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カゲクマ店長の夜咄 セリフ集

舞台メモ

【BAR Scary Liquor】

 このバーは何処かに有る。

 誰もが辿り着ける訳では無いけれど、
 【怪談】【奇譚】【噂話】【呪い】【曰く付きの品】
 そうした不可思議な…
 現実世界にある異物の欠片を持ってると
 入口を見つける事が出来るらしい…

 店に入ると【カゲクマ】という
 フワフワと浮かぶ黒いクマの様なマスコットと
 無口なバーテンダーが迎えてくれる。 

 きっと、それは…
 アナタの日常に変化をもたらしてくれる出会いとなるだろう。

カゲクマ

 影で作られたクマのマスコットの頭部の様な外見をしている。
 元々は人間であったと自称しており、
 自分の正体に迫る事を目的にBARで働き続けている。
 人情に厚く困っている人に手を差し伸べる事を躊躇しない。

セリフ_0001

「まあ、コレは始まりの話…って事になるかな?
 俺がここに来た時の事なんだが… あれはもう10年も前になる…

 詳しい事は覚えてないからざっくりだが、
 俺は確か誰かに殺されたんだ…んで、目が覚めたらここに居た。

 不思議な物でさ…目覚めた時にこのBARの事が理解できた…
 店の切り盛りの仕方って言うか、
 この店を回していく為に必要な情報が頭の中に流れ込んで来た。

 最初は戸惑ったが、俺は状況を把握する為に店長として働く事にした…
 するとどうだ、この店、来る連中面白い奴ばっかりでな~
 今じゃあ好きでこの店の店長やってる感じだな!
 辞めろって言われたって辞められねーぜ」



真宵



四方 リツコ(よもかた りつこ)

 フリーのジャーナリスト。
 オカルト系の記事から社会系の記事まで幅広く取り扱い、
 自分の興味を持った内容の記事を書く。

 調査能力に長け、非現実的な怪異の存在も受け入れる柔軟さを持ち、
 BARに来た時から『カゲクマ』と意気投合している。

 好物はお酒全般とタイカレー

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「へー ここが噂のバーね~ 
 普通じゃ来れ無いって聞いてたけど、割と普通に来れたわね…
 という事は私は何かしら選ばれたのかしら?
 さあー て、普通じゃたどり着けないバーの実態とは如何に…」

 カロン カロンッ(ドアベルの音)

「すみませ~ん、って、何?クマッ!!?
 えっ、かっ可愛い!!!
 えー なになになに!?これどうなってんの?
 喋ってるしめっちゃモチモチしてる~~
 えへへへ、クマちゃん、歳いくつ?
 可愛いね~~ お姉さんの家来る?
 あっ、大丈夫だよ!怪しくないよ~~!!」



牧島 勇梧(まきしま ゆうご)

 バーの常連の警察官。
 市内で起こる不可解な事件【厄ネタ】の情報を持って来てくれる。

 正義感と漢気に溢れており、
 何故か霊山で修行した僧と同程度の霊力をその身に纏っている。
 過去には、山から下りてきて子供を攫おうとした妖怪を
 素手で撃退したとの逸話も有る。

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「んでな…この前、例の溺死事件の現場で影に襲われたんだよ…
 まあ、なまっちょろい腕がまとわりついて来ただけだから
 引きちぎってやったら逃げてったな…

 しっかし、アレはなんつーか、
 暴走してるっていうか見境が無かったな…
 術者が操っているというよりは、呪いの塊が勝手に人を呪いながら
 ドンドン周りの呪いとくっついて行ってるみたいな印象だ。

 ありゃー 術者もやべぇ事になってんじゃねーかな?
 とにかくこれ以上市民に犠牲が出ねーように、
 俺も本気でアレを潰しに動くぜ」



 

墓守 黒衛(はかもり くろえ)

 情報屋。
 全身を黒のスーツで固め、
 腰のベルトからいくつも棺を模したキーホルダーを下げている。

 死者と会話できるとの触れ込みで、
 様々な情報を集めてくる。

 『牧島』と仲が良くバーで会うと、
 一緒にカウンターで飲み談笑している。

 高い情報収集能力を持つジャーナリストの
 『四方』(よもかた)とはお互いをライバル視する関係で、
 互いの能力を評価し合っているものの仲はあまり良くない。

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「へへへ… こいつはあの『四方』もまだ掴んでない情報だぜ…
 これを『牧島』の旦那か『カゲクマ店長』に伝えれば、
 この件は解決間違い無しだな。
 
 いやはや、あの『四方』よりも先にこれにたどり着けたのも、
 呪いに殺されたアンタの情報のおかげだ…

 さて、報酬は何が良い?

 俺の持つ棺で眠ってたまに現世を遊び歩く生活か、
 それともこのまま成仏するか?

 ああ、前者を選ぶ場合は、
 俺のお使いを手伝ってもらう事が条件になるが、
 まあ、悪いようにはしねーよ。
 さあ、どうする?」



浮雲遊(うきぐも あそび)

 市内に有る『青薔薇の館』で働く占い師のお姉さん。
 お酒に、歌に、ギャンブルにと遊び全般が好きでノリが良く、
 バーの常連客とも仲が良い。

 占いの腕も良く、失せモノを見つける事を得意としている。

 何処かのんびりとした喋り方から、
 穏やかそうな少女の様な印象を受けるが、
 実は人体急所を的確に破壊する事を得意とした武術の達人でもある。

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「あれまあ、今日はついてない…私の麻雀占いは当たる。
 この手がツモあがれないなら、今日の外出は止めた方が良いかな~

 うん?いやいや、待って~ 
 この感覚…依頼の有った探し人の気配?
 こんなにハッキリ感じるって事は近くに居るのかな… 

 ああ…でも、今日はゲンが悪いなぁ~ 
 ついてない時に超重要な探し人の気配って、
 死亡フラグビンビンに立ってそうなんだよね…

 でも、今月は欲しい限定の日本酒も蔵出しされるし、
 先立つモノは必要だしな~ さーて、どうしたもんかな?」



山岸 採花(やまぎしさいか)

市内の高校に通う女子高生。
ほんの少し霊感が有り、
同級生に憑いた邪気を払った事をきっかけに
学校では浮いた存在となり、
他の女子からいじめを受ける事になってしまった。

鬱々とした日々に嫌気がさしていたある日、
露天商から買った災い除けの鈴を使う事で怪異に巻き込まれる事となる。

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「影よ…影よ…伝えておくれ?」

 チリーン(鈴の音)

「私の思いを伝えておくれ・・・
 囲まれ罵倒されるのがどんなに恐ろしいか…
 唐突に浴びせられる水がどれほど冷たいか…
 遊び半分に首を絞められるのがどれほどに恐ろしいか!!」

 チリーン(鈴の音)

「さあさあ、影よ伝えてやってよ…
 あの低能な女共に自分がどれだけ罪深い事をしたのかって事をね…」

 チリーン(鈴の音)

「ふふふふ、ゆっくり…
 ゆ~っくりと追い詰めて…しっかりと恐怖を心に刻みつけてあげる」



暮春 友哉(くれはる ゆうや)

 オカルト雑誌『ダムド』の編集者を務める青年。
 性格は大らかで明るいが、面倒くさがりな一面も有る。
 オカルト雑誌の編集で有りながら、霊的な事に対しては懐疑的で、
 記事を持ってくる『四方』(よもかた)の
 馴れ馴れしさに苦手意識を持っている。

 幼少期から近しい人の不幸を予知夢で見る事が有り、
 都度不幸を回避しようとするものの、
 変える事の出来ない現実に嫌気がさしている。

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「あー 嫌な夢見た… 昨日編集してた記事のせいかな?
 『連続溺死事件』とかなんとか~ってやつ… 

 ハァ… 夢に出てきてたの…四方さんだったよな…?
 四方さんの後ろからぐわーって影の腕が伸びてって…
 ドブッンって…耳に残る嫌な音がして…

 ‥‥‥昨日記事を持ってきた四方さん、
 「『墓守』には出し抜かれたけど、私も事件の核心に迫ったわ!」
 って、ドヤ顔で言ってたよな。

 って、なーにまじめに夢の事なんかで悩んでんだ俺…
 ハハハ…考えるのやーめた!


 ・・・・・・・あ~~もう、駄目だ!やっぱり気になる!!
 頼むから電話出てくれよ~~ 四方さんッ!!」



四辻 翔(よつじ かける)

 市内でタクシー運転手を営む男性。
 落ち着いた声と高い運転技術で乗車したお客様さんからの評価が高く、
 リピーターからの指名を多く受けて日々タクシーを走らせている。

 危険に対しての察知能力が高く、
 直感で運転する際の道選びを行っている。

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「その日は異常だった…
 なぜなら、走る道全てから危険を感じていたんだ。
 こんな事態は初めてだったけど、
 いつも以上に気を張ってタクシーを走らせていた。

 しばらく車を走らせているとその原因が分かったんだ…
 影だ…無数の影の腕がそこら中から湧き上がっていた。

 影の腕は何かを掴み取ろうと空中を彷徨い、
 何かに気が付いたようにこちらに伸びてきた…

 俺は恐怖にすくみ、逃げる事も出来ず、
 腕がタクシーに迫ってくるのを見ていた。

 そんな時、意識の外から、
 コンコンとタクシーの窓を叩かれた。
 叩かれた方を見ると…
 
 影に覆われた何かが居た、
 いや、チラリと見える制服と声で何とか少女だと分る。

 此処からだ… 少女を乗せて… 俺の地獄のドライブが始まったんだ」



神喰 来夢(かんじき らいむ)

 職業イラストレーター。
 ホラー系のイラストからサブカル的な萌えまで
 幅広く網羅する作風が人気。
 ただ、彼女の絵を購入した後に
 絵と一緒に自殺する事件が起こるなどしたため、
 一部オカルト界隈では『描きの魔女』と囁かれる。

 過去に『カゲクマ』と共に怪異収集に中った事も有り、
 怪異に対しての造詣も深い。

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「あら?もう26時…いけないわ、ここ数日間3時間程度しか眠れてない…
 私の絵を楽しみにしてくれているクライアントの事を考えると、
 ついつい筆が乗っちゃうのよね…

 ねぇ、アナタも早くクライアントの彼の所に行きたいんでしょ?
 いいわよ…とびっきりのおめかししてあげるから楽しみにしててね。

 彼の所に行ったらまずは何をするの?

 そう、それは素敵ね…
 でも、あまりやり過ぎないでね…

 アナタのお姉さんみたいにやり過ぎてしまうと、
 怖い『クマ』がアナタを食べにやってきてしまうから…

 ええ、そうよ…大好きな彼とずっと離れずに過ごすには、
 焦らずゆっくりと事を進める事が大切なのよ…」



鳥居之宮 徹(とりいのみや とおる)

 市内の骨董屋『九十九庵』を営む男性。
 筋骨隆々で鍛え上げた身体を見せつけるように
 店先に立つ際にはタンクトップを着用している。

 優れた目利きで骨董屋内の商品は充実しているが、
 その中には多くの曰く付きの品々である『呪具』が含まれている。

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「いらっしゃい『神喰(かんじき)さん』今日はどんなモノをお探しで?

 以前購入されていったのは『泣き叫ぶ人形の髪』でしたね…
 作品の絵の具に混ぜ込んで使ったそうですけどどうでした?

 ほうほう、そうですか、それは良かった!

 それじゃあ、今日はコイツなんてどうです?
 この九十九庵店主の私が、
 自信をもってお勧めする『呪具』
 あの『溶解殺人事件』の犯人が持っていたとされる液体です!

 成分は…まあ、調べはしませんが、
 この禍禍しい気配…お分かりになるでしょう?

 コイツを絵の具に溶かし込んで使えば…
 クハハハ、とんでもないモノが生み出されるんじゃないですかね?」



笠上 透夜(かさがみ とうや)

 スーツ姿にピシッと整えられた頭髪の紳士。
 セールスマンを自称しており、
 手に下げたビジネスバックからは様々な商品が出てくる。

 BARにもたまに売り込みに来ており、
 カゲクマに怪しげな呪具のセールス等をしている。

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「お嬢さん、どうされました?
 まだ学校が終わるには早い時間ですし、
 今日は雨も降っていないのにびしょ濡れじゃないですか?

 うーん、その様子ですといろいろな不幸に遭われている様子。

 どうでしょうか?この鈴をお嬢さんに差し上げましょう。
 この鈴は必ずアナタに降りかかる災いを退ける一助となるでしょう。

 お代は大サービスの500円です。 …いかがですか?」



五法院 元三(ごほういん もとみつ)

 バーの常連なのだが、お酒に弱く来店してから一杯目で眠ってしまう。

 自身の事を高貴な吸血鬼の血族と自称している、
 痩身で血色の悪さが目立つ金髪碧眼の青年。
 バーテンダーの『真宵』好意を寄せている。

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「今日も僕が来店したよ!マイエンジェル!!
 ああ、眩しい君の笑顔に僕は今にも灰になってしまいそうだ~~

 でも、良いんだよ…君の光に焼かれるならば僕は本望さ…

 という訳で、今日も僕の為に至高の一杯を用意してくれないか?
 熟成された芳醇な香りを感じさせてくれる深紅の雫をッ!
 さあ、注いでくれたまえ!!」



刻縄 弓香(こくじょう ゆみか)

 市内の大学に通う女子大生。
 演劇サークルに所属しており、『西月 つみき』の後輩にあたる。

 舞台で目にした『つみき』の演技に惚れ込み、
 お姉さまと呼んで慕っている。

 独占欲が強く『つみき』に対して強い執着を持つ。

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「お姉さま… 不安な気持ちも分かりますけど、
 この場所なら本当の怖いって気持ちを理解できますよ。

 映画に出てくるヒロインの様に
 恐怖で泣き叫び涙と鼻水にまみれて無様な姿を晒しても、
 その瞳の奥には反骨精神というか強い意志が垣間見える。
 
 恐怖の中に在りながらもそれに飲み込まれない強さの演技!

 お姉様なら他のヒロインよりもより素晴らしい演技ができるはずです!!

 あぁ… その為でしたら『弓香』は
 殺人鬼の役でもモンスターの役でもなんでもやって
 お姉さまを追い詰めます…

 さあ、お姉さま… 弓香と一緒に… 
 最高のヒロインを作りましょうね?」



西月 ツミキ(にしつき つみき)

 市内の大学に通う女子大生。
 演劇サークルに所属しており、
 男装の麗人から可憐な乙女までこなす演技力を持つ。

 街でナンパされて困っていたBARの従業員である
 『真宵』を助けた事をきっかけに親しくなり、
 『カゲクマ』ともかかわりを持つ事とになる。

 普段はクールな印象だが、実は怖がりで、ホラーが大の苦手。
 『カゲクマ』と関わった事で様々な体験をする事となってしまう。

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「ちょっと待ってくれ… 私は怖い物が得意ではない!
 いや、正直大っ嫌いだ!!

 今回のヒロインの役作りの為に
 今まで我慢してホラー映画とかは見てきたが、
 実際の心霊スポットに行くなんて絶対無理だ!!

 この廃病院… 霊感の無い私でも鳥肌がッ… 
 ここは本当にやばいと私の本能が訴えている。

 『弓香ちゃん』本当に行かないと駄目なのか?」



語辺 勇吾(かたりべ ゆうご)

 市内の高校に通う男子高生。

 怪談師を目指して修行しており、危ない噂話を調べたり、
 心霊スポットを巡ったりと精力的に活動していた。

 だが、ある夜に怪異に巻き込まれ、
 右目の視力を失う重傷を負う事になってしまう。

 その後、危ない物には近づかない様に過ごしていた勇吾だったが、
 見えないはずの右目には、
 この世の物とは違うモノが見えるようになっていく。

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「やべぇ…  影だ!影が形をもって襲ってきやがる。
 こりゃ、俺みたいな駆け出しがどうにかできるモノじゃねー!

 俺の右目で見えたのは、無数の手を生やした恨めしそうな女の顔だ…

 しかもその女、俺の高校の制服を着てやがった。
 つー事は、この事件を引き起こしてんのは
 俺の学校の生徒だって事かよ!?

 あー しくじった、
 また妙な事に首を突っ込んじまったぜちくしょー!!」



堅城 知己(けんじょう ともみ)

 作務衣姿に木刀を携えた少し時代錯誤な雰囲気を纏った男。
 バーで酒は頼まず、つまみのスルメ等をオーダーして
 もくもくと食べている。

 他の常連客との接点はあまり無く、
 店に来る客をじっと観察している事が有り、
 女性陣からは少し引かれている。

 眼力が強く、初対面の人から威圧感が強いと言われてしまう事を
 少し気にしている。

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「ふー 今日も収穫は無しか…
 あの怪異の情報がの集まるバーに入る事が出来たのは僥倖だが、
 ここ3カ月調べても奴の情報は皆無だ…

 店長や他の連中を観察すると悪い奴では無さそうだし、
 こちらの情報を話して協力してもらうのも一つの手だが…

 『身内の敵(カタキ)を探している』なんて穏やかじゃないよな… 

 少なくともあの場所は、
 そんな血なまぐさい空気をまき散らして良い場所じゃ無い…
 
 って、たるんでるぞ俺!しっかりしろ!!
 待ってろよ『ユキ』兄ちゃんが必ずお前の敵をとるからな」



四季折 暦(しきおり こよみ)

 『こよみん☆』の愛称でライトノベル系の小説家を生業としている。
 好奇心旺盛で一度疑問に思った事が有ると調べずにはいられない。

 とある超常現象に巻き込まれた際に、
 カゲクマに助けられた過去を持つ。

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「ああ…だめ…駄目よ!

 あの日からアナタの事が忘れられないの…
 こんなんじゃ、渋谷交差点でバックドロップ(10巻)の
 執筆が出来ないわ!!

 どうしましょう…
 今までは2次元のイケメンを妄想して
 小説に書き起こして満足していたのに、
 あの日以来妄想内のイケメンに全く魅力を感じなくなっちゃったのよね…

 私が命を失いそうになったあの時…
 颯爽と駆け付け私を優しく抱きとめてくれた…

 ハァ… 店長… 私…
 アナタに恋しちゃったかも…」



坂ノ上 睦(さかのうえ むつみ)

B ARにお酒を卸す酒屋『坂ノ上酒店』の娘。

 酒屋の娘で有りながら拝み屋もしている。
 たまにカゲクマからの仕事も受けており、
 怪異譚の収集に大いに貢献している。

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「たくっ、厄介な依頼もってきやがってあのクマ…
 廃病院に居る奴らを適当に~って、
 2、3体ならまだしも10体以上の団体さんじゃねーか!
 こんなもん酒屋の娘に頼む祓いの仕事じゃねーぞ!!

 お得意さんじゃなきゃキツイのかましてやってる所だが、
 来月の発注2倍の条件だしな… 

 しゃーね~~ 一丁やるかぁ」



凪村 葵(なぎむら あおい)

 市内のスイミングスクールでインストラクターを務めている女性。
 教え方が上手く、厳しくも優しい指導に熱心な姿勢が
 高く評価されている。

 水中で呼吸を止めた状態で5分程度潜っている事が出来る特技つ。

 ある日、葵は自分の指先に鱗の様な物が出来ている事に気が付く…
 その日から潜水していられる時間はさらに伸び、
 一日中プールに浸るような生活をするようになっていく。

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「私は…水が好き…
 潜っている時に見える水中の世界は凄くキラキラしてる。

 このまま溶けて消えてしまったも良い…
 水に溶けた私はどこまでもどこまでも広がって行ける気がする。

 ん?…これは…声…?

 遠くから私を呼んでる…声が聞こえる…
 何人も何人も重なり合った声…
 これは海かな?海から私を呼んでるんだ…

 私…帰らなくちゃ… 」



冬波 白(とうなみ はく)

 市内で目撃される白髪に赤色の目をした綺麗な顔立ちの少年。
 一人で居る事が多く、夜中でも街に居る事があるので
 不思議な少年として噂されている。

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「ねえ、お兄さん…それ以上はいけないよ?
 それ以上女の人を騙して怨みを買ったりしたら…

 お兄さん…死ぬよりつらい目に遭うよ?

 これは嘘でも何でもない…
 今もお兄さんの周りの人たちが言ってる…

 へぇ、お兄さん…ユウジさんって言うんだね。

 ミサキさんっていうお姉さんが
 「嘘つきだ」って言って凄く怒ってるよ…?

 あははは、そんなに怯えないでよ…
 僕はお兄さんの事が心配で言ってるんだよ?

 だからさ、これ以上は…  駄目だよ?」



葦ノ部 昏(あしのべ こん)

 市外の事故が多発している峠で逢魔が時になると見かける和装の少年。

 頭には犬の面をかけており、
 通り過ぎる車や峠からの景色をぼーっと眺めているのが目撃されている。

セリフ_0001

「僕のご主人様はここで僕を置いて行った…
 それは覚えているんだけど、何で僕はここに居続けているんだろう?

 寂しいな…
 誰か迎えに来てくれないかな?

 あっ、向こうから赤い車が走ってくる!?

 もしかしてご主人様の車かも?
 あっ、待って!置いてかないで!!

 うぅ…どうしてェ?

 ドウシテェぇええ置いてぇいくのぉお!?
 ネェエエエー マッテヨォオオ!!」



石乃神 静(いしのがみ しずか)

 市内に有る図書館で司書を務めるお姉さん。
 物静かだが、仕事が出来皆から頼りにされている。

 本を愛しており、図書館という場所にも強い思い入れを持っている為、
 図書館内のルールを破る利用者達に激しい怒りを感じている。

セリフ_0001

「ああ、また今日もうるさいガキが私の聖域に踏み込んできた…
 バラバラと本を棚から落とし、無遠慮に走り回っている。

 親は何をしているのかと視線を向ければ、
 子供を放置して井戸端会議の真っ最中だ…

 はぁ、仕方が無い…
 この場所を守る為のルールを破ったのは向こうだ。
 あの子供の顔は覚えている…
 最近越してきた『杉山 武』だ… 利用規約にもサインが有る。

 サインが有るなら規約は守るべきよね?

 『杉山 武』…図書館の利用規約違反により…
 退館を命ずる。

 これでいい…何が起こるかまでは分からないけど、
 もうしばらくすれば図書館は静かになる…

 図書館のルールに違反した者を罰する…いわばルールブック。
 露天商から買ったこの本は素晴らしいわね」



天野塚 結花(あまのづか ゆか)

 ラジオ番組【アマユカナイト】のパーソナリティーを務めている女性。
 感情豊かな表情が目に浮かぶような声と、テンポの良い番組進行が人気。
 とある放送での怪事件をきっかけにBARに来る事となる。

セリフ_0001

「さーて、お次は『ユカを誘って』のコーナーです。
 このコーナーはリスナーさんから投稿いただいた
 ユカと行きたいお勧めスポットを紹介していきます!

 では、まず一通目~ 『オーボレロ』さんから頂きました。

 ≪ユカちゃんこんばんわ!≫ 

 はい、こんばんわ!!

 ≪私が今日ユカちゃんにお勧めするのは…深い池です≫

 えっ?…深い池? あー 池いいですよね!
 水鳥とか見て癒されますよね。

 ≪深ければ深いほど一緒に沈める…≫

 えっ、えっと…こういうのは感心しません!!
 皆が楽しいと思える場所を紹介してくださいね。

 さて… 気をとり直し…

 ≪海も良い… ネェ… ユカァアアア≫

 ちょっ、何?何なの!?私読んでない!!

 ≪深い フカィぃい ミズノ底へ…いぃいしょニィイイ≫ 

 嫌ッーーー!! 止めてッ!!!」


掛け合いセリフ 

カゲクマ&四方リツコ_0001

「んで、今日はどうしたんだ?何かいいネタでも持って来てくれたのか?」

「んーネタねぇ~ 有るには有るけど…」

「マジか!?どんなネタなんだよ?」

「・・・・」

「ん?どうした!?」

「一番高いヤツを一杯」

「はぁ?」

「情報料よ、じょ、う、ほ、う、りょ、う!」

「えー サービスしてくれよ~~」

「クマちゃん、私は客よ? 
 この店に日々の疲れを癒すべく飲みに来てるの。
 それを何?無遠慮に仕事のネタ出せーって、客商売舐めてるの?」

「きゅ~ん」

「くッ… 可愛い子ぶってもダメ!!」

「チッ、しょうがねー この店の最高のヤツ…出してやるよ」

「ふふふ、それでいいのよ~ このスーパージャーナリスト
 四方リツコ(よもかた りつこ)のネタを聞けるなら安いもんよ?」



カゲクマ&四方リツコ_0002

「へいへい、んで…肝心のネタは?」

「連続溺死事件…5件…それも全員水の無い場所で死んでるの…」

「へー 奇妙は奇妙だが、何で連続なんだ?」

「それがね…事件には全て目撃者が居て… 
 死んだ人は影の中で溺れて死んだんだって証言してるの…」

「ほほ~ 影ねぇ~」

「ふふふ、ねぇ~ 興味出て来るでしょ?」



牧島&墓守_0001

「よう、墓守!」

「ああ、牧島の旦那… 例の件調べが付きましたよ」

「マジか!?助かるぜ~ っても、依頼してまだ2日だぜ!?」

「まあ、新しく出来た友達が教えてくれましてね」

「そうか、お前とウチに運ばれてきた仏さんを引き合わせて正解だったな」

「ええ… 最初は恐怖に怒りとでひどく混乱してて、
 なだめるのに苦労しましたが…って、まあ、それはおいておきましょう」

「おう、それで?」

「この件の首謀者は市内の高校に通う女子生徒…『山岸 採花』です。
 山岸はクラスで虐めに遭っていたようですね」

「でっ、呪いに手を出したと…」

「まあ、そうなんですがね…
 でも、この呪いは自前の物じゃありませんね…」

「つーことは、『笠上 透夜』か…
 あの野郎誰にでも売りつけやがるからな」

「ええ…おそらくは…」

「まあ、やる事は変わらねーがな」

「ですね… 『山岸』は今はタクシーで移動中のようです」

「よし!んじゃ行くか」



墓守&四方_0001

「よお、墓守。まだ生きてたか、そろそろ墓に入る側になれよ」

「へっ、相変わらずの挨拶だな四方…」

「ふん、私はアンタの事嫌いだからね…」

「へいへい、俺も嫌いだからちょうどいいってもんだ」

「…でも、この挨拶は嫌いじゃない」

「あのな…四方… 毎度毎度遠回しに『死ね』と言われる
 俺の気持ちを考えろよ」

「アンタは別に気にしないでしょ?」

「‥‥まあ」

「んっ」

「なんだよ?」

「乾杯」

「・・・ああ」

「・・・死ぬなよ墓守」

「当たり前だ…
 四方… 俺はお前の事が嫌いだからよ…
 俺の墓に入ってくんなよ?」

「ふん、『当たり前だ…』だよ」








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