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マフラーを使わなくなったという感想

マフラーを最近使わなくなった。押入れには、使わないマフラーがこんなにある。それには、いろいろ理由があるのだろうが、やはり温かくて軽いダウンコートを着るようになったからだろう。雪国ではないので、ダウンだけで冬は過ごせる。肌をさす寒い日には、襟を立てればマフラーのように温かい。

「マフラーの使い方は他にないかな、帽子にならないか」と言うと、妻が大きいマフラーを出してきて、頭に被って、ちょっと得意顔になる。マフラーというより肩掛けなのか、とにかく大きい。やはり、普通のマフラーは首巻き以外には使えないのだろう。

昔の人は、ふきんをいろいろに使った。手ぬぐいだけでなく、蒸した野菜を絞ったりと料理にも使っていた。頭巾にして鼻下で結ぶとネズミ小僧になる。割烹着を来て、炊事をする時に、母が頭に被っていた。ちょうど花嫁の角隠しのようだった。ふきんの被り方により様々な人に扮する芸をやる落語家がいた。

ひとつのものを多様に使うのは、江戸文化の特色だと思える。ふきんだけでなく、風呂敷もそのひとつで、包み方を知れば、多種類の物を包むことができる。これで一升瓶やスイカも包める。ショルダーバッグの形にもなる。

多様な使い方をするのは、物を大事にする江戸文化の特色だと思える。今は、マフラーを首に巻かなくなると不用品になる。多様な使用ができる物がないのは、現代社会の特色だろうと結論づけようとしたら、スマホに気づいた。スマホは、現代のふきん、風呂敷だ。電話、カメラ、メモ帳、地図、歩数計などと多様に使っている。


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