文が私は~とか、俺は~といった書き出しで始まり、それらの人称がカメラの持ち手を示すからです。

たとえば、同じ『俺』を人称として使う正反対の性格キャラが居たとして、両者を別視点者として区切りを付けず書いてしまうと、読者には急にキャラがブレたように感じることになるでしょう。

あれ? このキャラ変わった? と読者は絶対に思うはず。

作者はここはこっちのキャラやぞって情報を持ってますが、読者は持っていないので混乱は広がるばかりになるかと。

なので、一人称で視点者変更はあまりしない方がいいかなと思ったりしてるわけですが――。

私はめちゃくちゃ使ってますw

主人公視点で固定され、その裏側の話がほとんどできませんからね。

とりあえず、キャラブレ認識させないよう主人公から視点者変更があった場合、絶対にSide〇〇や※○○視点を表示して、読者の認識を一旦主人公から切ってます。

これが下手とか言う方もいますが、やらずに一人称で視点者変えると、読者の情報受け取り難度をあげるだけの行為になるんで、自分は絶対に入れる派ですね。

ついでに視点変更者となるキャラの人称は、なるべく被らせないようにしてます。

でも、まぁ、一人称における別視点者は、よく出して3人までかなって思う。

あまりにも多人数視点になるお話なら、3人称一元視点をお勧めします。そっちであれば、○○(キャラ名)は~って形で描写できるし、章ごとシーンごとで視点者を変えられるので。

といった感じで、一人称は主人公視点で固定され、お話が進行していくのがデフォルトなので、初心者の方は主人公として何が起きているかを書き記していくことに専念できるかと思います。

カメラの持ち手が主人公なので、主人公の動き、考え、反応をそのまま書き記していくだけです。

ここからは個人的な感想の話になるんですが……

一人称で視点者の落ち着かない作品ほど、読んでて苦痛なのはないかなと思います(剣聖の幼馴染で特大ブーメランが自分に突き立つ感じですがw)

一人称で書くなら、主人公視点が8割を切らない方がいいかなと思います。

読者が読みたいのは主人公サイドの話(のはず。別Sideの方が盛り上がったら、それはそれで問題なきもしますが……)

あと、3人称一元視点でも細かく視点変更されてる方も見られますが、視点者の変更は感情移入度のリセットに繋がるので、安易に変更しない方が物語に集中してもらいやすくなる効果が高くなると思います。

グリングリンとカメラがあっちいったり、こっちいったりすると、カメラ酔いしちゃいますよ。

どうしても多人数視点者でお話を作っていきたいなら、連作短編という形で、短編一話で一人主人公を使い、複数短編を通して、お話が進行し、最後に結末に至るって方法を取られた方がスッキリするのかなぁと常々思ってます。特に群像劇っぽいやつ。

とまぁ、こんな感じで視点者の話はこんな感じです。

情報の受け渡し

続いて情報の受け渡しについて。

今回は最低限の文章という形でお話してますので、一人称での情報の受け渡しについても最低限どれくらいやった方がいいのかという視点でお話させてもらいます。

シーン開幕後与える情報として下記三点。

 ①主人公はどこにいるのか?
 ②何の目的でここにいるのか?
 ③誰がいるか?

をできるだけ早く読者に情報として与えるようにしてます。

どこにいるのか、城の中なのか、ダンジョンなのか、街の冒険者ギルドなのか、自分の部屋なのか、このシーンがどこで展開されているかをできるだけ読者に与えてる。

自分の場合、とにもかくにもこの場所を早く伝えてます。

冒頭一行目、遅くとも三行目くらいまでには読者に届くようにしてます(前話の続きとかの場合は省きますが)

どこで?解消されないと読者もソワソワして落ち着かない気がします。

続いて何の目的でこのシーンが設定されているかの提示も早めがいいかなと思います。

依頼を受けに来てるのか、探索してるのか、まったりと休暇をしてるのか。

そういった目的の情報が、早めに手渡してもらえると、どういった話の展開になる?って期待値が起きるかなと思いますので。これも早めの提示が大事かなと。

続いて、誰がいるか。

シーンに誰がいるのかを提示するのも忘れない方がいいかなと、特に後から出てくるキャラではなく、最初からいるキャラについては言及しておいた方がいいかなと思う(私もよく忘れるけど)

急に出てきて貴方そこにいたのって話になってしまうので、シーン参加者の情報は渡した方が無難かな。

というように場所、目的、人が早めに提示されていれば、お話の中身に集中できるようになると思ったりする。

書き始めたばかりの時は、できるだけ簡潔な描写を心がけた方がいいかなと思います。

基本的にWEB読者の人は、書いた文章の10割を摂取しているわけではなく、5割~7割を読んで情報を摂取していくし、勝手にこちらが書いてない情報を受け取って脳内の取り込むこともあります。

あと、キャラ名はよく間違えられる。

世界を感じさせる描写を増やせば、それは読者に絶対に読んでもらえる――ってわけでもなく、読者は必要な情報しか文章から摂取していかないかなって思ってます(読者も色々な方がいらっしゃいますので、一概にこういった読み方をする読者ばかりというわけではないですが

書き手が自由に書いて行くように、読者もこちらの意図とは違う読み方をする可能性も大いにありますので、書いた物がそのまま100%読者に届くと思ってない方がショックも少ないと思います。

誤読されたとか、そんな意図はなかったとか、思ったとしても、読者にはそう伝わってしまったのだなと思うしかないです。

という感じなので、簡素簡潔な文章の方が、より多くの読者さんが来てくれるような気がする(するだけ)

慣れたら、描写を増やしてみるのもいいし、色んな表現に手を広げていくのもいいかなとは思います。

ただ増やした分、丁寧に情報の受け渡しをやらないと誤読や誤認は増えると思って頂ければ。

Twitter一四〇字でも誤読、誤認は起きてますので、自分は10万字作品で誤読、誤認が絶対に起きないなんておもえないと思ってる派です。

どうしても描写を増やしたいという場合、書けるようになってから、手を入れればいいところかなって思うし、レベルアップを目指す場合、必ず手を入れていくところだと思う。(私も全然この辺が伸びてないので伸ばしたいところ)

情報の受け渡しに関してはこんな感じです。

読者はもらった情報でしか作品を理解できないし、与えた情報を誤読も誤認も起きる可能性を持ってますってことだけ理解してもらえればいいかな。

だから、この情報の受け渡しはめちゃくちゃ難しいし、上手い人は読みやすさとか没入感が増して、評価されやすくなったりするかと思います。

評価という行為は、作品理解が前提として存在してるので、理解できない(情報の受け渡し不足)お話を読んで評価するという行動に移る人はあまりいないと思います。

私も編集さんによく情報の受け渡し不足を指摘されるので、まだまだ色々と足りてませんがw

脳内の情報を作中に出したか、出してないかチェック表とか作った方がいいかもしれません。

本筋に関わる重大情報が、未提示だった場合、置き去りにされた読者は読むのをやめてしまうかもしれませんので。

作法について

で、最後に作法と言われるものに関して。

個人的には作法というほどのものじゃなくて、マナーとか、ローカルルールの類かなって思います。

字下げと三点リーダーの偶数は、守っておけば変な感想がこない魔除けの類。

私の場合、商業出版の場合、校正者に赤を入れられ直されますので、事前に直してるだけの話。

最初は知らなかったので、字下げも三点リーダーも適当にやってましたが、読者に指摘されて直したレベルです。

なので、守ってなくても読まれるけど、やっておけば後々の面倒がないというレベルの話。

あと、WEB特化にするため、改行多めにしてますが、書籍の場合、行詰めされますね。紙ももったいないし。

ただ、この辺はWEBのままの改行で行きたいとか編集さんを説得できれば、やれなくもないかも。

そうすれば、文字数書かなくてもページが埋まるぜって話になるんですけどね。多分許してくれない気がする。

ワイの場合は書き込み過ぎて、いつもP数が足りないので、行を増やしてもらったりしてなんとか通常ページで収めてます。

いつも12万~13万字できますよー→16万字でしたーなので。

作法の話から逸れたので戻ります。

これも作法と言っていいのか分かりませんが、WEB投稿の改行問題。

個人的な感覚だと、WEB投稿の場合、改行はしてあった方が読みやすいと思う層が多数を締めてると思います。

字が詰まってるとスマホの画面じゃ読みにくい。

WEBの読者の半数~六割はスマホ閲覧かなと思う。(今はもっと増えたかも)

小さい画面に文字一杯だと、それだけでブラウザバックしたくなってしまう人も存在してるかと。

自分は字詰めされた方が読みやすいとか、縦読みにしてるから~って自身を判断基準にされてる方がいますが、それは自身の判断でしかなくて、じゃあ字が詰まってる作品数と改行多い作品数、累計だとどっちが多いのって視点で見れば、改行多いやつの方が多数を締めるかと。(サイトによっては違うかもしれませんが)

みんながやってることは、ある程度の効果があるから、やってるのであって、効果がなければ普及しないかなって思います。

改行あける、漢字を開く、一文一意を徹底するとかって話は、多くのWEB投稿の先人が積み上げた技術の一部なんで遠慮なく使った方がいいかなと思う。

とはいえ、経験してみないと分からんって人もいると思いますので、字詰め、漢字率高い、一文長めで試してみるのもありかなとは思う。

自分向け以外の小説は、基本キャッチボール

前回も言った気がするけど、小説は相手と文章を介してキャッチボールをすることだと思います。

相手が受け止められる場所に投げ込んであげないと、相手からの反応も中々返ってこない。

どんなすごい剛速球も、相手のキャッチできる範囲に入ってなかったら、評価はクソボール球でしかないかなって思う。

キャッチした人はすごいって反応を返すとは思います。ただ、あまりに外れた場所を狙うと、キャッチできる人が少ない場合があるとだけ。

個人の趣味でなら、そういったニッチな部分で攻めて、反応もらうというのもありだとは思います。

ただ、商業だとあるていどキャッチしてもらる人が、多く見積もれるところを狙って投げ込まないと、厳しい側面があるかなと。

ニッチすぎる物は、リスクが高いと判定されやすくなりますしね。

ある程度、売れた実績のある話の骨格を使ってる作品を選ぶレーベルも多いと思います。

商業入った人、また狙う人は、そういったアンテナもまた鍛えておくと、長生きできるかも(気がする)

全五回完了!

という感じで全五回、執筆をしたことない人向けという形で、なろう系ファンタジー一人称WEB小説の作り方を色々な脱線をしつつ、喋らせてもらいましたが、どうだったでしょうか?

執筆してみたいぜ!って思ってもらえれば、私ととしての計画は成功した感じなわけですが。

中々に脱線が酷くて、分かりにくい箇所もいっぱいあったかなと思いますw

でも、ほんのちょっとでも興味が湧いたら、創作小説の世界に飛び込んでみてください。

俺でもこれくらい書ける! って敷居の低さがWEB小説のすそ野を支えてます。

自分も執筆を始めてしたのが三五歳(書籍化したのが、三八歳、今四三歳)なので、オジサンだって書籍化作家にはなれますよ。

それに、時間はいくらでも注ぎ込める沼ですしね。

新しい趣味の一つにしてみてはどうでしょうか?

執筆沼への布教をも終わりましたので、これにてゼロから始めるWEB小説家になろうは終了とさせてもらいます。