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プロレスラーコスプレ事始め

先日、いつも視聴させて頂いてるJスポさんにお声がけ頂きまして、WWEJapanの事務所でWWE見せどころトークという番組?動画に出演してきました!

緊張しぃなので、途中しどろもどろにもなりましたが司会の鈴木健さんにだいぶ引っ張って頂いてなんとか凌ぎましたw

途中ね、サミの人形のせいで腕がダルくなってきて気が抜けてましたw

俺いつも天皇陛下たちすごいなーって思うのが、ずーっとニコニコしながらずーっと同じリズムで手をお振りになられあそばされるでしょ。あれ、トレーニングしてるらしいけど、皇族の右腕バッキバキであらせられるんじゃないかと。敬語むずかし。

カットされた部分も多々あるのですが、もっと話したかったこともあったなぁと思い、ちょっとプロレスラー中邑真輔のコスプレをしていることについて書いて見ようかなと。

■コスプレとは

いきなりめんどくさい見出しをつけてしまいましたが、コスプレ業界ってTwitterで度々揉め事が起きるくらい面倒だなって思うことがあります。

「好きなキャラクターになりきる」

その1点が原点であり全てだと思うのですが、人前に出る以上、それは社会においてそれなりに「モラル」が要求され、それが理解できない人のために「ルール」がご用意されるのが日本社会の常道でして。

で、コミケとかのイベントって数々の「やらかしレイヤー」とその苦情のためにそのたびに色んなルールが作られてきたんですね。大変だな運営さんwって感じですが、その「ルール」が「コスプレイヤーとしての常識」みたいな行き過ぎたエゴみたいなものを抱えた方がいらっしゃるんで、関係ないとこで噛み付くなよコラみたいなことが起きるという。

脱線した。

まあ、普通のファッションとは違うことをするので、まずはめんどくさいこともありますよってことで。(原宿のモード系みたいなのの方がよほど奇抜だと思う場合もあるんだけどw)

■自己紹介的な

WWE見どころトークでも、私、加賀邑津輔がなぜコスプレを始めたのか聞かれたんですが、

流れ?

みたいな。

よく言われるのが「似てるからコスプレしてるのか?」と。

まあそうなんだけど、質問者の意図は「別に好きなんじゃなくて似てるから?」なのかなっていう下種の勘繰りを感じてしまうから、大人の礼儀を弁えて欲しいなとは正直思いますw

冒頭に書いた通りコスプレっていうのは「好きなキャラクターになりきる」なんで。

好きだからやってんですよ。

聞くだけ野暮でしょそれw

似てる分”楽できる”ってのはありますが、好きな選手に似てるからラッキー!って話なので。

さて、

多分、俺のコスプレの起源は小学校の頃にパーマンなりきりセット買ってもらったやつなんですが(ヘルメットに目が描いてあって、実際の目のとこまで被れないじゃんか!って不満ぶーぶーだった)、次は大人になってSlipknotってバンドのライブ行ったやつですかね。

私、ヘビーメタル好きでして。

ヘッドバンガーでして。

そもそもメタルの界隈ってTシャツがダサ…毒々しかったり、鋲付き革ジャン着てる人いたり、ワッペンだらけのデニムベスト着てたり、弾丸ベルト巻いてたり、タトゥー入ってたりとライブの時のおめかしが独特の世界なので、もうある意味コスプレなんですよね。バンドへの愛を服装で表現してるわけなので。

で、Slipknotっていうのは9人のメンバー全員がマスクを被っているという仮装集団で(WWEのワイアットさんが最近被ってるのめちゃくちゃSlipknotぽいすよね)、客もそのマスク被ってお揃いのツナギを着るんです。

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右ですw左は外国人のおっちゃんがホォオオマァアアのマスク悪ノリで被ってます。

まあこんな感じで外国人とも打ち解けられるのがコスプレのいいとこでして、イギリス行った時も最高に楽しかったです。あっちでは着物着て刀のおもちゃ振り回すとバカ受けでしたが。

ちなみにライブとかフェスでコスプレする時って前述のめんどくさい「ルール」なるものは存在しません。イベント側が何も規制してないんだから。普通の常識の範囲内で迷惑かけないっていう普通の格好の人と同じルールの中で息ができますw

というわけで無事?コスプレというものにハマった時、世はちょうどアメコミスーパーヒーロー映画ブームに突入しまして、当然のごとく「俺もヒーローになりたい!」ってなって色んな映画のキャラクターのコスプレしてイベントに行ったりするようになりました。

あんまりクオリティにこだわってなかったんで仮装って感じですが。

■偽中邑真輔誕生

更にその頃、美容師さんに「イメチェンしたい」と言い出したおっさんに対して女性の美容師さんだったんですけど「伸ばします?」って言われました。短かったんですね、当時は。ソフモヒみたいな感じで。ちなみに美容師さんはプロレス一切興味なしです。

なのに、なぜか徐々に右に流す髪型にされていまして。気がついたらプロレス会場で隣の知らないおじさんと「中邑最高でしたねーw」とか意気投合してる時に「似てますね?」って言われ出して、なわけないわwと流してたけど、まあ悪い気はしませんでした。

で、ちょうどメタルのライブ行くときに革のコテみたいの作りたい!ってなってて。リストバンドじゃなくてコテ!Amon Amarthみたいなやつ!って。

で、レザークラフトみたいなこと始めてたので、中邑っぽいリストバンドを革で作って着けて会場行ったらちょっとウケちゃって。

その頃ちょうど退団されたんですよねー。だから、その頃は髪は長いけど別に意識して中邑っぽくはしてませんでしたね。たぶんw

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赤入れてたりしてて自分的にはメタラーとしてのロン毛だったんですよ、たしか。

ただ、それでもやっぱりプロレス会場行った時の周りの反応が良かったのは感じてました、はい。

で、NXTでSHINSUKE NAKAMURAとして登場した時の赤い革ジャンがかっこええ!ってなって、勢いでコスプレ衣装屋さんに発注してみたら存外高クオリティで作ってくれまして。

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調子こいてベルトまで用意してますねw我ながら勢いすごいなw

ただ中邑選手がWWEに行って最初のWWE日本公演では正直、古くからのWWEファンからの新日アレルギーみたいのも凄かったと記憶してます。

新日ファン(の一部)は中邑ロスを起こしてて、「WWEのこと全然わかんないけど真様みるためだけに!」とか言ってたからどっちもどっちですけどね。

「中邑選手だけ目当ての新日ファンがいてうざかった」みたいのめっちゃ見ました。ジョーへの応援が一際凄かったのもそのせいだったと思います。

まあ俺はそんなものどこ吹く風とばかりの↑のような調子ぶっこきまくった格好で堂々と乗り込んでましたがw

しかもこのとき、日本公演でサモア・ジョー倒して戴冠しましたからね。激アツでしたよ。

とまあ、こんな感じで偽中邑真輔は、完成?したのです。

■承認欲求の甘い罠

ちなみにこの衣装とベルトは翌年、奇跡を呼んでくれましたw

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翌年のWWE日本公演でフィン・ベイラーことデヴィちゃんのトーク・サイン会があったんですが、すげぇ喜んでくれて集合写真撮った後に自分のスマホで一緒に撮ったりしてくれまして

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ベイラーさんはこの時の来日で他の新日本の選手とも食事して写真撮ってて、それに中邑選手本人が「ずるい」ってリプしてて、俺との写真にはこれですw最高ですwありがとうございますw

とまあ、こうなると承認欲求の満たされ具合がとんでもないわけですよ。


コスプレをする理由の一つは、なんども書いてますが、その対象への愛です。

もう一つは人間のもう四大欲求と言っていいんではないかと最近思っている「承認欲求」でして。

「他者から認められたい、それによって自分の存在価値を感じたい」というもので本来は、会社やスポーツのチームでの貢献を評価されることなんですが、コスプレというものは、そのコスプレのクオリティとかへの評価と同時に虚像のくせに本物への評価もある程度得られるんですね。

それによって脳内のなんか物質がアレしちゃうんでしょうね。だからみんなコスプレやるとハマるんですよ。

まあ、そんなわけなので俺も自分では「足も短いし、ヒゲも濃くないし、目もちょっと違うし、足も短いし、筋肉も足りないし、足も短いしどこが似てるんだか」と思いながらも喜んで貰えたり笑って頂けるんで、そりゃ

調子乗りますよ

人間だもの

更にファンだけならず、本物の友人でもあり、自分が好きなレスラーの一人を喜ばせて、なおかつ本物の「認知」も得たというw

そりゃ

調子乗りますよ

でもね、

常々、自分を戒めております。

自分でもいまだに「そんなに似てっかなぁ?」って思ってるのもあるんですが、あくまで皆んなは「俺というフィルター」を通して本物を観てるわけで

「かっこいい」とか、なんなら「ファビュラス」って言われたりしても、それは本物への評価であってね、俺に対しての評価は「似てる」くらいのもんだと。

そうしないと、自分が他社の姿を「借りている」ってことを忘れて、コスプレの原点である「好き」が二の次になることがあったりなかったりするわけです、この世界は。

具体的な例を言うと、俺が中邑真輔ファンの女の子に手を出したらもうアウトもいいとこですよ。キンシャサですよ。

だから、まあほどほどに承認欲求が満たされればラッキーということで。

むしろ、俺を観る人の中邑ロスが1ミリでも解消されることの方が世のためになっていいよねっていう。

そう、コスプレの大事なことのもうひとつは「自分より他人を楽しませる」だと思うんですよ。結果的に自分も楽しめますし。

■衣装について

コスプレをしているとよく聞かれるのが「それ作ったんですか?」っていう。まあ、その人がコスプレをしたいんならいいんですけど、そうでもない人が聞くのはなんの意味があるんだろう?って時々思ったりしますが。

いや、まあコスプレにおいて衣装のクオリティを評価されるってことは大事であったりもするんですが、俺が作ったわけじゃないしw

プロレス会場において俺がしたい話はプロレスの話なんで

コスプレの話なんかどうでもいいんですよw

だからここに書いておくからね

最初のNXT版の赤いジャケットと、その後の黒い袖なし鋲だらけ、あとSD上がってからのストライプ状のやつは、それぞれ別の業者に頼みました。

その間に新日本でも俺が大好きな2015年の1・4の飯伏戦の時に着ていた王様のやつの王冠は自分で作ったんですけど、ジャケットとマントをなんとうちのお袋が夜なべしてこさえてくれまして。裁縫上手なんです。趣味と昔仕事でもやってたので。

ただストライプ状のやつは面倒くさそうだし無理って言われたんで地元の業者に以来しました。近くだったから採寸とか面と向かって話せたのがよかったっす。赤いジャケットは中国だったから一か八かみたいなとこあったんですがw

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ストライプの袖なしver。ちなみにWWE日本公演では、コスプレの人のとこにスーパースターが来てくれますよ。ミャーオ。

業者さんがプロレス好きで話が早かったですね。そこで聞いたのが「アニメは実際の生地に落とし込むのが難しいけど、実在するものはその分楽w」って言われました。

それから新日でインパクト大だった忍者のやつをお袋が「こっちの方が簡単そう」などとほざ…おっしゃるので作ってもらいました。アメリカでバカウケでした。

で、最近の前身タイツ型の黒と赤のやつもお袋が作ったんですが、さすがにWMでご本人に「お母さん仕事早いなw」って褒めて頂けました。

なので最近のはほぼ母親作です。そっくりと言われる顔もある意味、母親作です。

うちの母は今や中邑真輔の偽物全体を制作した唯一の人間と言えるでしょうw

■他のキャラクターとプロレスラーコスプレの違い

映画やゲームの実在しないキャラクターとプロレスラーという実在する人のコスプレをすると、ちょっと違う部分をたまに感じます。

実在しないキャラクターっていうのは本物には会えないんですよね。まあ映画だと俳優さんには会えますけど、それってスクリーンで見たキャラクターではないわけで。

でもプロレスラーってまあプライベートであったりWWEだとイベントではヒールでも良い人ですけど、やっぱり試合を観戦すれば生で「本物」を観れる存在なんですよね。

存在としての距離が近いというか。

なので、俺がコスプレして街にいると「いるかもしれない本物」を思わせることがあるわけで。

でもこれは、コスプレというより「そっくりさん」の括りになるのかな?

例えば俺は映画だとスターウォーズ・ローグワンのベイズをやると「本物そのまんま!」って有難いお言葉を頂けるんですが、俺が街でまあ服はともかく髪型をベイズにしてたって「チアン・ウェンさんですか?」とはならないわけで。

だから新日本の会場でだっているわけがないんですけど、何か普通のコスプレとは違うリアクションを頂くことがあって面白いなぁとw

■コスプレしようぜ!

ようやく書きたい本題なのですが、よく俺と話してて「やってみたいけど私なんか…」みたいな方がいるんですが、俺はたまたま顔が似てる人と好きなプロレスラーが同じだっただけです。

大事なことは「好きなキャラクターになる」ことであって、たしかにクオリティの高さは大事かもしれないけど、顔が似てるかどうかでやる人は基本的にはいないんですよ。

これを俺が言うからおかしな話なだけでw

○○に似てるからコスプレしてみたら?って言われても、当人がその対象を好きじゃなかったら、きっと完成度は低いですよ。見た目は似てても化けの皮って感じがどうしてもするんで。

それよりも好き!って人がやると、見た人は「俺も好き!」って顔で笑ってくれるんですよ。たぶん。いやほんとに。

ガッチガチのコスプレイヤーの世界だと綺麗に写真撮って〜なんてことが大事になったりするわけですけど、スタジオでもイベントでもないプロレス会場のコスプレの大事なとこって写真撮ることじゃないんですよ。

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いや、まあ写真は撮るんですが、写真そのものじゃなくてそこでの会話みたいのが大事っていうね。この時は行列ができちゃったんで(やべぇSNSで叩かれて炎上しちゃう!)って思ってそこそこにして逃げましたw

目があった人が笑う。それだけでお互いボロ儲けじゃないですかね。

あと、プロレス会場でコスプレする必要なんかあるか?って話も時々あります。

必要性なんかあるわけないわ。

だったら推しの選手のTシャツ着る必要もないんですよ。

必要性なんかでやってないんだもん。

バンドのライブだってバンT着るわけですよ。バンドに関係なく鋲付き革ジャンの人もいますよ。

夏祭りで浴衣や法被を着るでしょう。

これらは己の滾った感情を解き放つというより、むしろ封じ込めるもの

幽遊白書の武威の鎧みたいなもんなんですよ。

それを時がきたら解き放つわけですよ。

時が来るまで己の”好き”をどんどん滾らせて高めるための鎧ですよ。

夏祭りにTシャツ短パンで出かけるより浴衣着てるやつの方が祭りの後の多幸感は上なんですよ。

己のポテンシャルを最大限に発揮してるわけですから。

てことは「推しになりきる」コスプレなんて、申し訳ないけどTシャツとはレベルが違いますからね。

Tシャツだとせいぜい(あの人、俺と同じTシャツだー)が、コスプレだと知らない人が駆け寄ってきて「俺も好きなんですよ!」エネルギーを貰えるんです。元気玉効果です。

なので!

推しが好きなら、人前でちょっとだけ奇抜な格好をする度胸があるなら(必要なのは最初だけですw)、衣装作りとか出来たり頼めたりするなら、やらない手はありません。

必ず、今までより観戦が楽しめます。別にプロレスに限りませんが。

細かいことは気にせず、ぜひ、コスプレを楽しんで欲しいです。

サポート頂けたら…どうしよっかなぁ〜。答えはもちろん、イヤァオ!