見出し画像

#1

人と人とが構築する関係性のなかで、不変なものはなく
どんな形であれ関係は変化していく。
家族、友人、仕事、パートナー、
関わる全ての人々が日々流動的に変化している。

私は変わってしまった自分達の過去を振り返り、
失ってしまった時間を思い返してこう悟る。
一度割れたガラスを二度と元には戻せないように、
同じような形ヘと、なんとか外面を戻すことはできても、
飛び散った細かい破片を一つ一つ拾い集めて隙間なく、
元通りに直すことなんて不可能なのだ。

それは恋愛関係における変化にも同様に当てはまる。
付き合いたてはお互いの全てに興味を持ち、一日のどんな時間も相手の事が頭から離れることはなく、どんな景色も輝いて見えた。

けれどふとした瞬間、何かが変わってしまったように感じられ、
どうにかこれまでの二人に戻れないかと軌道修正をかけようとした所で、
元に戻ることはない。

寂しくても、納得できなくても、
受け入れて前に進まなくてはいけない事を
理性では理解しているのに、
本能ではまだこの場所に留まっていたいと感じている。

生まれた場所も育った環境も違う二人が、
お互いを完全に理解し許し合うことなんて不可能に近いのだが、
私は心のどこかでそれを望んでいて、
同じように夢見て、自分の半分を探している私の半身がどこかに、きっといるんじゃないかと考えてしまう。
もちろん、未だに出会ったことはないのだが。

冬が来た。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?