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飛びぬけたブランドはもろい

人気はいつか陰るもの。

あのサザンオールスターズにもそんなときがあった。少しずつ売れ行き下がり、「イエローマン」という曲が売れなかったときには、私もそろそろ終わりかと感じた。しかし、その後「TSUNAMI」で完全復活する。そうなると次はレジェンド扱いになる。売れ行きがどうなんて存在ではなくなる。とはいえ、桑田佳祐の最新アルバム「ごはん味噌汁海苔お漬物卵焼き feat. 梅干し」は恐れ入る。らしさを感じるのに全部新しい。どれだけ引き出しがあるのか。天才としか言いようがない。


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人気絶頂の頃のワゴンRスティングレー


自動車の世界では「スズキワゴンR」「ダイハツムーヴ」がエンディング感を出している。ワゴンRは日本で一番売れる車の常連。ムーヴといつも競っていた。一時はワゴンRが24万台。ムーヴが19万台売れたのだ。軽といえばワゴンRかムーヴだったと言っても過言ではなかろう。それが昨年はワゴンRが66,000台。ムーヴが44,000台。全盛期の1/4。確かにわかる。お買い物仕様車はまだしも、ワゴンRスティングレーやムーヴカスタムの最新モデルなんて見たことがない気がする。


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レーダークルーズもあったムーヴカスタム


なぜ、ワゴンRやムーヴは人気がなくなったか。単純に魅力がなくなったからだと思う。ユーザーも高齢化している。本当に申し訳ない。ひどい話をしていると承知だが、理由もないのに欲しいと思えない。完全に守りに入っている。確かに乗ればいい車なのだ。よく走る。室内も広い。燃費もよくて価格も割安。ケチを付けるところはないのに、どうして。つまらない。

まさに20年前のカローラと同じだ。ちょうど私たちの世代が免許を取っていたころ。カローラだけは嫌という人は多かった。おじさん車の筆頭。しかし、今はどうか。先入観を持つ若い人は少なくなって、受け入れられている。そして、それに引きずられて私たちの世代も、カローラいいねなんて言っちゃったりしている。

復権には20年かかる !?

カローラは一番人気ではなくなったことで、息を吹き返したところがある。売れなくなるといいことがある。思い切って変えることができること。売れる車の開発者は守りに入ってしまいがち。しかし、この販売台数なら変えることができる。次のワゴンRとムーヴは、これが?! と思うくらい大胆に変えて欲しい。影も形もなくなっていいと思う。そのくらい変わるべきだ。カローラが20年かけてイメージを変えていったが、今の時代そんなに時間をかけていられない。クーペになるくらいの変化が必要。それが車界のレジェンドになれる近道だ。

N-BOXにも終わりは来ます

今、ベストセラーはホンダN-BOXだ。かつてのワゴンRと同じくらい売れている。当時ワゴンRが売れなくなると思った人がいなかったように、N-BOXに限ってまさか!!と思うのは間違い。売れなくなる日は絶対来る。飛びぬけたブランドはもろいものだ。実際、すでにその傾向は出ている。例えば、免許を取ったばかりの若い人たちが、N-BOXとかスペーシアだけはイヤと言う。話を聞くと、お母さんが乗っているイメージなのだそうだ。カローラ化が始まっている。先手を打って、スズキはワゴンRスマイルを登場させている。移り気の激しい日本の消費者を相手に、車を作るのは本当に難しいことだと思う日々である。


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ある意味あたらしいワゴンRの形 "ワゴンRスマイル"


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ママのタントはイヤ!! という若い人に人気のムーヴキャンバス

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