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ネガティビティ・バイアスを断ち切りたい。

昔からそうではあるが、私はかなりのネガティブ思考な持ち主。たとえば明るい結果が待っている可能性が高いときであっても、それはそれで万が一ダメだったときに落胆が大きくなるから、あえて悪い結果を想定して臨む、みたいなところがすごくある。

良い結果のときですらそうなのだから、悪い可能性が考えられるときたるや!突発性難聴になったときの私の負の発動力といったらまったくもって尋常ではなかった。

・左耳の聴力が戻らない→なんだかこのところ聴こえがさらに悪い気がする→悪化しているに違いない!

・突発性難聴になってから目の痙攣が続いてる→よく見たら左目にポツッとした発疹が……→なにかの病気に違いない!

・耳や目だけじゃない、体のどこの部位に病が隠れているかわからない。そういえば乳がん検診は昨年受けていない……→もしかしたら乳がんになって進行しているかもしれない→いや、そうに違いない!

ってな具合で、もう考え出したら心が休まる暇もない。そりゃ不眠症にも不安症にもなるわ!!

でも、改めて気づくことができた。そもそも私にはこんなふうに異常にマイナスに考える癖があるのだと。

心理学者のリック・ハンソン博士は人間の脳の性質について、

「ポジティブな体験をテフロンのように弾き、ネガティブな体験はマジックテープのようにとどめてしまう」

と著しているそうだ。

人間誰しもが、こうした「ネガティビティ・バイアス」を持ち合わせていると言える。けれど、私は特にその傾向が強いのかもしれない。

そして私は、この自分の思考の癖を今からでも変えたいと思っている。だって、何か自分の身につらいことが起きたときに、雪だるま式にネガティブな可能性を追加していくなんて、自分の心をさらに不安でがんじがらめにするだけだから。

ではどうすればよいか。常にポジティブなものに目を向け、良い可能性を信じることしかない。先ほどの博士の言葉のとおり、前提として私たちはポジティブなものよりネガティブなもののほうに引き寄せられやすい。だからもうそれはそれは意識して、暗示をかけるかのごとく、常に自分にポジティブな可能性を言い聞かせて安心させてあげるしかない。「大丈夫だよ、ここ何回かの検査でも聴力は特に落ちてなかったよね?」「今日はどんないいことがあった?」「まぁまぁ、とりあえずハーゲンダッツでも食べて、まずはひと息つこうよ」ってな具合に。少しでも気を抜けば、再びネガティビティ・バイアスに囚われてしまうことは目に見えている。

実践はなかなかに難しい。でも、今からだって思考の癖は変えられる。と、思いたい。

ちなみに、目の発疹はマイボーム腺が詰まってたというものだったし(大したことない)、不安に駆られて乳腺クリニックに駆け込んだけれど乳がんの所見はなかった。そうやって事実でもって不安を潰していくことができるなら、それもネガティビティ・バイアスから逃れる有効な対処法かもしれない。

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