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【カゲクマ店長の怪談】002_耳元で

去年の夏くらいに体験した話なのですが…

私は就寝前にユーチューブ等で怪談朗読を聞いて寝るのを
習慣にしていました。

お気に入りの配信者さんの朗読やゆっくり朗読なんかを聞きながら
布団に入ると凄く寝つきが良いんです。

その日も私はお気に入りの怪談を流して眠りについたのですが、
深夜・・・ 何時かわ分からないんですが、
私の足元というか、周りに人の気配を感じて目が覚めたんです。

ボソボソボソ とよく聞こえないのですが、何かをしゃべっている様です。

なんだ?と思い体を起こそうとしますが、
金縛りで体を動かすことはできませんでした。

うわぁ・・・ やだなぁ…と思っていると…

ゾロリ・・・ ゾロリと足元にいるであろう気配が近づいてきます。

私は恐る恐る気配の方へ視線を向けると…

そこには真っ黒い人型がゆらゆらと蠢いていました。

人型はそのままゆらりゆらりとこちらにちかづき、
寝ている私に覆いかぶさってきました。

私の顔にぐぐぐと目も鼻も口すらも無い顔を近づけてき、
耳元で喋り始めました。

「私が…死んだのは…交通事故なの…」

ぎょっとしていると周りの気配も私を取り囲み

「私は転落…で」「俺は首を吊ったんだ」「俺は」「私は」

人影は次々に私に自分が死んだときの状況を説明し始めたのです

うわぁ・・・ 
その時の私はこの状況から脱しようと夢中でもがこうとするのですが、
目以外の身体は動きません・・・ 

止めて‥‥止めて・・・止めて・・・
とギュッと目を閉じて心の中で念じ続けました。

どれくらい時間が経ったでしょうか?

いつのまにか‥‥ ざわざわとした人の気配消え、
耳元で囁く声も止んでいました。

目を開け開け体を起こし部屋の中を確認しましたが、
特に変わったところは無く…ほっと胸をなでおろしました。

その日から怪談を聞きながら眠る事は出来なくなりました。

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