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2024年流カメラ選びのポイント

暇つぶしに10年前のAPS-Cカメラで撮影した写真を、適当に現像しなおしてみました。一番下に少し掲載してみます。
感想としては10年前の時点で、カメラとしては完全に完成しています。
現在のカメラと全く遜色無いレベルの写りです。
カメラセンサーは随分と進化してきましたが、10年前の時点で既にフィルムの写りを遥かに超えていて、それ以上を求める意味はほとんど無いでしょう。
マイクロフォーサーズ、APS-C、35mmフルサイズ(以下フルサイズ)の差にも同様のことが言え、完全に光学性能が同じレンズを使用した場合、現在ではその差を見極めることは困難です。

そうなるとカメラ選びの基準は、自分の撮影スタイルに沿った道具としての能力を基準にして選ぶのが吉です。
例えば持った時の感触や、操作のしやすさ、操作の分かりやすさであったり、ファインダーの好みや、ダイヤルの好み、デザインの好みなどで選ぶようになると思います。

もちろんAFの追従能力や、マニュアル時の楽しさ、連写速度などの機能面も基準になるでしょう。
カメラボディを画質で選択する時代は終わりました。
今や写真の画質はほぼ全てレンズに依存します。
そして特殊な用途が無い限り画素数は2000万画素で問題なく、それを越えるセンサーは必要ありません。
唯一気を付けなければならないのは、マイクロフォーサーズ、APS-C
、フルサイズは、センサーサイズの違いによってそれぞれ個性が異なるので、全く知らずに選んでしまうと困ることがあるかもしれない点です。

最近フジフイルムのAPS-Cがとても人気のようで、個人的には良いことだと思っています。
何故ならAPS-Cは最もバランスの良いカメラで、ほとんど全てにおいてオススメできるからです。
もちろんフルサイズで写した時ほどの大きなボケを簡単に真似ることはできませんが、そもそもフルサイズで最大にぼかすというケースは、特殊な意図が無い限り稀だと思います。
何故ならぼかし過ぎるとピント合わせが難しいだけでなく、焦点の合った部分が少ないため極端に写真全体の情報量が不足してしまい、最初に見た瞬間のインパクトは凄くても、すぐに飽きやすい写真になるためです。
また同様に、ボケたものを見ると人間は焦点を合わせようとする本能があるため、極度に被写界深度が浅い写真を見続けると、ピントの合った位置から全く視線を動かすことが出来ないため疲れてきます。
このため大きくぼかした写真は、どちらかというとインパクトを重視する商業撮影で利用されやすいのではないかと思います。
作品撮影においては、APS-Cでぼかせる程度のボケ加減で十分よい作品になると考えられます。

一般的な風景撮影では、手前から奥までピントが合った状態のパンフォーカスで撮影しますが、APS-CではF8からF11あたりを多用すると思います。
これはギリギリ三脚を使用しなくても何とかなる絞りである他、これ以上絞ると回折の影響を受けて急激に画質が悪化するため、その手前で納めることが可能なAPS-Cのセンサー規格は非常に優れているのです。
回折の影響は相当なもので、容認できないレベルです。
昔はフィルムであったため絞りまくってもあまり気にする必要が無かったのですが、今のデジタルではモロに悪影響が出てしまいます。
絞って画質が悪化したものをデジタル作業で何とか修正するとしても、何だか悲しいですし、そもそも高価なレンズを使用する意味があまり無くなってしまいます。

フジフイルムはAPS-C専用のレンズを意欲的に作っているメーカーであり、今かなり人気を集めているということは、デジタルの時代におけるカメラに対する正しい情報が、ようやく世間一般に広まりつつあるということだとも考えられます。

かく言う私はマイクロフォーサーズです。
レンズを含めた小ささは断トツで、普通に撮影するとレンズの最高性能を出せるF4からF5.6でパンフォーカスが得られます。
早朝の暗い山の中や、天候が悪くて薄暗い時でも、三脚を使用せずに安定してパンフォーカスもしくはパンフォーカスに近い撮影が可能です。
最近はAPS-Cやフルサイズでもシステムの小ささを謳っているものが多いようですが、本体は小型化できてもレンズはそうはいきません。
もしもレンズを小さくできたなら、それはかなり光学性能が劣っているということです。
それに対してマイクロフォーサーズは、光学性能を維持しながら小さくできる規格です。マイクロフォーサーズが、フィールド専用カメラと言われる所以でもあります。

ただし、全ての人にはおススメしません。
ここは重要なポイントです。
と言うのも、パンフォーカスの写真は正直なところ相当難しいです。
何しろぱっと見、スマホの写真と大して変わらないのです。
適当にさっと写した時、自然に少しだけボケた感じの写真の方が、画質が良いと感じたり、もしくは雰囲気や立体感があって好感が持てると感じる人が多いでしょう。
わざわざ高価なカメラを買っても、写真が一見スマホと変わらないようなら、がっかりするかもしれません。
もちろん、その難しさの向こうに非常に大きなメリットがあるから私は使用しているわけですが、じゃあカメラ初心者の人に勧めることができるかと言われると、やはりバランスに優れたAPS-Cを勧めると思います。
パンフォーカス写真は、作品撮りに本気で興味が湧いてきてから挑戦してみると良いでしょう。

途中でちょっと書きましたが、レンズは重要です。
高ければ良いわけではなく、安いレンズでも良いものはたくさんあります。
また現代の「レンズの解像度が全て」という考え方は、完全に間違っています。レンズにはもっと遥かに多くの様々な要素があります。
自分の写真哲学に合ったレンズを見つけるのは簡単ではなく、ある程度の労力と努力が必要でしょう。

写真は全ての人が気軽に楽しめる芸術だと思います。
2024年もいっぱい旅をして、楽しい思い出を写真に撮ってみましょう!



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