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みちのそら [ぷち日本紀行1] 豊後水道

90歳の高齢の両親に会うため実家の岡山へ帰る機会があり、例によってカメラを持って、ついでにぶらついてきました。
今回はハードスケジュールということもあり、バイクではなく車を使用することにしました。途中、雨天も予想されます。

使用するカメラは、OLYMPUS OM-D E-M5。10年ほど前のカメラで
1600万画素機です。レンズはM.ZUIKO DIGITAL 17mm/F2.8。
これで撮影旅を敢行しようというのだから、「冗談でしょ?」という声が聞こえてきそうです。

なにぶん古いカメラなので、念のため故障に備え予備のカメラを車に積んでいきますが、恐らくほぼ全ての作品をこいつで撮影します。
歩きの多い撮影旅においては「身軽さ」はとても大切なポイントです。決まりきった場所で、決まりきった風景を撮影するだけであれば、大きなカメラやレンズ、三脚を担いでうろついても問題はないと思います。
しかし現地で歩き回り、旅を主体として自由に行動し、出会った風景を確実に捉えるためには、身軽さは何よりも重要です。
旅の良さは、確実にカメラの身軽さに比例します。
その点において、マイクロフォーサーズのカメラは完ぺきな性能を備えています。

そんな訳で、10年前の1600万画素機と80グラム程度のパンケーキレンズという片手で撮影できるほど小さな軽いカメラで風景撮影を行います。きっと楽しい旅になるはずです。

出発はいきなり雨。
実家は岡山なので宮崎から帰るには福岡へ回り、ひたすら高速道路を走る関門海峡コースと、豊後水道を四国へ渡るフェリーコースがありますが、今回はフェリーコースを辿って岡山へ帰ります。

私はフェリーが大好きで、日本には無数の島があり、それらの文化を知る上でフェリーは欠かせないものだと思っています。
飛行機の旅も悪くはないのですが、やはりフェリーは別格。

大分県の佐賀関さがのせきに着いたのが6時半。
雨、雨、雨。
かなりざーざー降ってます。
でも、撮影旅での雨は結構楽しいものです。何故なら不思議なグレーの世界が、目の前に広がるから。色があるようで無いようで、よくわからない不思議なグレーの世界があたり一面に広がるのです。

OLYMPUS OM-D E-M5 / M.ZUIKO DIGITAL 17mm/F2.8
一本エントツ

佐賀関港の前には有名な一本エントツがあります。
晴れた日には四国側の三崎港からも見えるほど高く、一本だけにょきっと立っていて、これを見ると「佐賀関に来たなぁ」と感じるわけです。

フェリーは大分県の佐賀関港と、愛媛県の佐田さだ岬にある三崎港を結んでいます。所要時間は約70分で、豊後水道ぶんごすいどうを横切ります。

OLYMPUS OM-D E-M5 / M.ZUIKO DIGITAL 17mm/F2.8
不思議なグレーの世界

九州と四国の間の海である豊後水道は、興味深い場所でもあります。
西を見ると九州が見え、東を向くと四国、そして北には中国地方を望めます。天候もそれぞれ異なっている様子がわかり、九州方面は雨でも、四国方面は晴れていたり、いろいろな変化を楽しめます。
こんな風景を拝めるのは、このフェリー航路ならではでしょう。

OLYMPUS OM-D E-M5 / M.ZUIKO DIGITAL 17mm/F2.8
雨の佐田岬半島

三崎港のある愛媛県の佐田さだ岬半島は、東西に延びる細長い半島で、全域で絶景を見ることができます。
本土最南端の鹿児島県にある佐多さた岬と混同されることがありますが、こちらは佐田さだ岬。
三崎港から東進すると、左手には瀬戸内海、右手には宇和海が見え、とても素敵な場所であることがわかります。

この日は岡山へは向かわずに、フェリーを降りてから徳島県を目指します。

[ 2へ続く ]

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