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どうにもならないことをどうにかしようとしない力。

世の中には思いもよらなかったことが起きることがある。病気になったり、事故や災害に遭ったり。

こうなるといいなと思っていた願いや希望が叶わないこともある。志望する学校や会社に落ちたり、恋人と別れたり、子どもが欲しくても授からなかったり。

そういうもう自分の力では到底およばないことが起きたときの心の持ちようというのが、私はひどく下手くそなようだ。これも突発性難聴になってあらためて感じたことだと言える。

そう書くと、これまで人生わりと幸せに過ごしてきたんですね、と思う人もいるかもしれない。たしかに今がいちばん心身の不調にぶち当たっているので、健康面に関しては恵まれていたのだと思う。

ただ、私の「どうにもならないことを受け入れるのが下手」なのは挫折知らずだったからなわけではなく、「どうにもならないことでもどうにかしないといけないと思い込んできた」からなのではないかと感じている。

大学には行かないといけない、30までには結婚すべきだ、結婚したなら子どもは産むよね……そんな親や社会からの当たり前を受け止め、それが叶わなかったら自分のせいだと考えてきた。だから、想定外のことが起きると安心状態にいられず、「自分の努力不足なのではないか?」と自分を責めてしまうのではないか。

今になって、私は理解している。どこの大学を出ているかなんて人生の豊かさにほとんど関係ないこと。結婚や出産に魅力を感じない人が今後スタンダードになっていくであろうこと。たとえば私が就職活動で苦労したのは、自分の能力が低いからだと思ってきたけれど当時の社会情勢も大きく関係していたこと。

当たり前なことなんてない。当たり前でいなきゃいけないこともない。

私は今、どうにもならないことをどうにかしないでいられる力がめちゃくちゃ欲しい。何かアクシデントが起きたときに、「どうにかしなきゃいけない」じゃなくて、「しゃーないじゃん」「どうにかなるって」と思える力が。

そして、自分と同じようにならないように、子どもにも「こうなるべきだ」という思いを植え付けないようにしないとと思っている。できているかはわからない。でも、「何が起きても、どんなふうになっても大丈夫。私はあなたの味方でいるよ」と自分にも子どもにも言ってあげられればいいと心から思っている。

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