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そこに無い家に呼ばれる

【そこに無い家に呼ばれる】
『三津田信三』



怖い小説を探している時に著者の名前を見かけて、本屋の本棚を舐めるように見ていると見つけたのはこちらの一冊。
『どこの家にも怖いものはいる』……だったかな。
それを目当てで探していたけど見つけられなかったので、それを後々読むことを前提に、著者の作品を一冊読んでみようかなと読了。
結論、最初の方に他の作品を読んでなくても楽しめると書いてあったくせに!!
他の作品を読んでないと楽しめなかったなと私は感じたので、大嘘!
要所要所に他の作品の要素をちらちら出してくるから、気になって仕方がない。
あとで読むにしても事前知識がないことが憚れることが多々とあって、この作品が初めてになった人にはとっつきにくい印象を抱かせるのではと思う。
私がそうであった。
怖い話のはじまりはじまり、の前の語りが長すぎるし、きっと作者であったり作者の作品が好きな人なら楽しめる要素盛りだくさんの部分もあるのだろうがいかんせん初めてだから……。身内ネタの本を読まされてる気持ちになっていた。
そしていざ怖い話がスタートするも、

うーん。

私は過去に小林泰三の肉食屋敷で似たような屋敷ホラーものを読んでいたからか、肩透かしだった。
屋敷に入るところの恐怖感や、一体何が追ってきているの?!のハラハラはあったものの、一つ目の……何?妖怪??って感じだし。
どれかというと近所に住む女性が過去にパーティーに招かれた時の話の方が怖かった。

結局謎も謎のまま残っているし、それはそれでいいけどそれはそうしなくてはいけませんでしたみたいなこじつけをされて、いや、いいんだけど……とやけに読者媚をしているのか?と謎の不審感を抱く始末。
また解説の作者への酔狂ぶりが、今作初めての私からしたらそこまでのものなのかと首を捻るもので、なんとも言えない感情に。

読了しただけあって決してつまらなかったわけではないが、期待以下ではあると感じた。

しかし当然他の作品も気にならされたので、見つけ次第買うつもりではある。
それらを踏まえて出会えてよかったと思うか、ボロクソに言ってしまうか判断します。

以上。