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手術の記憶

今日、咳が出るのでマスクをしてベッドに仰向けになっていたら、今年の2月に心臓を手術した後に入ったHCU室と似ていた。目を閉じるとそこはHCU室だった。

2020年2月13日、麻酔が解けた私が口に付けていたのは酸素マスクだった。とても小さくてほっぺが痛くなった。送られてくる酸素は冷たくて、マスクと鼻の間から漏れる酸素が目に入って乾いた。

右手には血中酸素濃度を測る機械を付けて、左手はというと、手の甲と手首に点滴が付けられていた。

足に関しては、動かしてはいけないと強く言われていたので、私は全身が動かせないまま6時間は仰向けに眠っていた。

今日、私はまたHCU室にいるような夢心地だ。喉の調子を気にして付けているのは「ぬれマスク」というもので、なんとなくひんやりしていて冷たい。鼻から入る空気が冷たい。酸素マスクのようだ。

左隣には両親が椅子に座っているが話しかけられる体力は無く、麻酔も効いているので浅い眠りを繰り返している。カーテンを挟んで隣にいるおばあちゃんは元気だろうか。その奥にも患者さんはいるのだろうか。(次の日になって車椅子を引きながら見たが、居なかった)

今は果たして何時なのだろう。喉が渇いた、ナースコールを押して私よりも年上のお姉さんに介護のようなことをさせながら時間を聞いてみよう。本当に申し訳ない、私よりも年上の人にこのようなことをさせてしまうなんて。

そのまま私は眠った。この体調を取り戻すかのようにゆっくり浅く眠った。

次の日になって、私よりも年上の看護師さん2人係で体を拭いてもらったが、それは本当にまあさっぱりして気持ちよかったです。汗をかいてしまった皮膚も全部綺麗になったような心地で、嬉しかったです。

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