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koukichi_t
平成という時代の印象
平成を振り返れば、のっぺりとした印象しかない。経済は低調で、これと言った印象に残る明るい出来事がない。平成は人生の活動期に当っていたが、こうも平明だと自分の人生も薄っぺらなものだったと思えてくる。それは、平成がバブル崩壊に続く「失われた十年」といわれた停滞期に始まるからだろうか。労働者派遣法という法律がつくられて、雇用形態が次第に変わっていった時代だったからだろうか。政府の将来人口予想が示していた少子高齢化社会が眼の前に迫っていて、未来の停滞が明らかだったからだろうか。
しかし、生活をみれば、昭和の生活と比べて大きく変わった。昭和の頃は、パソコンもインターネットもなかった。平成に入り、情報技術は発達し、今ではほとんどの人が携帯電話を持ち、膨大な情報から知りたい情報を探すことができる。通信手段は進歩して、通信生活は大きく変わった。
忘れていけない災害があった。平成時代に阪神大震災と東日本大震災という大きな災害に見舞われた。サリン事件もあった。そして冷戦が終わり、却って世界は混とんとした無秩序に陥っている。平成の時代は、あっという間に過ぎたように思えても、やはり三十年である。その間、いろいろなことがあった。それでも平坦に思えるのは、私の頭の整理が悪いからとばかりも言えない。経済成長が停滞し、所得格差が大きくなり、夢に乏しい時代になったからだろうか。成長というビジョンに変わるものがない単に平穏な時代だったからだろうか。やはり平成時代は、ぼんやりとしたのっぺらな印象しかない。
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