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ホテルリッジ(徳島・鳴門)宿泊記*2018年3月

のどかな瀬戸内の風景に癒される美食のスモールラグジュアリー


今回宿泊した「ホテルリッジ」は、鳴門海峡に面した徳島県の島田島という小さな島の北部にあります。大正時代に鳴門で創立した大塚製薬グループが運営するホテルです。事前にお願いをしておけば、徳島空港と鳴門市内の送迎をしていただけます。

JR鳴門駅に到着すると、ホテルのロゴが入ったプレートを持ったスタッフが待機されていました。上品なグレーのセンチュリーでの出迎えに気分が高まります。

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駅からは車で30分程度で到着しますが、少し寄り道をして大鳴門橋の渦潮スポットまで連れて行っていただきました。スケジュールの都合で、今回の旅では渦潮の観覧は諦めていたので、運転手さんの計らいがとても嬉しかったです。ホテルまでの道のりの間にも、ウチノ海の釣いかだが見渡せる見晴らしのいい展望台や、観潮船乗り場がある港など、周辺の観光案内をしながら宿へ車を進めてくれました。

到着するとレセプション棟に案内され、名産のすだちの香りがきいた昆布茶をいただきながらチェックインを行います。

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レセプション棟と宿泊棟は屋根のついた外廊下でつながっており、こちらを通って部屋へ向かいます。客室は全10室すべてヴィラタイプで、洋室6室、和室4室となっており、今回は和室の方に宿泊しました。

[客室]鳴門の海を一望できる和モダンのヴィラ

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客室の引き戸を開けると広い玄関があり、一歩入ると正面の窓から鳴門の海の景色が飛び込んできます。玄関を挟んで右手にベッドルーム、左手にバスルームが配された間取りで、合わせて60平米の広さです。

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ヴィラの外観は渋墨塗の上品な黒の板張りでシックな印象ですが、ベッドルームは温かみのある白と茶色を基調にした落ち着いた雰囲気です。

畳敷きとの案内でしたが、い草の畳ではなく、畳の風合いのラグが部屋全体に敷かれたものでした。裸足で歩いても気持ちよく、モダンな雰囲気と心地よいテクスチャーがうまく両立されていました。 

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バスルームには、窓際に大きな石造りの浴槽があり、お風呂に入りながら外の景色を楽しむことができます。バスルームの中心には総ガラス張りのシャワーブース、浴槽の反対側の奥まった場所にトイレがレイアウトされています。これらすべてが一つの空間にあるため、2人以上で滞在する場合は、トイレやお風呂の使用タイミングに互いの配慮が必要かもしれません。バスルームは冷暖房完備で、石の床には床暖房が入っているので、冬でも素足で歩くことができます。 

[温泉]鳴門海峡を一望できる露天温泉が楽しめます

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こちらのホテルには宿泊者専用のスパがあり、温泉大浴場と露天風呂を利用することができます。お湯は少し鉄分を含み茶色く濁った単純泉です。

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3〜4人も入れば圧迫感がありそうな広さの浴槽ですが、平日で満室ではなかったためか、夕方、夜、翌朝と何度も行きましたが、誰とも会うことなく貸し切り状態で楽しめました。

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露天風呂は高い塀などで囲われており、あまり視界が開けていませんが、鳴門海峡と対岸の淡路島がきれいに見え、周囲には人工的な明かりがほとんどないため、夜は満点の星空を眺めることができました。 

[食事]歴史ある建物のプライベートダイニングで優雅なひとときを

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夕食は食事処の「万里荘」にていただきます。こちらは、かつて別の料亭が入っていた建物で、現在は宿泊者の夕食のためだけに用意されたプライベートダイニングとなっています。宿泊棟からは数百メートル離れているため、時間になると車で送迎していただきます。

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料理は和風の懐石料理です。名物の石焼料理は、自家製の酒盗に漬けた新鮮なイカを数百度に熱した石で焼くもので、石の上でイカが踊る様子や焼ける匂いなど五感で楽しめる逸品でした。

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また強肴は、お品書きには「団扇海老」としか書かれていません。どんな料理か、出てくるまでわかりませんが、丸く揚げた一口大のそれは、噛むと中からとろとろのモッツァレラチーズが出てくるという食感のサプライズを堪能するものでした。

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食事の際には、大塚グループが保有しているカリフォルニアの名門ワイナリー「リッジ・ヴィンヤーズ」のワインをグラスでもいただけますが、和食にはやはり日本酒という方には、徳島の地酒も豊富に用意されていました。

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すべての料理が、一口ごとに唸ってしまうほどおいしく、美しく、見事でした。

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朝食は、万里荘に隣接する別棟のダイニングでいただきます。

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こちらは築90年になる旧財閥の別荘を移築してきたという、とても趣のある建物で、高い天井や緻密にデザインされた組子の欄間など、当時の贅を感じる造りです。

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こちらの窓からも海と淡路島が一望でき、のどかな風景と昔ながらのガラスのゆらぎがとてもマッチしていました。

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料理は、ちょうど収穫の最盛期を迎えていた鳴門わかめのしゃぶしゃぶが印象的でした。獲れたての肉厚な生わかめを昆布だしに数秒くぐらせるだけで、鮮やかな緑色に変わり、シャキシャキとした食感で大変おいしかったです。

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スタッフはどの方も、立ち居振る舞いにプライドが見え、どうしたら宿泊客に心から寛いでもらえ、喜んでもらえるかを常に意識して行動されているのを感じました。大切な方との記念日やお祝いなどで、滞在そのものを楽しむ旅にぴったりだと思います。料理、お酒、温泉、お部屋と、人によって宿へのこだわりが違うと思いますが、どんな方を連れて行っても満足してもらえるような、本当に素敵なホテルでした。

※写真と内容は2018年当時の情報です。ご了承ください。

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