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新しいクラウンは発展するために必要なモデルチェンジ!!

まもなく新しいクラウンが発表される。昨年から流れて来る情報の通り、新型クラウンはクーペSUVと言えるスタイルになる。クラウンといえば、昭和30年に誕生。ランドクルーザーと並びトヨタでもっとも歴史あるブランドであり、日本車全体でもこれと並ぶ伝説を語れるのは、日産スカイラインくらいしかない。まさに日本車の宝であり、絶対に無くしてはいけないブランドである。クラウンは66年の歴史において、保守的なセダンとしての地位を確立してきた。また、日本人の憧れの象徴でもあった。しかし、21世紀に入り人々の好みも多様になった。高級車はセダンという価値観は壊れた。そしてクラウンのユーザーは年々高齢化し、20年前ですでに60歳くらいだったから、今はもうほとんどの熱狂的なファンは免許証を返納する頃だ。それを表すように販売台数は見る影もなく、昨年の販売台数は2万台となった。全盛期の1/10である。

私は変化することを嫌わないが、古い価値観の狭間にいる人間ともいえる。セダンが大好きで車の基本はセダンだろうと今でも内心思っている。後輪駆動に6気筒しか乗りたくないとまで言っていた頃もあった。ほんの数年前、若い女性と話していた時、私の自慢であったトヨタチェイサーを見せたことがある。第一声がタクシーみたいな車・・・だった。さすがにショックだったが、そんな経験をトヨタの人もしているのだろう。今の若い世代へクラウンを引き継いでいくためには、セダンという固まった発想ではやっていけないし、100年に一度の大変革と言われる自動車業界の先頭を走るトヨタにとって、クラウンをまったく新しい車にするなど、もはやまったく抵抗のないことだっただろう。

それがクーペSUVに行きついた理由は、私もちょっとわからないが、高級ラインのSUVとしてはハリアーがあるため、違いを明確にできないということだろう。そこで、欧州車に見られるクーペSUVというジャンルにトヨタとしては初めて挑戦する。そこにクラウンという名前を使うということになったと予測する。

新しいクラウンとされる画像 (特許庁より)


新型クラウンはこれまで通りFRベースで、クーペSUVにするという手法もあったはずだが、FFのプラットフォームを使うことになったようだ。したがって、レクサスESやカムリと同じ骨格を持ったモデルになると思われる。

一般的にFRよりFFの方が格下と考えられているようだが、近年はFFだからダメということはない。それに電動化でいろいろな走りチューニングもできるようになるので、そこまでこだわることはないと思う。ただ、発売直後は全車4WDとなるようで、FFになったと言えないように配慮されるようだ。これは、昔々ジャガーが初めてFFベースの車種「Xタイプ」を出す時にやったことに似ているが、メーカーが思うほどユーザーは気にしなかったので、あっけなくFFが追加されている。おそらくクラウンも状況を見ながらFFが追加されることになるだろう。

パワートレインはハリアーなどと共通の2.5L直列4気筒+モーターのハイブリッドモデル(E-Four)がメインになる。そして、これまでの3.5L・3.5Lハイブリッドユーザーの受け皿として、新型レクサスRXに搭載される予定の2.4L直列4気筒ターボ+モーターにかなりハイパワーなリヤモーターを組み合わせるeAxleを搭載した「DIRECT4」と呼ばれる新型ハイブリッドシステムのモデルも用意される。「DIRECT4」はリヤのモーターを積極的に使うことで、後輪駆動寄りの走りもできるようになっているらしい。今後モーターで走りを作るとなると、ひとつのプラットフォームで、前輪駆動にもAWDにも後輪駆動にもなるというようなことも当たり前になってくるかもしれない。

価格は現在のクラウンが489万円からとなっているが、新型は435万円あたりのスタートという情報がある。販売のメインになりそうなタイプは500万円くらいなのだが、カムリのハイブリッド4WD車と接近した価格帯だし、ハリアーのハイブリッド4WDと比べたら、これはもうほぼ同じ。間違いなくクラウン売れてしまうだろう。

さて、新しいクラウンは日本国内だけを見ていないと思われる。クラウンという名前が世界中で使われるかはわからないが、今後このシリーズの車種はアメリカ、中国などでも販売するはずだ。このメリットは今後ワゴンなどさまざまなボディバリエーションが期待できること。また、一部報道によると同じく販売が低迷している北米市場の最上級セダン「アバロン」のテコ入れも兼ねて、クラウンと共通のセダンが北米でも販売するという噂がある。つまり、セダンモデルも開発されるということで、こちらは現行クラウンを基にした後輪駆動という情報もあるし、マジェスタという名前を得るかもしれないとのうわさもある。先細りになっていくよりも、大胆に変わっていろいろな発展をしていく方が日本のクラウンファンにとっても楽しいのではないだろうか。私はこの決断は支持したいと思っている。

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