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南九州横断旅1/3

南九州を横断してきました。
ここ一週間ほど中韓からの越境大気汚染がまあまあ激しかったので様子を見ていました。ところが二日間ほどほぼ完全に汚染がゼロになる日があり、これを逃してはいかんと、即決で出立を決定。

とは言え、この二日間のうち初日は寒の戻りで特に冷え込む予想です。
第一目標地点は、熊本県天草諸島の南にある長島。
私の記憶ではこの長島は極めて景観が素晴らしい島で、天草諸島よりも遥かに美しい風景を眺めることができます。
天草諸島の知名度は高いのですが、もしも絶景を見たいなら長島がおすすめです。

長島で日の出前後の6時30分撮影開始を予定し、宮崎からの所要時間を約3時間半と予想。現地に30分前に着きたいのと、途中トータル15分程度の休憩時間を考慮して深夜2時過ぎに宮崎を出ました。

最初の難関は中間地点となる小林から伊佐エリアです。
予報では気温が零度前後になるはずで、バイクの場合は走行による体感温度の低下を考慮する必要があり、今回の場合体感温度だと気温マイナス10℃くらいを想定します。

小林から西に向かうと、予報通り気温は零度付近。

ところがここで想定外の出来事に出会います。
夜霧です。
うわぁ最悪。夜霧です。気温零度付近で夜霧!!!
何が最悪かって雪や豪雨も大変ですが、バイクにとって夜霧は最もきつい条件で、霧に突っ込むと一瞬にして視界を奪われてしまうのです。
車は強めのライトが2灯あるし、何よりもワイパーがあります。
しかしバイクはそうはいきません。ひたすらグローブの指でシールドについた細かい水滴をぬぐいながらなんとか視界を確保するのですが、これが夜だと本当に見えない。

そしてさらに厳しかったのが気温低下による、霧の氷結。
霧がヘルメットのシールドに着いた瞬間に氷結し、ぬぐっても取れないという極めてヤバい状況。これはキツイ。

安全を最優先して巡航速度を3分の1程度まで落としましたが、それでも走行が困難なレベルに変わりはありません。もはや道路の白線すら判別できません。
そこで急遽ルートを変更して魚野越の峠を通過し、高度を上げることにしました。
峠の標高は現在の川沿いルートよりも300mほど高いため、霧を回避できます。ただし気温は標高100mに付き約0.6℃下がるので、現在よりもさらに2℃ほど下がるハズです。
急いで背中にひとつだけ入れておいたカイロに加えて、腹側へ2こ追加します。
レインウェアを着用しているものの体は既に全面氷でコーティングされてしまっているので、このままでは体温が低下し続け、もたもたしていると体力を奪われて最終的に行動不能に陥ってしまいます。
太陽のある日中なら、氷点下5℃だろうと10℃だろうと大したことはないのですが、夜中は本当に危険な別世界。これは体験した人しかわからないと思いますが、本当に別世界なのです。

この後、多少霧が少ない伊佐の盆地をうまくクリアし、出水いづみへの峠を通過。
まだ八代海までは20kmほどの距離があるにも関わらず、峠のトンネルを出るとぶわっと暖かい風が迎えてくれました。
大いなる海のすごさを認識する瞬間です。助かったぁ。

長島へ到着したのは6時45分。
さきほど海風の暖かさを感じたばかりですが、今度は昇ってきた太陽による強烈なエネルギーによって放射冷却が発生し、再び急激に冷たい風が吹き始めます。
自然の偉大さと、その恐ろしさを痛感した旅始めでした。

つづく。

小林の手前のコンビニにて。この後、氷結地獄が待っている。
OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II
NOKTON 17.5mm/F0.95
長島より甑島列島を見る
OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II
SIGMA 19mm/F2.8 EX DN
長島より天草の牛深を見る
OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II
SIGMA 19mm/F2.8 EX DN


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