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カツオのたたきと刺し身

世の中には考えても分からないことがある。カツオのたたきもそのひとつだ。

何故、生の刺し身をわざわざ炙るのだろう。カツオは生でそのまま美味しい。不思議だ。

たたきの起源には諸説あるようだ。
・友人からカツオは虫がつきやすいと聞いたことがある。寄生虫を殺すために炙るは、一理ある。品質の落ちたものを炙るも考えられるが、如何。
アニサキスのような内臓に寄生するものには炙りでは対処できない。最近は冷凍技術が発達していて、アニサキスは冷凍下―20℃で死んでしまう。殺虫の必要性は低い。
・炙ると旨味が増す説。
最近の寿司には、炙りものという新しいジャンルがある。カツオのたたきも炙ると旨味が出るのだろうか。

前者はネガティブ説で、後者はポジティブ説である。たたきと生カツオとどちらが好きかと言えば、生カツオだ。冊のたたきを買ってきて家でカットすると、どうしても炙った部分がポロポロと崩れてくる。炙り過ぎているのか、どうもいただけない。

では、本場の土佐のたたきはどうなのだろう。
昔、赤坂の土佐祢保希(ねぼけ)で食べたカツオのたたきは美味しかった。炙った焼き目は薄くて食べやすい。そんな記憶がある。

土佐料理のサイトを見たら、炭火で焼いたカツオは、「皮目はパリッと香ばしく、中は極上レアの絶妙な仕上がり」とある。炙るとカツオの旨味が引き出されるから、廃れずに継承されている。伝統料理には、それなりの理由があるようだ。

自分ながらの結論
・本場のカツオのたたきは美味しい。
・焼きすぎた炙りの部分が厚いたたきは、皮がボロボロ崩れて美味しくない。
・生のカツオの刺し身はやはり美味しい。 
結局、本場料理はなかなか食べられないから、普通のカツオの刺し身ということになりそうだ。

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