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母の短歌 柏の斎藤牧場

 住宅の迫れる中の牧場で
 牛はのどかに今日も生きゐる

柏市加賀の西側に、かつて斎藤牧場という牧場があった。遊びに行くと柵越しに牛が顔を出し、道端に生えている草をあげると食べていた。畑には大きなトウモロコシが実った。牛の飼料にするという。牧場のあちこちで、かつて田園地帯に必ずあった肥溜めの匂いがした。秋に西風が吹くようになると住宅の方にその匂いが伝わって来た。

どういういきさつがあったのか、牧場は成田の方に移り、その跡は防災公園として整備された。牧場の正門だったあたりには動物病院だけが残っている。昭和50年代には、のどかな田園風景が広がっていた。そんな風景を母は短歌にして残してくれた。

2022.12.15

往時の斎藤牧場
父の筆になる母の短歌

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