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転がる石膏、君に毒霧を吹く

年末にぼっち・ざ・ろっく!を一気見して最終回をリアタイし、そこから結束バンドのアルバムを延々とリピートしながら工房にこもって年越しをしましたあけましておめでとうございます。

チャンピオンベルトがないと試合を演出できないのかって思っちゃうこともある昨今、「ベルトをかけなくてもこういう試合ができる」と本人に言わしめた世紀の一戦。ベルトを懸けるのではなく互いの人生を懸けて、奪いあうのではなく、互いに刻み付けた試合。そういう「あの二人だけの世界」を見せられた夢の一夜でしたね。

SHINSUKE NAKAMURAオンラインサロン(通称 #な )に参加してる人ならご存知でしょうが、本人、本当の本当に楽しみにされてたし、周りの尽力と奇跡があって実現したドリームマッチだったんですって。日本に戻ってからの30日の配信の時に時差ぼけで眠そうにしながらぽつりと「グレート・ムタと試合するんですよ…」とか「武藤敬司が引退するのかぁ~」って感慨深げに言われてたんでね、われわれ会員はより一層あの光景に胸を打たれたわけですよ。まじでオンラインサロンに登録して配信みてない人損してるからね。

その配信の中で今回の試合に意気込んでたのはご本人だけじゃなくノアの高木社長もだったそうでバイオリニストのリーさんを呼べないかって言ったのも社長の方からの提案だったそうな。そして詳細は伏せますが我々会員には「声出し」が中邑真輔公認で許可というか強制されました(これ書いていいのかな、ま、どうせ読む人そんなおらんし)。俺が「またTwitterで叩かれる」ってコメントしたら、俺が率先することで犠牲になるってことに落ち着きました。

ので、俺はそれはもう全力で入場曲の合唱をして試合中も声援してました。NAKAMURAチャントを誘発するのは俺には無理でしたがw

ちなみにチケットも「#な」では発表前に誰が相手かわからないけど元旦に試合することを知らされチケットの最速予約ができたんだぜウェーイ。とはいえ貧乏人なのでVIPとかは無理で2万円の席でした。が、会場行ってみたら退場通路横で俺とお袋の2席だけになっててめっちゃ見通しいいし神席。

なんせ窓口は「中邑真輔選手チケット引き換え窓口」とかなってるしもう別格の扱いですよ。ほんと何度もこのnoteに書いてるけどオンラインサロン入ってないのは損です。

知らない人が見ると中邑選手はチケットここで受け取らないと入れないの?ってなりそう(ならない)

さて、この試合を待ち望んでいた人は沢山いるのは分かってますが、俺の意気込みも特別でした。中邑真輔本人が「ムタは自分のアイドル」と言ってますが俺もめっっっっちゃ好きだったんです。武藤敬司の試合は結構見てるけどムタの試合ってそんなに見てないはずなのになぜかずっと好きでした。

俺はもともといわゆる怪奇派レスラーというのが好きで、なんといってもアブドーラ・ザ・ブッチャーが俺の中での元祖ですかね。ガキの頃、まだテレビでプロレス中継が普通に見れた頃に印象に残るに決まってるじゃないってキャラですからね。でWWEのジ・アンダーテイカーも試合とか見るより先にビジュアルで好きになってたし。新しいとこだとブレイ・ワイアットとかね。

だから中邑真輔がWWEに移籍!ってなった時に俺はアンダーテイカーとの戦いをめっちゃくちゃ楽しみにしてたのに実現せずに引退されちゃったんですよ…。あとはワイアットさんかもう一度墓場からテイカー掘り返すか。

そしてクネり始めた中邑真輔はペイントやマスクはしてなくても存在が怪奇派寄りなんですよね。だから武藤さんも「世界観の戦い」みたいなことを言われたのかなぁと。

というわけで俺の中では大好きな怪奇派レスラーの2大巨塔対決の夢が実現したんですよ。夢に見てもあるわけないと思ってた対決っていうのは本当に中邑さんが何度も言ってたけどまじでそれな!っていう。だってサロンで中邑さんが「誰かわからないけど元旦に試合」って言った時はてっきり武藤敬司との試合だと思ったんですよ。が、なんとムタの方と発表されてもう俺の中で何かが弾けたんですよ。

ネジがぶっ飛んでコスプレの衣装どうするとかそういうのを超えてしまったのが東京コミコンのステージであり、ムタマスク作りだったわけです。昔、何かで石膏型取りからのFRPとかをやろうと中途半端に材料とか道具揃えてたんですが、時は来た!ってことで素人がいきなりラバーマスク作りですよ。最初は元旦に向けて中邑真輔イメージのムタマスクを作るぜ!だったんですが、コミコンにプロレスのリングが現れるってなったら、ステージで中邑VSムタやっちゃうしかねぇだろ!って暴走が止まらなかったんですね。

その東京コミコンでのマスクは以前に書いた通りコミコンスペシャルのムタ=モールマスクだったわけで元旦のマスクはまた別のものを、というか本来はそっちが本命のスーパーウルトラスペシャルマスクを作る算段でした。

今のグレート・ムタのマスクをベースにしつつ、かつて中邑真輔が新日時代に「僕は実はM78星雲じゃないどこかから来たイヤァオトラセブンなんだ」って言ったことがあったりするくらい中邑さんはウルトラセブンが大好きでして、セブンの顔にも似せて、更にWWEではイニシャルのSとNをイナズマみたいにしたロゴや意匠を使ってるのでところどころにそれを入れてグレートイヤァオトラマスクってのをデザインしたんです。LEDで光らせるとかイナズマっぽさを入れたナカムラッガーを作るとかも考えたけど、時間がないのもあって断念。

コミコンでは前日に「まだ液体」とかツイートして当日に完成とかやらかしたけど1回作って要領はわかったし1ヶ月以上あるから余裕っしょwとか思ってたのになぜか31日大晦日に「まだ液体」。

何があったかというとコミコンで作ったやつもやらかしたのに粘土で造形して石膏で前後と分けて型を取って型を粘土から外しますってときにバコン!(前後が外れる)バカン!(前側が割れる!)ってことがおきまして。参考にしたサイトにも書かれてたけど割れた型を接着して直すくらいなら型取りし直したほうがワンチャン早い説があったりして、マジでくっつけても着きにくいし、割れ目の修正も手間かかるんしキレイにならないんすね。

そもそもラバーマスクというのをどう作るかというと浅草ギ研さんのサイトとかを参考にしたんですが、まず自分の顔の石膏型を取って剥離剤としてワセリン(俺の場合)を塗って石膏流し込んで型を剥がすと自分の顔の原型ができます。そこに粘土を盛ってマスクの外形を作ったら石膏を垂らして型を取りますが、ここも色んな方法がありまして。んで、本来は外側の型と顔の原型を合わせて隙間にシリコンゴムの液体を流し込むと顔にぴったりのマスクができるわけですが、ちょっとこれがハードル高かったので、マスク型に液体を流し込んで型を持ち上げてぐるぐる回してまんべんなく塗膜を作って乾燥させて、また液体を入れてってのを繰り返しました。中々の肉体労働。

というわけで修復と再造形を併走。片方で割れた型に石膏を接着剤代わりにしてくっつけ、ハミ出たのを網のペーパーでこすり〜のを繰り返しつつ、顔型に粘土を盛るとこからの再造形(型外す時に粘土も崩壊するので)。

型取りの雑さが分かる一枚

で、(やっぱ型直すのきちぃなぁ〜)って思いつつもだいぶマシになったところで再造形の粘土ができたので再び石膏を流し、型を作ってバコン!(前後が外れる)バカン!(前側が割れる!)。

WHAT?

いや〜メンタル爆散しそうでしたね。まあ最初の方のにゴムを流しつつ、2度目の方の型を修正とめげずに作業を進めてたのが、そうですね、もうクリスマスを過ぎた頃でしたでしょうか。

アニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」のアルバム「結束バンド」の配信が25日から始まってひたすらリピートしながら石膏の型をやすってましたね。

で、東京コミコンの時にマスクを塗装したのはアクリル塗料を使ったんですが、ちょっと光沢ありすぎたのが納得いかなかったんですね。あとやっぱりひび割れるし。そこで映画ドクター・ストレンジMoMに出てきたゾンビになったデッド・ストレンジのコスプレをしてた中隊長さんというアメコミコスプレ界隈の重鎮がいらっしゃっててデッドストレンジのマスクもまさにシリコン製だったので何で塗装したのか聞いたらウレヒーローっていう塗料だと。

帰ってAmazonで見たら中々のお値段で指プルプルさせながらポチったんすけど12/31に配送予定っておまwキャンセルすっぞwって思いつつ、まあ、終わってからちゃんと作り直したのを塗装するかって思ってほっといたんすね。

で、直した1度目の型から作ったマスクが2枚。これは会場で誰かにあげようってことでアクリル塗料で塗ってたんですが、自分用の2つ目の型から抜いたゴムマスクが1枚目厚みのバランスめちゃくちゃで破れてまたメンタル爆散して結束バンドの歌の力がなかったらめげてたねこれ。

で、「まだ液体」だった頃に届きましたね。ウレヒーローがwでもまだ液体だから待っててw

最後の石膏修復の仕上げに布団乾燥機で乾燥させてる間に紅白を見て、ゴムを流して型をぐるんぐるん回して、布団乾燥機にかけて紅白を見て、乾いた頃にまたゴムを流してぐるんぐるんして紅白を見てを繰り返し、型から剥がしたらぼっこぼこなとこがあって修正しつつ内側に一応黒をスプレー。ゆく年くる年が始まる頃に外側に黒をスプレー。1度ではあれなので布団乾燥機かけてからスプレー。もう1回くらい。頰のところに文字を入れるのですがアクリル塗料の時は筆塗りだったけどウレヒーローはスプレーのやつを買ったので…

(マスキングとかやってる場合かこれ?)

って思いつつ、もう年も開けた頃にマスキングテープをちょきちょきしてましたよ。ほんで赤をスプレーしたら寝ようと思ってたんですがマスキングしたってことは半乾きのときに剥がさないと、朝になって剥がしたら崩壊とかしたらどうすんだ?ってなって半乾きにしてからマスキング剥がして、ダメ押しの乾燥機かけてようやく寝ましたね。正月元旦の3時ごろでしたかね。

で、翌朝6時半くらいの新幹線乗るので5時起きと言いつつ、心配だったので4時半に起きてマスクチェック。大丈夫そう!全然爽やかになんねぇ正月元旦の朝だぜッ!
新幹線ではそらもう爆睡しましたね。でも、大宮あたりで起きたら空は真っ青で富士山がそれはもうきれいに見えて縁起の良いことこの上ない感じで。

武道館行く前に靖国神社の前の出店で腹ごしらえして初詣して、神楽殿見た時に「あそこで中邑さんが入場パフォーマンスしたら神様も喜びそう」とか言ってたら、当日の衣装が裃とかをイメージした白のコートでまさにピッタリでしたね。

試合中に赤と黒の毒霧が吹かれた時は(俺も今朝マスクに赤と黒の霧吹いてたわ~)と変に興奮。

ちなみに今回の一戦はかつて中邑さんがWWEのレッスルマニアでAJとやる時のドリームマッチの時とすごく似た空気感を発表された頃から感じてて、でもあの試合は当人たちが「もう10分あれば」って言ってたほど正直不完全燃焼なとこがあったし、試合後のローブローもネタとして試合直後に俺が向こうの人たちにやるとバカ受けするくらいのものではあったけど、ヒールターンにがっかりした人たちもいたんですね。でも、今回はそんなものは1ミリもなく完璧なエンディングで日本人にはこの時期できないけど外国人にはマスク越しでキスしてやったらめっちゃ喜ばれましたね。

そういえば我らが石川県知事がミスターXとして登場して正月休みだからって何してんだって思ったらめちゃくちゃできあがった肉体でNOAHトップの一角でもある中嶋勝彦と船木選手の蹴りを交互に受けたりしててジャイアントスイングも20回近く回してめっちゃ奮闘してて知事の仕事もしないで何やってんだって言う人もいたみたいだけど「石川県知事をしてる馳浩が」ってニュースになればそれは知名度向上の仕事でしょっていう。石川県民として誇るべき試合でしたよ。あと武藤さんは石川県観光大使で石川県アンテナショップのイベントに馳に呼び出されていいように使われてさぁみたいな愚痴をこないだイベントで言ってたので、その恩返しでもあるんでしょう。先輩であり自分とこの観光大使のためにまさに一肌脱いだっていう漢気ですよこれは。

NOAHの会場で全日ジャージで先輩を見送る馳知事(たぶん)

で、終わってから感動も冷めやらぬまま、なんか四谷のライブハウスで中邑珍輔とグレートランジェリームタによる最速再現をやるとかでタクシーで向かうことにしたんですが、通りがかった外国人のおっちゃんに写真を頼まれた時に例のあげるようのマスクが1枚残っててそれをあげたらめっちゃ喜んでくれたんですよ。そん時にキスする写真撮らなかったのは一生の不覚だったけど、なんと同行の日本人のお兄さんが言うには「マテルでフィギュア作ってる人」だそうで、いつも買ってます!って言いながらプロのクリエイターに素人の一夜漬けマスクあげて恐縮してしまって。でもほんと喜んでくれてたからいいけど。なんかのチャンスあるかもと思ってフィギュア持って行こうか一瞬悩んだんよねー。持っていってたらおっちゃんにサインしてもらったのにw

その後の完全再現試合もめちゃくちゃ面白かったけど長くなるので、また後日。


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