フラノ寶亭留(北海道・富良野)宿泊記*2019年1月
北国の大自然に抱かれた、大人のためのオーベルジュ
今回宿泊した「フラノ寶亭留」は、JR富良野駅から車で10分ほど山の方へ向かった先にあります。
エントランスを入ると、正面に一面大きな窓のあるロビーがあり、雄大な十勝連峰を一望できる景色が飛び込んできます。
ロビーの中央に置かれている長さ約11メートルもある一枚板のテーブルに案内され、濃厚でなめらかな自家製プリンをいただきながらチェックイン手続きを行います。
テーブルの上には天井から「ふらの牛乳」の牛乳瓶を使ったシャンデリアが吊り下げられていて、スタイリッシュな中に地元愛を感じて気分がほっこりします。
[客室]富良野の自然を一望できる、温かみのあるお部屋
こちらのホテルは全25室で、80平米のスイートルームと、ラグジュアリーツイン、デラックスツイン、和室(それぞれ40平米)の4タイプあり、今回はデラックスツインルームに宿泊しました。
客室のインテリアは、木のライトブラウンとアイボリーを基調にした、シンプルながらも温かみのある印象です。
すべての客室がマウントビューで、広々としたベッドルームの窓からは、ホテルの庭とその向こうの山々が一望でき、富良野の大自然を部屋にいながら感じることができます。
初夏になると目の前の庭に5,000株ものラベンダーが咲き誇るそうですが、私が滞在したのは昼でも氷点下の真冬だったので、一面に銀世界が広がっていました。バルコニーにはテーブルセットもあり、暖かい季節には庭を眺めたり星を見上げたりできそうです。
客室バスルームはガラス張りになっていて、ベッドルーム越しに外の景色を眺めながらお風呂に入ることができます。浴槽はジェットバスになっていますが、温泉ではないので、今回は利用しませんでした。温泉大浴場がある宿の場合、客室風呂が簡易的なユニットバスであることも多々ありますが、こちらのお風呂なら、客室でゆったりお風呂に入りたい時も、快適なバスタイムが過ごせると思います。
[温泉]岩盤浴とサウナも併設した温泉大浴場
温泉大浴場は1階と3階にあり、深夜の時間帯に男女の入れ替えが行われます。
1階の大浴場は檜の造りになっていて、浴槽のそばにはガラス張りで開放的なドライサウナがあります。
露天風呂もありますが、冬季(11月〜4月)は凍結のためにクローズとなっていました。
3階の大浴場は御影石造りの展望風呂で、1階の大浴場とほぼ同じ造りと広さになっています。
大浴場に隣接して岩盤浴のスペースもあり、岩盤浴専用の出入り口や少し小さめの浴槽と洗い場もありました。
[食事]ミシュラン星獲得の美食フレンチを堪能
夕食はミシュランの星獲得の経歴もある「フラノ寶亭留 レストラン」にていただきます。富良野産の食材を多彩にアレンジした、繊細なフレンチのコースを堪能しました。
鮮やかなビーツに覆われた前菜は、その下に鰯と紅しぐれ大根、黒千石大豆のマリネが隠れるように盛られていて、見た目にも美しく、楽しく、気分の上がる料理で印象的でした。
宿泊プランの内容が、女性や少食の方向けのもので、フルコースより1品少ないメニュー構成でしたが、一皿一皿個性的で、バリエーションも豊かで、ディナーをめいっぱい楽しむことができました。
格式高いレストランですがドレスコードはなく、部屋着の作務衣の上に、客室に備えてある丹前を羽織れば、レストランでも着用OKです。この日レストランに居合わせた宿泊客は、部屋着と私服の割合がちょうど半々で、テーブル同士は程よく距離が保たれているし、ホール内の照明も落とし気味なので、部屋着だからといって場の雰囲気を損ねるようなことはありません。
本格フレンチの様式を楽しみたい方はドレスアップしても良いし、リラックスした気分で食事をしたいという方は部屋着でも良いし、どちらも心地よく食事ができる工夫がなされていると感じました。
またこちらの宿では、北欧のティータイムを意味する「フィーカ」と「富良野」を合わせた「フラノフィーカ」というコンセプトのもと、ロビーの横の宿泊者専用バーラウンジで、パティシエ特製のお菓子を楽しむことができます。
そして一部のプレミアムなお酒を除き、ビールやワイン、カクテルがフリーでいただけるので、夕食前に軽くお酒をたしなむ人や、食後にゆっくりくつろぐ人などで夜遅くまでにぎわっていました。
夕食後、部屋に戻るとちまきの夜食が用意されていたので、部屋でゆっくりくつろぎながら、冷蔵庫のビールとともにいただきました。冷蔵庫のドリンクもフリーで補充もしていただけます。
[施設]さまざまなアートに触れられ、まるで美術館!
翌朝、窓の外を見ると庭の真ん中にかまくらがあるのが気になり、庭へ出てみました。たまたま館内の廊下ですれ違った男性スタッフに庭へ出る道順を尋ねたところ、作業の手を止めてわざわざ外へ出る扉の前まで案内してくれました。
かまくらはホテルのスタッフが手作りしたものだそうで、中を覗くと、小さな松ぼっくりでできたかわいいオブジェが陳列されていて、おみやげで自由に持ち帰られるようになっていました。
館内にもギャラリースペースがあり、地元のアーティストや書道家が制作した作品が展示されていて、販売している作品などもありました。
また「書の間」という部屋では宿泊客はいつでも自由に書道が楽しめるなど、さまざまなアートに触れられるのがユニークでした。
小学生以下の子どもは宿泊できない大人のためのリゾートで、静かで落ち着いたステイを楽しみたい方にはピッタリのホテルでした。四季折々でまったく違う風景が楽しめるので、季節を変えてまたぜひ訪れたいです。
※写真と内容は2019年当時の情報です。ご了承ください。
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