Singha Beer Meets タイレストラン《クンヤーイ編》
あわただしい一年を駆け抜けてきた。気付けば年の瀬。
タイレストランで美味しい料理を求めて春夏秋冬。
2022年の締め括りにふさわしいタイ料理店を今日も行く。
今回訪れたのは、東京都江戸川区西小岩にあるディープなタイ料理店「クンヤーイ」さん。
小岩駅の名横綱栃錦像に挨拶して改札を降りれば、活気のある街が広がっている。道を進めば、徐々に異国の雑踏からディープなエリアへと足を踏み入れるような心持ちがしてくる。
あ、着いたようだ。少し見上げると「タイ料理とカラオケ クンヤーイ」の看板が見える。そうそう、タイの人はカラオケが大好きだそうだ。これはかなりタイの現地感の強そうな雰囲気を醸し出している。さて中に入ってみよう。
ディープなタイを堪能したい人には好奇心が唆られるであろう。
お店の入り口から中へと進むと、もうそこはタイだった。
元気いっぱいに「いらっしゃいませ」と案内してくれたのは、店長のベンジャマートさん。このお店の看板シェフでもある。
本日のおすすめ料理3品を注文しよう。明るいオレンジのメニュー表には店長のベンジャマートさんが微笑んでいた。
スタッフのエプロンもTシャツもベンジャマートさんが微笑んでいた。
さて、今回はこの3品を注文。
1 ネームグラドゥークムー(軟骨付き豚肉揚げ)
2 ラープペッ(あひる挽き肉のピリ辛サラダハーブ和え)
3 ミャンプラートード(揚げ魚のハーブ包みスパイシーソース)
それではまず、恒例のアレやりましょうか。
シンハービールをグラスに注いで、と。
喉の奥で爽やかに弾けるシンハービールが、いつにも増して美味い。
では、一品目「ネームグラドゥークムー(軟骨付き豚肉揚げ)」いただきます!
タイの東北イサーン地方の料理は、発酵の文化でもあり、タイ料理の醍醐味である酸味と旨味が凝縮した料理が数多く存在する。
このネームグラドゥークムーは、炊いたお米と調味料で発酵させた豚肉を唐揚げにした料理で、お肉の旨味と酸味が絶品である。豚肉の唐揚げとビールの組み合わせはもう鉄板!いくらでもビールが進んでいく!食べ応え抜群。飲み応え抜群!
お次は、二品目「ラープペッ(あひる挽き肉のピリ辛サラダハーブ和え)」をいただきます!
「ラープ」と言う料理はイサーン地方の郷土料理だそう。鶏や豚などのミンチ肉にナンプラーやレモン汁の調味料、米を炒った粉を和えて食べるのが定番。
このラープペッは、日本のタイ料理店ではめずらしいあひるのミンチ肉を使っている。コクのあるプリップリの食感のお肉は格別な美味さだ。是非食べてみてほしい。これまたボリューム満点のお肉料理で、ビールは2本目を注文した。
最後に、三品目「ミャンプラートード(揚げ魚のハーブ包みスパイシーソース)」いただきます!
こ、これは!お皿が運ばれてきて「おー!」声が出そうになった。少し出た。
タイ料理は魚を揚げた料理が多い。北部と東北部は川の魚、中部と南部は海の魚を使うことが多く、バリエーションが豊富だ。クンヤーイでいただくこの魚は、川魚でティラピアというらしい。初めて食べる魚だ。とても肉厚で香ばしい香りがする。
そして、なんといっても、このハーブ、ハーブ、ハーブ、そうめん。
「巻いて食べる」ことが好きな私はハートを持っていかれた。美味しい食べ方を教えていただいた。
好きなハーブの葉を2、3枚重ねる
その上にそうめんを重ねる
さいごに揚げ魚を乗せる
仕上げにタレをかけて巻いて食べる
教えていただいた要領で巻いて頬張る。んー!美味い!
そうめんは、ハーブの葉と揚げ魚をつなぐ優しいクッションとなり口の中で三位一体となった。それは食感の変化と味わいの変化をもたらした。
まさにタイのカーニバルであった。
カーニバルに、シンハービールを流し込んだ。
あまりにも新鮮でディープな食体験に高揚。年末です。
さて、お腹も心も満たされたところで、今日のお店クンヤーイさんの美味しいストーリーもお話しようではありませんか。
イサーン地方のブリラム県出身の店長シェフ、ベンジャマートさん。
ベンジャマートさんは1991年に新宿でタイ料理とカラオケ店をオープン。その後、中目黒のタイ料理店でシェフとして働き、2013年に「やっぱり自分のお店をもちたい」と小岩にてタイ料理店をオープン。2022年7月に同エリアから移転し現在の場所で「クンヤーイ」を再オープン。
店名の「クンヤーイ」は、タイ語で「おばあちゃん(敬称)」という意味だそう。
ベンジャマートさんの名前は、菊という意味だそうです。可愛らしい名前の由来に心もほっこり。
ベンジャマートさんにタイ料理のお店を開こうと決意したのはなぜかと尋ねたら、
「自分の料理に自信をもっている。自分を信じているんです。」
そう話してくれた。ベンジャマートさんの芯の強さとたくましさに元気をもらう。
「なんでも自分でやってみたいんです。」
そう。タイ料理店で出会うシェフ達はみな力強く、自分の味にこだわりと自信をもっている。日本でこんなふうにタイ本場の美味しい料理を味わえるのは幸せだ。お客さんは「クンヤーイのタイ料理は本物のタイ料理の味」そう言って、ここクンヤーイに通っているそうだ。
また、店内の一角が小さなタイの食料品売り場になっている。
まさにここはディープなタイ料理店なのである。
今日も素敵な出会いに、祝杯を。
ごちそうさまでした!
ありがとう、クンヤーイさん。
ありがとう、シンハービール。
そして、いつもこのグルメレポートを読んでくださる皆様、今年もありがとうございました。また来年も、シンハービールは美味しいタイ料理を求めていきます。
お楽しみに!
それでは、良いお年を!
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