羨ましいと思うもの

朝5時の眠気の中で撫でる猫の寝姿。

友人の子鳥のさえずりのようなメール文。

コーヒーを何杯も飲むくたびれたスーツのサラリーマンの後ろ姿。

地味だけどどこか色っぽい年下の女の子。

いつしか、美しい人を羨ましいとは思わなくなった。

美しい人を羨んで、私は全然ダメだと落ち込まなくなった。

でも、自分の美意識にかっちりハマる人を羨むようになると、

ため息のような羨ましさが心から流れ出てくるようになる。

自分では絶対になれないようなそんな姿を見て羨むのは、

一種の嘲笑なのかもしれない。

失礼極まりないな、私。


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