責任の一端について考える。 人が自らに課しがちな、 "こうでなくてはならない" 身近な人のこれを作りあげた一端が、 自分にもあるのではと感じるたび、 どんな言葉をかけるべきだったか どんな行いをすべきだったかと 過去を振り返って考えている。
冬の香りを覚えている 夏が来るまで、夏の香りを忘れていたとしても 夏が来る頃にはちゃんと思い出す 君の香りも同じで、 会わなくなって数ヶ月が経つと 君の香りはすっかりとこの部屋から消えて 脳の記憶領域には確かにあるはずの 慣れ親しんだ香りは思い出せなくなった 人の感情というのは不思議なもので 側にあるものには気持ちが移り、執着するのに それが自分の元を去ると、 側にあった頃の記憶を失くすのと同じ速度で 感情が内から外へ流れ出していく 君もいつか私の香りを ふと何の脈絡も
些細な口論だった 君が僕を責め、僕が折れる 君は僕の愛を疑って、 僕を責めてばかりじゃないか こんな二人で一体何を創り上げられるの 僕には未来があって、 君にはリミットがある 一緒に過ごした時間は楽しくて、 抱きしめると落ち着いて、 君の事を好きだと思うけど 傷付け合う為に一緒にいるんじゃない ピリオドを君のために僕が打つ
すっかりトラウマとなった出来事以来、 わざと遠ざけていたこの町へ帰省した。 できる限り記憶の引き出しに触れないよう、 一人きりにならないように配慮し行動していたが、 友人との新年会のあと、とうとう一人で電車に乗り、 駅から実家まで徒歩で帰宅をした。 駅の階段から見下ろした広場に彼の幻影が見えた気がして、フラッシュバックを恐れた私は広場から目を逸らした。 それから少し進んだ道で、並んで歩く男女の二人組を見て、面影を写し、どうしてこうなってしまったのか?と考えても仕方のない思
この人の事を、僕は多分 そんなに愛していないと思う。 好きだけど、愛してはいない。 その証拠に、彼女が誰かを愛したとしても 誰かに愛されたとしても 一瞬傷ついて、きっとすぐに忘れられる。 彼女が好きな歌を知らない 好きな本も、好きな映画も知らない。 好きだと言えるところは、性格が明るくて、いい香りがするところだけ。 他には何も知らないし、知ろうともしなかった。 彼女もきっと僕のことを愛してなんかいない。 人は鏡だとは良く言ったものだ。 だけどそれで良い。 偏った天秤はど
人と人とが構築する関係性のなかで、不変なものはなく どんな形であれ関係は変化していく。 家族、友人、仕事、パートナー、 関わる全ての人々が日々流動的に変化している。 私は変わってしまった自分達の過去を振り返り、 失ってしまった時間を思い返してこう悟る。 一度割れたガラスを二度と元には戻せないように、 同じような形ヘと、なんとか外面を戻すことはできても、 飛び散った細かい破片を一つ一つ拾い集めて隙間なく、 元通りに直すことなんて不可能なのだ。 それは恋愛関係における変化にも