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バスクチーズケーキの研究〜理想までの道のり〜

¡Hola!
スペイン料理人ながら本場のバスクチーズケーキをまだ食べたことのない僕が、頭の中にある理想的なバスクチーズケーキを完成させるまでの道のりです。

2回目となる今回は前回の反省点を踏まえ改良し、より理想に近づきたいと思います。

前回のおさらい

理想のバスクチーズケーキをとりあえず現地の有名店「ラ・ヴィーニャ」のチーズケーキとします。

しかし僕は食べたことが、ない!

なので…写真を頼りにイメージを膨らませてつくることにしました。こちらが「ラ・ヴィーニャ」のバスクチーズケーキ。

「ラ・ヴィーニャ」のバスクチーズケーキ

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【写真から得られたポイント】

▶︎表面には焦げに近い焼き色
▶︎内側は白い
▶︎内側は滑らかそう
▶︎中心はレア状態

これをイメージしてつくった前回の僕のバスクチーズケーキ

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前回の課題と今回の改良点(▶︎前回・▷今回)

▶︎味わいが単調
▷クリームチーズを変更する
▷外側と内側の硬さのコントラストをつける
▷あえて、いい加減につくる

▶︎表面の焼き色が足りなかった
▷オーブンの温度を前回より高温にセット

▶︎白い生地にならなかった
▷白いクリームチーズを使う

▶︎中心がレア状態にならず均一になった
▷牛乳で液体の分量を増やす
▷前回より早めにオーブンから出す

▶︎テリーヌ型はオリジナルと異なる
▷前回と比較したかったのであえて今回もテリーヌ型で焼く

あえて、いい加減につくる

2回目の今回。
日本人から見ると(主語が大きくてすいません)現地の人たちのような大雑把?ある意味、いい加減なつくりかたでつくりました。と言うのも以前からスペイン料理をつくるにあたり現地の人がつくる美味しさは一見いい加減に見える「あのラフさ」に秘密があるのではないだろうかと考えていたからです。何とも言えない素朴感は美味しさに繋がりますが、几帳面につくる料理はやはり食べ手にどこか緊張を強いると思われるからです。細部まで精密につくり込む料理も食べ手としての僕は楽しむことがあります。しかし、このバスクチーズには素朴感を求めたい。なのであえていい加減に。また、素朴感を求めるという同じ理由から原材料は必要最低限の材料だけとします。

工程

原材料(今回)

1.クリームチーズ…500g
2.卵…全卵2個と卵白2個分
3.グラニュー糖…200g
4.小麦粉…大さじ1(オリジナルの分量わからず)
5.生クリーム47%…200ml(1パック)
6.牛乳…50g
※ボールで混ぜる順番は1→6
※オーブン250°で20分

クリームチーズは前回のあまりに新しく買ってきた美味しそうなクリームチーズを合わせて

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いい加減さを表現するために、ピーター(泡立て器)で生地を均一にするのではなく、あえてゴムベラだけで混ぜていきます

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前回は丁寧にわざわざ卵を溶いてから加えましたが今回はそのまま。いい加減に、いい加減に

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完全に生地が均一になる前に、もう次の材料を加えます。まだ卵が混ぜ切れてませんが気にせず気にせず

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レア状態を目指して生クリームに牛乳を加えることで前回よりも生地がゆるくなるように調整

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あ、順番間違えた!生クリームと牛乳の前に薄力粉が先やった。でも、まぁええか。分量は正確に量りません。だいたいスプーンですくった1杯くらい

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ダマがちらほら見えますが気にせず器に流し込みます

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こんなにユルユルの生地で固まるのだろうか?この時点でかなり不安がよぎります。※動画貼り付けたかったけど上手くいかない。

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出来上がりの生地もこんなに揺れてます。これでいいのか不安ですが中心のレア状態を目指して祈りながら冷めるのを待ちます。※こちらも動画貼り付けできず。

完成!なんとか大丈夫そう。ラップをしたら冷蔵庫で一晩寝かせます

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感想

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前回、わざわざあらかじめ卵を溶いておいたり、生クリームを粉と合わせておいたり、その都度均一に生地を混ぜたり几帳面すぎるほど丁寧につくりました。でも、いい加減につくった今回のほうが正直美味しかった。不必要だったんですね。料理に丁寧さは必要ですが無意味にやっちゃいけないことを学びました。

2回目にしてかなり理想に近い中心のレア状態となりました。「生地の液体量を増やす」と「早めにオーブンから出す」が功を奏しました。勇気を持って「ゆるゆるでもオーブンから出す」がコツです。表面を黒く焦がすくらいの高温にしたかったのですが家庭用オーブンレンジの為か250°以上に設定できずにあまり焼き色がつきませんでした。理想はこのレア状態と表面の焦げた焼きを両立させること。まだ道のりは続きそうです。

あと、当前ながらクリームチーズそのものが良質だと歴然と味が美味しくなります。

次回への課題

▶︎良質のクリームチーズを使う
▶︎オーブンレンジを更に高温に設定できるか確認
▶︎ホール型を購入する(型が変わると味も変わるのか?)

採点  70点

乳製品の色について

今回、町村農場のクリームチーズを購入しました。とてもきれいな白色でなめらか。文字通りクリーム状のチーズです。おそらく「ラ・ヴィーニャ」のチーズケーキの生地が白いのはそもそもクリームチーズ自体が白かったからなんでしょうね。

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色あいが黄色い業務スーパーのもの(左)と白い町村農場のもの(右)。

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牛乳はもともと白いのに写真のクリームチーズやバターはなぜ黄色いのでしょうか?

色の正体を知りたくて町村農場に質問すると代表の方にお答えいただきました。

それは乳牛の餌となる牧草に含まれる「カロテン」色素が乳脂肪に含まれるからだそう!また牛乳の白さはカゼインというタンパク質や乳脂肪を覆う膜が光を乱反射するからだそうです!そしてこれは雪や雲が白いのと同じ原理!知りませんでした。

ではまた次回。chao!

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