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母娘の最高のセルフケア

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執筆者:さとじゅん

カンパ~イ!!!

週末になるとホームパーティーをする。母娘2人の気ままな暮らしに加え、幼少期に頻繁に実家で宴が開かれていたことも影響しているかもしれない。

一緒にパーティーをするのは私の友人や仲良しのママ達が多いが、同じ保育園のママ達とは今まで一度も開催したことがなかった。なぜなら保育園のママ達が怖かったし、自分から距離を置いていたからだ。

きっかけは娘が3歳の時に私の乳がんが分かり、闘病生活を送っていた頃に遡る。抗がん剤の投与期間は娘のお迎えに行くのもシンドイ状態。そんな私を見かけても、見てみないふりをしていたばかりか、こう噂しているのを聞いてしまった。

「あの人、きっと何かの病気だよね」
「激やせしてやばいよね」

それを知り合いから聞いて「許せない」気持ちになった。

1年4か月に及ぶ闘病生活が終わり、日常が戻ってきても、娘が年少と年中の2年間、保育園のママ達と距離を置き続けた。

そんな時に、グループリフレクションというプログラムに参加した。

グループリフレクションとは、シングルマザーズシスターフッドがセルフケア講座の参加者向けに提供しているアドバンスプログラムで、2週間に一度、同じメンバーで集まって、自分自身の振り返りをシェアし合うという5回完結のプログラム。リフレクションシートに自分の振り返りを記入し、各自発表した後、仲間からフィードバックや質問をもらう。自分を内省できると共に、メンバーからのフィードバックで新しい視点にも気づくことができる。

グループリフレクションに何クールか参加しているが、仲間からもらうフィードバックは、家族や友人に話をするのとは違って、それを通して自分の内面に気づくことが出来る。今では私のセルフケアの一つになっている貴重な時間だ。

そんな内省の機会を通して、保育園のママ達との距離感を変えたいと思っていたことに気が付いた。そのことに、自分でも少し驚いた。

本来、積極的に友達を作るタイプの私が、保育園のママ達と距離を置き続けることへの違和感を改めて再認識したのだった。

娘が年長になり最初の保護者会でアルバム係のリーダーに立候補した。

保育園の年長ママ達とコミュニケーションが必要になる状況を自ら選んだのだ。

チームメンバーと役割やスケジュールを相談・立案しながら、進めていく。保育園の行事にも積極的に参加して、コミュニケーションをとっていく。

「誰かが裏でまた私の噂をしているのでは?」といった懐疑的な気持ちや「許せない」といった怒りの気持ちが、一気に全て払拭される訳ではないが、少しずつ距離を縮めて、自分も変わっていき、「許せない」という呪縛から解放されて行ったように思う。

3月31日、保育園最後の日。遂にアルバムが完成した。

最後の1週間は作業も大詰めで、子どもが寝静まった後、 LINEで連絡を取り合いながら編集・確認作業をしていた。最終日、園庭にママ達も集まった時には「いいアルバムが出来たね!」とハグして、讃えあえる関係にまでなることが出来た。

そして今、保育園のママ達を招いてホームパーティーを開催している。

娘も保育園のお友達を招いてのパーティーの日までを指折り数えて心待ちにし、私は美味しいご飯を準備し、その時間をみんなで楽しむ。

先日まで開催されていたグループリフレクションで、アルバムが完成するまでの過程を発表した時に、「結構楽しそうにやれたじゃん!」とアドバイスをくれたメンバーの一言で私はハッとした。

自分の中にくすぶっていた「許せない」という気持ちを過去のものとして昇華し、保育園のママ達と距離を縮め、楽しい時間を作り出すことが出来た。そんな自分自身の変化が心の底から嬉しかった。

週末はパーティーをしよう。

カンパイして、笑って・美味しいご飯を食べる。

これも私と娘の最高のセルフケア!!

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エッセイを最後までお読みいただきありがとうございました。このエッセイは、Mother's Dayキャンペーン2023のために、さとじゅんさんが執筆しました。NPO法人シングルマザーズシスターフッドは、ひとり親の心と身体の健康を支援する団体です。毎年5月に、セルフケアの大切さを呼びかけ、応援の寄付を募集するキャンペーンを実施しています。応援していただければ幸いです。寄付ページはこちらでご覧いただけます。

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