春のデビルキラーズ通勤快速
通勤電車。いつもの車両いつものドアの前。いつも向かいに立ってる人がいる。ストライプのシャツにセルフレームの眼鏡。とてもきれいな女の人。文庫本を読んでる。どこかの書店のブックカバー。たまに目が合う。何読んでるんですか? と問いかけたいが、とっかかりが無く言葉をのむ。でもおれは今日は声をかけようと思っていた。
《ゲェ~ッヘヘッヘ、いい女じゃねぇーか、襲っちま――》
窓から車内に潜り込んだ下級妖魔だ。痩せた小鬼にコウモリの羽。下卑た表情。おれの横を通り彼女に向かったので、
ご