『Dave the Diver』のモヤモヤする話


1. 私の頭が硬いことをどうか許しておくれ

Steamサマーセールでギフトしてもらった『Dave the Diver』。
私が大したリサーチもせず”圧倒的好評”につられてウィッシュリストに放り込み、実際プレイした結果「なぜこれが圧倒的好評を受けてしまっているのだ」と疑問符を浮かばせずにはいられなかった。

どうかギフトしてくれた私の大切なY、こういう文章を書くことを許して欲しい!!

2. プレイヤーにとって完備されてるとは言い難い

開発版から製品版へと移行した後にプレイしたものの、システムが完成されているとは言い難かった
なぜなら、
・長押し決定の、長押しが、本当に長い
・移動が遅いのに、移動させられるシーンがかなり多く、無駄に感じる
・必要のないところで長押しを要求し、間違えやすいところですぐ決定される
・海に一度入ると、欲しいものを確認するのが難しい
・世の中で嫌われがちなQTEが結構盛り込まれてる(易しいがやり直しになったことあるくらい)
・ダイビング中の操作性があまり良くなく感じる(私が苦手なのもあるかも)
・イベントで動けないのに、時間が経過するタイムアタック

美麗なUIは、私たちに「これは素晴らしいAクラスゲームである」ということを伝えてくるが、それ故にAクラスと思えないユーザビリティに首を傾げる
(というか、素晴らしいが故に目立つ)
ゲームの面白さに対するコア部分ではないので、あまり意識されてないのかな

ゲームプレイ自体は、
①海に潜り魚をとる
 =よくある採取ゲーム
②寿司バーでバイト
 =釣った魚を使うという点は面白い!
  が、内容としては、ポップが出た場所に行き、ただボタンを押すだけだ!
③豊富なイベント
 =があるよ

というわけで、正直目新しさがあるのは開始数十分で、
そのあとはチグハグな部分につまづくにもかかわらず、最後までプレイするインセンティブに欠けてしまった
私にとっては!!

3. 最大の首傾げポイント

本題はこれ
かなり思想的な話になるので注意

海に潜ると強制イベントに突入
(おそらくフラグ発生ではなく、時間経過イベントと思われる)

・イルカが捕まっている!→助ける
・イルカが人に追われている!→人を撃って助ける

あの、これを読まれているあなたは何か疑問に思われるでしょうか?
私はダメだったんですね

デイブは、魚を殺しながら、イルカは殺させない

デイブはダイバーで、平気でたくさんの魚に銛を撃ち込み、海に血を流す(時にデイブの血が流れる)
しかも、タコが少し周りをうろちょろしただけで、「馬鹿にしやがって・・・あいつ殺してやるからな!」と顔真っ赤で追っかける、非常に怖い人だ

にもかかわらず、イルカが人に追われていると、それを助けようと人に銛を撃ち込む
デイブは優しいね、ダイバーはイルカに優しいんだ!

これがおかしいと思わない人は読むのをやめたほうがいい



要するにこのゲームには、脳みその大きさで生命の価値を決めるという思想が含まれているのだ
そしてその思想を邪魔するものがあれば、血を流すのも辞さない考えを教えてくれる
鯨はお互いに会話し悲しみも感じるから殺すべきじゃない、イルカも同じだ
そうして、イルカは殺されるのが許せないからと人に突き刺した銛で、数多の魚を串刺しにする
じゃあサメはどうなの?・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・サメは人を襲ってくるからいいんだよ

プレイ中そこかしこに転がる思想に、思惑が止まらない

じゃあタコは?タコはからかってくるだけで殺したくなるのってどういうことなの?
魚は食べるために殺す
タコはムカつくから殺す(結局食べるのだろうけど)
デイブ怖いよ!

自然破壊やめろと運動してる人たちが出てくるが、彼らは実は金目的とかそういった薄汚れた奴らだから聞く必要ないというスタンスとか
海の中で爆弾を使ったことを咎めてくる奴を、銃で撃ったりだとか
怖いよ!色んなこともうちょっと考えて、イベントを作って欲しいよ!

私はこの手の、多くの人類に良いように固められ、たくさんの例外を含む思想があまり好きじゃない
私には魚もイルカも鯨もサメもみんな素晴らしい、私たちは全ての生き物を殺さないでは生きていけないから、全て有難いという思想なのだ
そこに多くの思想的矛盾を孕んだこのゲームが、まるで肌をヤスリで削られるかのように感じる

結局この人たちは、自分が好きか嫌いかで判断している
それを一見合理的な理由で正当化しようとしているだけと感じられる
犬を食う文化が許せないのは、犬が可愛くて辛いから認めれないとか
馬を食う文化が許せないのは、馬が可愛くて大好きだから認めれないとか
でもそれは結局生命体を、恣意的な理由で区別しているだけなのだ
人間(私含め)は自分勝手だなとガッカリする←ここまでが定期
結局何しても罪深いのに、まるで正しいことをしてるかのように振る舞うのが辛い

ゲームで遊んだ人たちに、疑うこともなくただイルカを助けなきゃと植え付けるのが、私は受け入れられなかった
私はこのゲームを遊ぶと、こういう理由でガッカリしてしまうので向いてなかった

4. 謝罪

このゲームを遊んで楽しかった人もたくさんいると思う
ゲーム的な難点はあくまで人によって違うだろうし、
思想的なことは「うるせーな」って感じかもしれん

みんなに考えて欲しいとか悔い改めて欲しい(笑)とかいうことはなく、
ただ私がこのゲーム合わなかったよってだけだ
私の分も、楽しんでくれ・・・

そしてギフトしてくれたY、本当にごめんよ・・・
私の頭が硬いばかりに、最後まで楽しくプレイはできないかもしれない・・・

そしてSteamでこのゲームが”圧倒的好評”なことに驚きを隠せません
思想だけでなく、システム面も特に斬新でもなく平凡、粗もあります
Steamレビューを信頼してきましたが、これはニッチ市場が大衆化していっていることの弊害なのかもしれない・・・なんて一人憂いている老人かよ・・・


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