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森の移動祝祭日

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自然が好きな方、文章が好きな方へ。 タイトルは、ヘミングウェイの作品から拝借しました。 主題は自然写真家・二神慎之介の自然観。それに写真を添えたエッセイです。 1000字程度、月…
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#自然

焦点距離からの解放。

「今までこんなことはない。前代未聞のレベルです」 そんな言葉を聞いたとき、いくつもの感情…

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Sinh
3日前
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ヒグマと、木々のない世界。

理想的な距離感とは。 野生動物を被写体に撮影活動を続けていると、 そんなことをふと思うこと…

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Sinh
1か月前
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乾いた音とクマの夢。

「何もかも手遅れだ」 そんな風に感じた。 ようやく駆けつけて、森に足を踏み入れた時、 辺り…

Sinh
3か月前
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花と熊の手。

自分なりにクマの撮影を続けてきた。 それはクマを探す旅でもあって、クマの食性を追う日々で…

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Sinh
4か月前
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桜と野生。

「桜は好きではない」 時々、そんな風な言葉を耳にする。 正確に言うと、それは私たちが春に最…

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Sinh
5か月前
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氷原の海と空。

窮屈な、分厚い冬靴を履くのがもどかしい。 面倒だが、焦る気持ちを抑えてスパッツを脚に巻く…

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Sinh
7か月前
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春先の鹿。

まだ冬の寒さが支配する春先。北関東の小さな山。 白い林床に残った雪を踏み固めながら、進んでいく。 冬眠から目覚めたクマの気配を探しつつ、 自身の冬の引きこもりになまった身体をほぐすように ゆっくりと、慎重に歩いていく。 クマを探す。という意味においては、これが僕の一年の始まりだ。 しかしながら、雪の残る山で、 そう簡単にクマの姿を見ることができるわけではない。 一年の最初の印象的な出会いは、大抵が別の動物だ。 最初の出会いで、最も多いのがニホンジカだ。 そして、その出会い

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