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『ひとり親けんこう白書』あとがきと謝辞,制作メンバー紹介,奥付

『ひとり親けんこう白書』にご関心をお持ちいただき、ありがとうございました。すべてのページの内容はこちらのマガジンにまとめてあります。ぜひご覧ください。最後に、あとがきと謝辞、制作メンバー紹介、奥付をご紹介します。

『ひとり親けんこう白書』p42-43

あとがきと謝辞

日々、全国のシングルマザーに向き合うなかで、ひとり親のさまざまな生きづらさに接することがあります。離別による自信喪失、DV被害の後遺症、元配偶者からの嫌がらせ、心身の疲弊、将来への不安、孤独感、親子関係、子どもの障がい、不登校など。一方で、自分らしい人生、安全な生活、自立、支配からの開放など、ひとり親になってよかった面も、実はたくさんあります。私たちは、どんなシングルマザーも自分らしく胸を張って生きていけるようなサポートを目指し、まずは「心身の健康」に着目しました。どんな支援も心身の健康があってこそ効果を発揮するものだからです。

セルフケアに取り組んで自分らしく生きられるようになった素敵なシングルマザーの姿を見た人から、「優秀な人」「困難度が低い人」「恵まれた人」といったコメントをもらうことがあります。配偶者からの暴力から親子で逃れ身を隠して生活している人、子どもの不登校や自身の病気などさまざまな困難に直面していた時にセルフケア講座に出会ったという人など、「困難度が低い」とはとても言えない人たちに私たちは日々接しています。

例え困難を抱えていても、どんな人にも力がある、その力を発揮する後押しをする、というのが私たちの信念です。 シングルマザーの心身の健康の課題と、その解決策の実践の事例を示したこの『ひとり親けんこう白書』が、ひとり親支援の充実のための基礎資料となることを願っています。

最後に、お世話になった皆様に感謝の気持ちを表します。本研究をずっと温かく見守り、時に熱く励ましてくださったトヨタ財団の皆さま、とりわけ林知香さん、加藤慶子さんには大変お世話になりました。非営利組織研究の視点からいつも非営利組織研究の視点からいつも心強いアドバイスをくださる東北大学の岡田彩先生、運動生理学の観点から女性のヘルスケアを研究されている千葉工業大学の野村由美先生。ひとり親けんこう白書制作を応援してくださった124人の寄付者の皆さま。活動の当初から大口のご寄付でご支援下さっている株式会社日ノ樹の内田社長、石川会長、堀内さん。シングルマザーのセルフケア講座を始めるときに「それは大切な取り組み」と活動を後押ししてくださった認定NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむの赤石千衣子さん。調査に協力してくれた現役のシングルマザーの皆さん。そして私たちの活動にいつも理解と励ましをくれる家族に、心からの感謝を捧げます。

NPO法人シングルマザーズシスターフッド
『ひとり親けんこう白書』制作チーム

代表研究者 佐藤絵理 東北大学大学院博士後期課程在籍 修士(看護学)
保健師・助産師として都内自治体で勤務し、新生児訪問や産後ケア事業などを展開後に大学院へ進学。研究者、実践家としてひとり親女性の健康に関する調査とシングルマザーズシスターフッドの各種エンパワメントプログラム開発に取り組む。

共同研究者 鬼頭裕美 聖カタリナ大学人間健康福祉学部社会福祉学科 
社会福祉士 精神保健福祉士 介護支援専門員
大学では社会福祉士の養成課程で子ども家庭ソーシャルワーク等を担当。子どもの権利、子ども・若者支援、ひとり親家庭支援に特に関心があり、実践と研究を行き来している。さまざまな医療・福祉現場で15年間、ソーシャルワーカーとして、妊産婦から緩和ケアまで幅広く関わってきた。

調査設計・データ分析協力 吉武理大 松山大学人文学部社会学科 准教授
家族社会学・福祉社会学を専門として、研究分野はひとり親世帯や貧困世帯における子どもの格差や生活保護制度の問題、母子世帯の母親の抱える困難、地域における支援の可能性など。主に全国調査の統計的な分析に加え、子ども食堂・支援団体・学習支援教室などの質的調査を行う。

調査設計・データ分析協力 黒川すみれ 福岡県立大学人間社会学部講師 博士(社会科学)
専門は家族社会学、労働社会学、社会調査法。女性が家族の役割を担いながら、どのように職業キャリアを形成していくのかを研究している。結婚、出産、就業など、人生におけるさまざまな出来事によって生じる地位や役割の移行に焦点をあてるライフコース研究が専門。

編集 玉居子泰子 編集・ライター
子育て、家族、女性の働き方などをテーマに、さまざまな雑誌やウェブマガジンに執筆。2021年ごろからシングルマザーズシスターフッドの会員に向け、「インタビュー&ライティング講座」や、「エッセイ講座」などの講師を務める。著書に『子どもから話したくなる「かぞくかいぎ」の秘密』(白夜書房刊)『世界はまた彩りを取り戻す』(ひとなる書房刊)など。

企画 制作 吉岡マコ NPO法人シングルマザーズシスターフッド代表理事
東京大学文学部で身体論を学び、96年卒業後同大学院生命環境科学科で運動生理学を学ぶ。1998年自らの出産を経て「産後ケア教室」を開発、2008年にNPO法人マドレボニータを設立し産後ケアの実践と普及に尽力。22年続けた産後ケアの活動を次世代に承継し、2020年シングルマザーのセルフケアとエンパワメントを支援するシングルマザーシスターフッドを設立。著書に『産前・産後のからだ革命』(青春出版社)『みんなに必要な新しい仕事』(小学館)など。

調査・執筆担当ページ
Chapter1

p6-11「ひとり親の健康課題」セルフケア講座参加前アンケートの分析…鬼頭
p12-13「ひとり親のセルフケア習慣」「シングルマザーの社会的孤立」…吉岡
Capter2
p14-21 心身のケアの実践〜シングルマザーのセルフケア講座…吉岡
p22-23 心とからだの繋がり…佐藤
Chapter3
p26-29 つながりとピアサポート…吉岡&佐藤
p30-31ピアサポートの本質について …吉岡&佐藤
Capater4            
p34-35 セルフケアと学びと貢献  …吉岡
p36-37 コミュニティへの貢献…吉岡
p40-41 ひとり親けんこう白書を通して描く世界…佐藤

ひとり親けんこう白書
発行日 2023年8月22日
著者 佐藤絵理 鬼頭裕美 吉岡マコ
編集者 玉居子泰子
ブックデザイン 後藤美奈子 @mnkgoto.work
発行元 特定非営利活動法人シングルマザーズシスターフッド
本書はトヨタ財団の助成とクラウドファンディング125名の寄付者の皆さまのサポートを受けて制作しました。
「地域を超えたピアサポートを実現するひとり親支援プログラムの開発 ―「主体性」の回復から「新しい連帯」が実現する過程の検証」
「当事者の声を集めて 『ひとり親けんこう白書』を作り シングルマザーの心身の健康を支援したい」コングラント giving100 by Yogibo(2022年5月8日〜6月14日)
著作権に関する注意事項
本書の著作権は著者に帰属します。無断での複製、転載、配布は禁じられています。引用や参照をおこなう際は、出典として本書のタイトルを明示するようお願いいたします。
©︎特定非営利活動法人シングルマザーズシスターフッド All Rights Reserved.

https://www.singlemomssisterhood.org/singlemoms-health

↑『ひとり親けんこう白書』はこちらで全文ダウンロードできます。
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2023年9月27日(水)12:00-13:00
『ひとり親けんこう白書』完成報告ライブ配信を開催しました。
アーカイブをぜひご覧ください。
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