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気管に酒が入って息が苦しくなると気づく人生
毎日毎日くだらないこの日常をごまかすために、自分はいつも焼酎を飲んでいる。酒の味がそこまで好きじゃないので、いつもコーラとかで割って飲む。
酒を飲む前でも、飲んだあとでも、ふとした瞬間にネガティブが始まる。
あの人は自分のことを嫌ってて、自分をこのバイト先から追い出そうとしている。あの人がこの作業を手伝ってくれなかったのは、自分のことが嫌いだからだ。あの人があの作業をわざと遅らせたのは嫌がらせだ。
あの人が、あの人が、あの人が。
いつもいつもひとしきり考えては、これはどうしようもないことだ、しょうがないと割り切るように考える。
簡単に割り切れないから、酒に頼る。
酒に頼って、考えないようにして、youtubeなどで動画を見る。
ああくだらない。こんなくだらない人生があと何十年と続く。
降りたくても降りられないゲームを延々と。
そうすると大学の頃、駅のホームを思い出す。本厚木だったか、海老名だったか。あやふやだけど、そのときはどうしても辛かったんだ。なんとなく、そんな気に当てられたことがある。それを思い出す。もちろん、ひとおもいにいかなかったから、今がある。
そうやって思考に集中していると、ふと息を飲み込んだ時に、酒が気管に入る。
勢いよく咳き込む。息を吸おうと思っても、うまく吸い込めなくて、数秒間、体感時間ではすごく長く、息ができない。
ボロボロと涙を落とす頃には、息が吸えるようになってきて、そうしてやっと思う。
体はなぜ、こんなにも生きたがる。
もちろん体の反応に過ぎないのだけど、でも、息ができた自分に安堵している。ついさっきの悩みなんて考える暇もないくらい、今に集中して、思考はクリアになる。引き戻される。
そして、またしょうがないと自分に言い聞かせながら、眠りにつく。
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