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ハロウィーンのカボチャ

ハロウィーンのお祭りは、アイルランドの古代ケルト人が冬の訪れを前にして先祖霊を迎える行事だったという。先祖霊への崇拝と畏怖の念を持って、美味しい食べ物を供えて魂を迎えた。日本の先祖霊や歳神様を迎えるお盆や正月の行事に似ている。祖先崇拝は人類共通のもののようだ。

ハロウィーンに欠かせないのがジャック・オー・ランタンに使われるカボチャである。

そのカボチャは、トマト、ジャガイモ、唐辛子、トウモロコシ等とともに、食卓には欠かせない野菜だが、これらは全て中南米を起源としている。大航海時代にヨーロッパにもたらされたもので、中世以前にはヨーロッパにはなかった。今では、トマトはイタリアンには欠かせない。トマトがないイタリア料理は想像がつかない。同じように唐辛子がない時代のインド料理、四川料理、韓国のキムチも想像が難しい。それでは、古代中世のヨーロッパ人は何を食べていたのだろう。想像すれば、中世以前のヨーロッパ人の食卓は、パン、酢キャベツ、塩漬け肉、エンドウ豆、蕪、乳製品、ワインといったものだろうか。ハロウィーンには、カボチャがない時代は蕪が使われていたそうだ。

中南米大陸の豊富な栽培植物が大航海時代にヨーロッパにもたらされ、やがて世界の食卓を変えてしまった。ちなみに、唐茄子といわれるカボチャ(南瓜)は、ポルトガル人によって日本にもたらされ、その名称はカンボジアから来ているとの説がある。

今では、古代ケルトの祭りが中南米起源のカボチャと結びついて、黄褐色のデザインが街をにぎわせている。



      



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